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M-1グランプリ2021 ファイナリスト見どころ

ついに明日に迫ったM-1グランプリ2021。歴史にその名を刻む17代目チャンピオンは誰なのか。

概要は前回記事にまとめたので、今回は各コンビについて纏めておこう。

1.初出場組

非吉本も多く、ほとんどメディア露出もない面々が揃った。お笑いフリークには昔から支持されている猛者たちが、バラエティの人気者を押さえつけ、実力通りに勝ち上がってきたと言う印象だ。

・もも(2017年結成 吉本興業)

 今回最若手となるもも。今のフォーマットは結成当初から練り上げている代物で、型としてはミルクボーイに匹敵する。以前記事にもしたが、まったく同じフォームでここまで面白いのは最若手にも関わらず安定感でいえば一番かもしれない。順番によっては最終決戦も見込めそうだが二本目でうまく審査員の心をつかむことができるか。

・ロングコートダディ(2009年結成 吉本興業)

 若手賞レースは常連で、最近ではKOM決勝進出。ツッコミの堂前の大喜利力も注目されているロングコートダディ。個人的にも昔から推しているコンビであるし、M-1でも毎年あと一歩届かなかったが、ようやくの進出といったところ。いい意味でコテコテの関西っぽさは無く、独特の世界観が最大の武器なのだが、決勝まで届いたということであれば、また一味違うロコディが見れるのかもしれない。今回どんなネタで来るか不明だが、コントの入りが秀逸なので注目して欲しい。堂前が通常は考えられない設定(宇宙人に出会った。みたいな)に、ボケの兎が何ともない顔で乗っかてくる。あのとぼけた表情がたまらない。そこ突っ込まんのかい!と言いたくなるのだ。

・真空ジェシカ(2012年結成 人力舎)

 実に17年ぶりに人力舎からの決勝進出。お笑いファンからはすぐに決勝に行くだろうと、常に下馬評の高い真空ジェシカ。アンタッチャブルとは、似ても似つかないが、上質なコント漫才の猛者だ。少し気がかりなのが、優秀な型の決まっている掴みを持っているので、観客と審査員に共感できるものをチョイスできるかが肝となるだろう。正統派というわけではないが、今年のメンツで言えばスタンダードな漫才側に立つのが恐ろしい。

・ランジャタイ(2007年結成 グレープカンパニー)

 ダントツで物議をかもすであろう、超絶新時代の漫才師ランジャタイ。はっきり言わせてもらうと、昨年のマヂカルラブリー漫才論争は何だったのかとかすんでしまうのは間違いない。コアなお笑いファンからは絶大な支持を得ていたが、この漫才をゴールデンタイムの決勝に持ってきていいものか、審査員の葛藤も容易に想像できる。そんな中乗り越えてきたならば仕上がっていると言って間違いない。別記事で論じたように、お茶の間が物議をかもすような世界観、爆発力は、優勝へのカギとなるのだ。

・モグライダー(2009年結成 マセキ芸能者)

 私の最も推しているコンビであるモグライダー。同時に大事故も起こしかねないモグライダー。特筆すべきはツッコミ芝の圧倒的技量だろう。ボケのともしげは仕上がらない(仕上げれない)ことが最大のウリ。その裏にはどんな状況下でも的確にコントロールできる芝の存在が欠かせない。緊張すればするほど面白みが増すこのコンビは、大舞台でこそ開花するのではないだろうか。キャラの強さとルックスの良さからも、バラエティ露出が増えることは間違いないだろう。懸念事項は緊張こそが面白いのだが、その緊張を観客と審査員が心配してしまわないかというところか。

2.連続出場組

・オズワルド(2014年結成 吉本興業 3年連続3回目)


 唯一のストレートでの3年連続出場。オッズで言えばダントツ一番ではなかろうか。しかし今回はえげつない個性の集う大会だ。スカすコンビもいるだろうが、確実にどこか一組はハネることになる。優等生の漫才では空気の飲み込まれてしまう可能性が非常に高いと考える。確固たる実力で、濁流にのまれることなく、トロフィーを持ち帰ることができるか。勢いのある漫才師が圧倒的優勢な本大会で、おとなしいボケでも勝てることを証明し、マヂラブに次いでM-1の歴史に風穴を開けて欲しい。

・インディアンス(2010年結成 吉本興業 3年連続3回目)


 個人的に大好きというわけではないのだが3年連続の決勝進出は実力の証明だ。昨年は敗者復活からのトップバッターで会場を大いに温めた。正面突破した今年は、昨年以上の成績を残して欲しいところだが、いかんせん進化が無さそうで心配である。

・錦鯉(2012年結成 SMA)


 一番意外な決勝進出であった。昨年のパチンコネタで勝ち上がったときに、「もっと面白いネタが山ほどあるのに・・」と心底思ったものだし、素性がばれて一番厳しいコンビだったとも思っていたので、またさらにグレードアップした完全バカ漫才をお披露目してくれることだろう。また所属事務所のSMAは、吉本を除くと賞レースでの成績がすこぶる良い。ただのオカルトだが、いい流れに乗っかって、主要賞レース総なめといきたいものだ。

3.返り咲き組

・ゆにばーす(2013年結成 吉本興業 3年ぶり3回目)

 唯一の返り咲きとなったゆにばーす。昨年の敗者復活も素晴らしい仕上がりで、私は真っ先に一票を投じた。(ゆにばーす/ロコディ/カベポスターに投票)。トップバッターで挑んだ2017年。出番が後ろなら間違いなく最終決戦進出だったであろう、ホテルネタ。今でも色褪せずに脳裏に焼き付いている。2018はテレビ越しにもわかるほど川瀬名人がガチガチで納得の最下位。その後2年間、準決勝で辛酸をなめてからの返り咲き。川瀬名人のM-1にかける思いは他を圧倒している。またはらちゃんのキャラクターも他の追随を許さない。男女コンビ初の栄冠にも要注目だ。

4.敗者復活枠

勝ち上がるコンビは確実にその日の仕上がりがよく面白いことは確定している。然しながら、残念なことに一番面白かったものが勝ち上がるかとは限らない。ご存知の通り視聴者投票の弊害だ。

正直知名度/人気で言えば、ハライチ/アルピー/見取り図/ニューヨークあたりで絞られてしまいそうだ。個人的には現地観覧者投票が一番いいと思っているが、まあ一度敗退しているものたちだから、これまでの実績もアドバンテージに含まれてもいいのかもしれない。あとは敗者復活はトップバッターくらいのビハインドは必要と思っている。

さて上記の視聴者投票(人気投票)の通り決勝進出となった場合、成績はどうなるのか。過去のシステムで言えばトリを飾るのであれば、惨敗した可能性が高い。何故ならば意外性で言えば皆無だからだ。実力通りに上がってきたけど、こういう感じね。となるだろう。

 ところが現在のシステムは笑神籤による直前抽選。敗者復活のメリットもデメリットもない。いいネタ順であれば、やっぱり流石だな。となりそうだ。

 個人的に応援しているはカベポスター、キュウ、男性ブランコあたりであるが、どれだけハネても得票は厳しそうだ。地上波放送であることが幸いだ。より多くの視聴者にその名と実力を知らしめて欲しい。

5.最後に

私の敗者復活予想は冷静に考えて見取り図。三連単予想は出番もわからないしほぼほぼ好みでモグライダー/ロングコートダディ/ゆにばーす。

もう24時間後には今年最高の漫才師が誕生していると考えると、ワクワクしてしょうがない。年々誰が優勝するか見当もつかなくなっていく一方だ。敗者復活組も含め、それほど力の差が無くなってきていることの証明でもある。なんだかんだで最新のM-1が最高の大会だといつも思っている。昨年のマヂラブの感動をもう一度拝みたい。

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