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「仕事のできないあの人」にイライラしちゃうあなたへ

こんにちは、シンです。

今回はあなたが、
「職場にいる仕事のできないあの人」に
イライラしなくなり、
優しくなれるお話をしたいと思います。


あなたは勉強や仕事を
バリバリ頑張っている人ですか?

そしてそれなりに
結果を出してきた人ですか?

僕はまさにそのタイプです。

一番になれるほどではないけれど、
多くの人よりは努力するし、
それに見合った結果も出せる。

でもこういうタイプの人って、
自分と同じように
努力して結果を出せない人のことを、
正直心のどこかで
馬鹿にしてしまうようなところが、
あるんじゃないかと思います。

実は、僕はめちゃくちゃありました。

僕は小学校受験をして、
小学校から私立に通い、
中学受験、大学受験、大学院受験までしました。

その後は東京に出てきて、
証券マンをやったり、
リクルートで営業の仕事をしたり。

なので自然と、
「結果を出せる奴が正義、出せないやつはゴミ」
みたいな価値観が
脳内に染み付きました。

塾の先生をしていた時も
「頭が悪くて勉強ができない奴はダメなやつだ」
なんて、
さすがに口には出さないけど、
心の中では思っていたり。。。。

でも、最近になってやっと、
この考え方は間違っているなと
気づくようになったんです。

間違っているというか、
あまりにも偏ったものの見方だなと。


人間の価値はそれだけじゃない。


勉強も仕事もできないけど、
そもそも努力もあんまりできないけど、
その人がいるだけで楽しい時間を過ごせる、
自然と笑いが起きる、
そんな人も世の中にはいて、
そういう人がいることの”ありがたさ”を
僕は軽視していたなあと思うようになりました。

そんなことを考えていると、
中学生の時に同級生だった
T君のことを思い出したので、
今日は最強におバカで
「みんなを楽しませる才能」にあふれた
彼の事件簿をお話しします。


パスポート事件

中学3年生の時、
修学旅行でアメリカに行きました。

僕は関西ではそこそこ有名な
偏差値75くらいの
私立の中高一貫校に通っていました。

なので英語は普通の中学生よりはかなりできたと思いますが、
そうは言っても中学生。

英語力なんてたかが知れてます。

しかも進学校あるあるだと思いますが、
受験に必要な読み書きばかりをやっていたので、
スピーキングやリスニングはほとんどやっていなかったんです。

僕を含め、
みんな英語はしゃべれないし、
聞き取れない。

そんな状態だから、
アメリカでの約10日間を
無事に過ごせるだろうかと
不安でいっぱいでした。

まずはアメリカに着いた時の入国審査は無事に通れるだろうか、
ホームステイ先のホストに無事挨拶できるだろうか、
飲食店でちゃんと注文できるだろうか、
などなどたくさんの関門が
僕たちには待っていました。


出発の日の朝、
僕たちは関西国際空港に集合しました。

これから10時間以上飛行機に乗って
アメリカへ行くわけです。

僕にとって海外旅行は初めてだったから、
とてもワクワクしていました。

集合場所で僕の横に座っていたT君も
「アメリカで金髪美女にナンパされたらどうしよかな!?」
とかアホなことを言いながら、
すごく興奮していました。

集合時間になり、
先生が点呼をとった後、
全員にパスポートがあるか確認するよう言ったので、
みんなカバンからパスポートを取り出し、
パタパタしながら持ってきたことを先生にアピールしていました。

「パスポートを忘れるなんて、さすがにそんな初歩的なミスをするヤツはいないだろう」
なんて思いながら、ふと横を見ると、
なぜか一人でうつむいているT君・・・。

それはそれはもう、
これ以上うつむくことなんてできないだろうというくらいうつむいていました。

「まさかこいつ、パスポートを忘れたのか!?」
と思ったけど、
その手にはしっかりパスポートが。

ってことは体調でも悪いのかなと
ちょっと心配になり、
「おい、どしたん?」と声をかけると
T君は
「パスポートが・・・パスポートが・・・」
とブツブツいうばかり。。

「パスポート持ってるやん」と言って、
T君が手に握っていたパスポートを
パッととって中を見ると、
そこにはT君のお父さんらしき人が・・・。

そう、T君は間違えて自分のではなく、
お父さんのパスポートを持ってきていたんです。

とりあえず先生に報告するしかないだろうと思い、
うつむいて動かないT君に変わって、
「先生、T君が間違えてお父さんのパスポートを持ってきてます!」
と叫びました。

そう言った瞬間に、
「あ、全員に聞こえるようにいうべきではなかったかもしれない・・・」と思ったが、
時すでに遅し、
慌てる担任の先生を除き、
全員が大爆笑でした。

さいわい、
飛行機の時間までかなり余裕があったことと、
T君の家が空港から比較的近く、
すぐに家からお父さんが
T君のパスポートを持ってきてくれたので、
事なきを得て、
T君も一緒に飛行機に乗ることができたんですが、
T君にとっては英語の問題以前の最初の試練となりました。

修学旅行の飛行機でキャビンアテンダントを爆笑させたボケ

次の事件は飛行機内で勃発。

英語の問題は
現地についてからだろうと思っていたんですが、
現地に着く前から始まっていました。

飛行機のキャビンアテンダントが
全員アメリカ人だったんです。

これは何かあった時、
アメリカ人のキャビンアテンダントと
英語でコミュニケーションを取らなけれいけないことを意味するわけで、
みんな内心、少しドキドキしていました。

とはいえ、飛行機の中では、
基本的には席に座っているだけです。

何かもらう時だけ
”Thank you”と言っておけば乗り切れるはず。


難しいことは何もない。


僕の横の席には、
学年で一番英語の成績が悪いT君が座っていましたが、
そんな彼も取り立てて心配する様子もなく、
今にも飛び立ちそうな飛行機の窓の外を、
楽しそうに見ていました。

無事飛行機が飛び立ち、
何時間かすると、
昼食が配られました。

確か和食のお弁当だったと思います。

僕もT君も配られる時に、”Thank you”と言い、
無事昼食をゲット。

やはり、
「飛行機の中は特に問題もなくやっていけそうだな」
なんて思いながら、
あんまり美味しくない昼食を食べました。


それから数時間、
映画なんかを見ながら過ごしていると、
今度は夕食の時間に。

キャビンアテンダントが前の席から順番に何か配っているのが見えたんですが、
徐々に近づいてくるにつれ、
昼食の時とは何かが違うことに気づきます。

配る前に乗客に何かを聞いていて、
それに対して乗客が何かを答えているのです。

「何を話してるんだろう?」
と一瞬不安になりましたが、
さらに近づいてきた時、
何を聞いていたのかがわかり一安心。


”fish or chicken?”

これだけでした。


夕食は魚か鶏肉かどちらを食べたいか聞いているだけだったんです。

キャビンアテンダントは僕の席でも同じように
”fish or chicken?”と聞いてきたので、
僕はchickenを選びました。


次にT君にも同じように聞くキャビンアテンダント。

僕は自分の手をお手拭きで拭きながら、
T君はどっちを選ぶのかなと思っていると、
なぜかT君は何も答えようとしない。。

ふと横を見ると、
彼が僕の顔を泣きそうな顔で見つめているではありませんか。。

そうです、なんとT君、
”fish or chicken?”を聞き取れなかったのです笑

T君が英語が苦手なのは知っていましたが、
とはいえ一応偏差値75の中学に合格するほどのやつなので、
まさか”fish or chicken?”を聞き取れないとは思ってもいませんでした。

正直ちょっと呆れたものの、
キャビンアテンダントも困った顔をしていたので、
「いや、魚か鳥かどっちが食べたいか聞いてるだけやから!早く答えてあげて!」
というと、
「なんや、それだけか〜!じゃあ、えーっと・・・Bird!」
とドヤ顔で応えるT君。

Bird!?

なんとT君、
鶏肉をChickenではなく、
Biirdと答えたんです。

近くの席の生徒は全員大爆笑。

キャビンアテンダントまでが
”Oh ,my God!”とか言いながら、
ゲラゲラ笑っていました。


マックの注文でさらにボケるT君

なんだかんだで
無事アメリカのラスベガスの空港に到着。

その日はホテルで寝て、
次の日の朝はバイキングを食べました。

その後バスで移動しつつ、
お昼はマックで注文し、
バスで食べながら休憩という段取りです。

マックの近くに到着すると、
みんなゾロゾロとバスを降りて店に入り、
注文の列に並びました。

マックでの注文は飛行機の中と違い、
色々とやりとりがありそうだったので、
僕も少し不安に。

とはいえ、
セットの内容は日本とさほど変わらないだろうし、
メニューの写真を指差しながら答えれば、
いけるだろうとも思っていました。


でも僕の前に並んでいるT君は
飛行機での失敗もあり、
かなり不安そうな様子。

「なんて答えればいいの?俺注文できるかな?」
とオロオロしていたので、
あらかじめ一緒に注文するものを決め、
写真を指差しながら答えるよう打ち合わせをすると、少し安心していました。


さあ、T君の順番がやってきました。

マックの店員 ”Hello” 

T君 "ハ、Hello...” 

マックの店員 ”Eat in? or, Take out"
(お店で食べますか?それともお持ち帰りですか?)


やってしまいました。


そもそも注文の前に、
この質問があったのですが、
これは打ち合わせをしてませんでした。

僕たちはバスで食べることになっていたので、
正解はもちろん”Take out(持ち帰り)”。

でもchickenをBirdと言っちゃうようなT君に
そんなことわかるはずがありません笑 

T君は明らかに
「うっ」となって黙っていたので、
後ろから
「持ち帰りやで」
と伝えてあげました。

流石に「持ち帰り」=Take out
くらいはわかっていると思ったので、
「日本語」で伝えてしまいました。

するとT君はホッとした顔で、
「あ〜なんや、そういうことか。え〜っと・・・
I will take off!!! (私は今から脱ぎます!!)」

またもやみんなで大爆笑。

注文を受けていた店員も
キャビンアテンダントと同じように
”Oh my God!”と言いながら笑っていました。


自然と人を笑わせられる才能

笑いをとろうとするのではなく、
天然で人を笑わせられるのは
才能だと思います。

芸人でいうと狩野英考さんみたいな。


こういうタイプの人間は、
なろうと思ってなれるものではないので、
もし周りにいるなら大切にすべきなんです。

「職場にいる全員が仕事をテキパキできて生産性が高かったら、毎日がもっと楽なのにな」
なんて思うかもしれませんが、
そんな人間だけが集まることなんてまずありません。

それに本当にそんな人間ばかりだと、
きっと職場はギスギスして、
息苦しくなると思います。

「生産性の高い人間だけが正義」
という価値観を根本的に変えるべきです。

「仕事のできないあの人」に
イライラするのではなく、
面白いところを探してあげて
「そういう役割の人」として捉える。

そうすることで
職場の雰囲気がよくなり、
みんなの気持ちが軽くなり、
全体の生産性がむしろ大きく上がるかもしれません。


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