天の神様①

大学に入った当時、私は絶望しきっていた。大学受験大失敗。浪人は許されない。全くいく気のなかった大学の門をくぐる。あの年の4月は最悪で、毎日意味もなく泣きそうになっていたのを未だに思い出す。ぼーっと大学1年を過ごした。1女ということで、それなりにちやほやされた。ただ、この大学への嫌悪感を抱えたままの私は、そんな好意さえも馬鹿にして過ごしていた。こんな捻くれ者を、更にどん底に突き落とした事件があった。

2年生になる直前、ゼミの選考が行われた。志願書に、私がいかにこのゼミに入りたいかを丹精込めて書き込んだ。選考結果が貼り出された日、私は自分の学籍番号を見つけられなかった。何度も何度も確認するが、やはり見慣れたあの番号は見当たらない。

「あぁ、落ちた」

あの日と同じだ。第1志望の大学に不合格したあの日と。悔しさ、絶望感、色々な感情が胸の中で渦巻いていく。頭の中がどんどん白くなっていき、指先がじわじわと冷たくなっていく。心臓の音だけ確かに聞こえてくるのが、いやに気持ち悪い。1年前と同じ感覚を味わうことになろうとは夢にも思わなかった。

全てがどうでもよくなった。頑張ったところで、報われないではないか。結局、やりたいことも出来ないではないか。それならば、もう全て適当にこなそう。大学生活はもう期待しない。

ゼミの第2志望は、「どちらにしようかな天の神様の言う通り」で決めた。今思うと、天の神様は本当にいるのかもしれない。適当に決めたゼミの先生が、私にとってスーパーヒーローになるのだ。

このあとの話は、明日あたりに書こうと思う。何だか陰鬱な話で終わってしまった。最近、風の匂いが春っぽくなってきた気がする。陽の光も春めいてきた。心がざわざわする。フジファブリックの「桜の季節」を聞かなくちゃ。

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