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麻布台ヒルズを探訪!【圧巻の再開発】

日本一高い高層ビルに、ヘザウィックが設計した低層棟、自然が多い緑豊かな環境…森ビルの再開発の完成形とも言える「麻布台ヒルズ」が昨年11月に開業しました。
3月17日日曜日、私も麻布台ヒルズを見に行って来たので、その感想を書き記しておきたいと思います。

こんなにも波打ったデザインの建物が日本にあっただろうか…

①中央広場が全くの期待外れ
何より微妙なのが中央広場。まず、森ビルがこの中央広場をどのように喧伝していたかという点を理解していただきたいと思います。

森ビル公式サイトより
南池袋公園(豊島区公式サイトより)

この通り、鮮やかな芝生が広がっており、人は皆のびのびと過ごしている、素晴らしい光景が描かれていたのです。イメージとしては、南池袋公園に近い感じではないでしょうか。これを念頭に現地に行ったところ、目に飛び込んできた光景がこちらです!

写真を精一杯加工してこの有様である

これは、流石にがっかりせずにはいられません。中央広場に限らず、全体的に、木が裸な上に芝生の色も悪い。まぁこれは冬なので仕方ないことです。春が近づくに連れて大幅に改善されることは間違いありません。しかし、自然植生以外の面でも微妙だと感じる点がありました。

芝生への立ち入りを阻む花壇

そう、花壇です。この花壇が、芝生に入るなと言わんばかりに置いてあるので、誰も芝生に入らず、中央広場が都心のデッドスペースと化してしまっているのです。
それでこの花壇、写真からも感じ取っていただけるかと思いますが、隅から隅までデザインにこだわり抜いた麻布台ヒルズにあって、妙に既製品っぽさかあるというか、浮いている印象を受けてしまうんですよね。開業直後の報道写真なんかを見ても広場を花壇が取り囲んでいることはないですので、恐らく最近になって芝生保護のため応急処置的に設置したのではないでしょうか。…これはまさに、田舎のショッピングモールのフロアガイドによく見られる、シールを貼って閉店したテナントを隠すのと同じ状況!アレと全く同じことを天下の森ビルがやってしまっている、ということなのです。これはいただけない。

開業直後の様子。花壇は無い(Wikipediaより)

おまけに植木、案内サイン、掃除用具置場らしきものなんかも広場を取り囲むように配置されていて、ごちゃごちゃした印象を受けました。森ビルは、麻布台ヒルズの開発にあたって、この中央広場の位置を最初に決めて、それからビルの配置を決めたとしています。それくらい力を入れて取り組んだ広場がこの仕上がりなのか?という感想です。まさか森ビルがここまでセンスのない代物を造ってしまうとは驚きの一言。なんなら、環境やグリーンを重視するというストーリー自体が虚実のもので、最初から通路が主で芝生が従だったと思えば納得できる、というレベルです。ともかく、自分の中で森ビルのブランドイメージが急降下しました笑。

思ったより芝生が狭く、通路が広い
雑然としており、冒頭の広告とはかなり異なった印象

結局、混み合った通路と枯れた芝生を眺めるばかりで、やすらぎもクソもありません。そのようなものが得たければ、芝公園へ向かうのが最適なソリューションでしょう。
ただし、麻布台ヒルズが職場なら、ここは非常に良い感じではないかと思います。中央広場とその周囲にはベンチなど座る場所がそこそこ確保されているので、よそのオフィスで働く人の昼休みと比べれば、かなり緑豊かな環境で昼休みを過ごすことができることは間違いありません。
という訳で、ここを休日の目的地にする価値はないですが、働く場所として見れば良いであろうということが中央広場を見た私の感想です。ただし、中央広場を見るなり“it's so beautiful!!”とわかりやすく感嘆する外国人観光客もいたので、人それぞれでしょう。まずは一度足を運んでみてください。

②混みすぎて店に入れない場合がある
開業間もないからか、人が多いです。この人流がご祝儀相場なのか、それとも常態化するのかわかりませんが、各店に大行列が出来ており、気軽にフラッと立ち寄れるような感じではありませんでした。
中でも、チームラボの展示施設はお昼の12時過ぎの段階で当日券が売り切れという有り様。果たしてチームラボを予約してまで見に行きたいかというと、私はそう思わないので、この調子が続くなら二度とチームラボを見ることができない残念な人間になってしまいます涙。

ヘザウィックのデザインを肌で感じる

しかし、ヘザウィック設計の低層棟は見ていて飽きません。この低層棟は屋根が波打っているわけですが、一方で内装は普通の立方体をしているわけです。そのしわ寄せ?というか、エスカレーターなどの天井が広くなっていたりして、まぁとにかく普通の建築物では味わえないような発見が多々あって、あたかも冒険しているみたいで面白かったですね。この辺はやはり六本木ヒルズと共通するところ、森ビルの真骨頂と言えるでしょう。

右のカート、デザインが凄い

③テナントが結構空いていて不安
これは麻布台ヒルズに遊びに行くだけなら一切関係ないことですが、高さ日本一の高層ビルである森JPタワー、夜になると電灯がまばらで、素人目に見てもオフィスに空床が多いのだとわかります。近頃、東京は大型オフィスの供給が過剰になっているということを耳にすることが多くなって来たので、麻布台ヒルズもその例に漏れず、というところなのでしょうか。間も無く新年度を迎えるので、4月以降も夜暗いままだと、本格的に心配になってしまいます。
森ビルの戦略としては、「ヒルズ」というブランドを磨き上げることで、外資系企業やベンチャー企業を誘致するという方向性だと思いますが、それが上手くいっていないか、あるいは訴求力はあったがそこまで需要が無かったのかもしれません。
森ビルがこれなら、汐留のゴーストタウン化なんて当然改善されるはずが無いですし、三菱の東京トーチやJRの高輪ゲートウェイなども共倒れリスクに晒される訳です。麻布台ヒルズの空き状況は今後の東京の再開発の成否を占う試金石になると思うので、注視していくべきでしょう。

④駅からのアクセスは良いと思う
麻布台ヒルズは神谷町と六本木一丁目の間にあってアクセスが悪いという声を多々聞きましたが、そこまで悪いこともないと思います。今回、私は神谷町から利用しましたが、これで遠いと言われるなら何が近いんだと思いましたよ。単に東京人の感覚がおかしくなっているだけだと思いますね笑。
ただ、森JPタワーは駅から見ると一番離れた奥の位置にあるので、激混みショッピングゾーンを通ってオフィスへ出社するということになれば少々面倒かもしれません。

神谷町駅前広場(地下一階)

⑤ロシア大使館という準迷惑施設
これは麻布台ヒルズは完全に被害者になる訳ですが、道路を挟んで隣接する在日ロシア大使館に、右翼の街宣車が抗議行動?を行うことが多々あります。当然、うるさいです。こればかりはプーチンが8、右翼が2ぐらいの割合で悪いです。森ビルどんまい。
余談ですが、全国各地で街宣右翼は見られますが、総じて「なんたら〜せよ〜!!(なんたら〜せよ〜!!)」としか聞き取れず、肝心の「なんたら」の部分が聞き取れません。もう少し発声練習をしてはどうかと思います。

⑥まとめ
麻布台ヒルズは、基本的にここに住んでいる又は働いている人のための街だと感じました。六本木ヒルズのような、東京を代表する観光地になるポテンシャルは無いかもしれませんが、「いつか住みたい憧れの街」といった感じになっていくでしょう。
ただし、チームラボは神谷町駅前広場からすぐの場所にあるので、恐らくここだけは観光地化するかと思います。前のお台場は立地が辺鄙すぎたので、知名度が向上して人気が高まるのではないでしょうか。
長くなりましたが、麻布台ヒルズの感想はこんなところになります。短い滞在時間で、隈なく見て回れた訳ではないので、また訪れたいと思います。ただしとりあえず今度は南池袋公園の様子を見に行きたいですね笑。

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