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『言葉の境界を辿るダイアローグ』 クライエント募集のお知らせ

 今日のnoteは、これまでご紹介の方や既存のクライエントさん向けに提供してきたダイアローグ(対話)セッションのご紹介です。3年間ほどの実践を通して、この度、公開メニューになりました。

『言葉の境界を辿るダイアローグ』 とは

”ダイアローグ”は、対話のことですが、この『言葉の境界を辿るダイアローグ』セッションは、幾つかの特徴をもっています。たとえば…

1)セッション終了後の意図的なゴールを手放します
2)論理的な流れを手放し、感覚的な流れや直観や偶発性が誘う風に乗ります
3)言葉の抽象ー具体、概念ー感覚などの次元を自在に往来します
4)成人発達理論やインテグラル理論などの叡智を援用し、独自にパターン化したフレームワークによって、ダイアローグ・プロセスが俯瞰されます。

通常のコーチングと比較してみると…

5)ゴール設定(アウトカムもプロセスも)は為されません
6)質問、傾聴、バックトラッキングのような構造は融解しています
7)コーチとしての在り方(being)はほとんど変わりないですが、言動(doing)は随分と異なります


どのような人に向いているのか?

 人によって様々ですし、条件があるわけでもないのですが、こんな方に向いているのかもしれない、と思うことを書いてみると…

1)現状の思考や概念に立脚して何かを解釈したり、意味づけたり、成し遂げたりするのではなく、より深い広い”何か”を通して、リアリティを体験したい
2)誰かや何かに規定されたパフォーマンスではなく、自分自身がまだ出逢っていないポテンシャルを探究したい
3)自分自身の意識に余白を創り出したい

 これらのコンセプトは、識育コーチング®︎で目指していることでもありますが、対話の形式をコーチングからダイアローグに切り替えることで、その可能性は縁起や偶発性とともにスパークしやすくなります。
 意識のリニアな発達を志向するのではなく、ご自身の美意識や本質の探究を通した意識のひらきを求める方におすすめしたいセッションでもあります。


どのような人に向いていないのか?

 これまでの自分としての解釈や意味づけを保留してみたり、意味を手放して感覚レベルに戻って再探究したりするプロセスが必要になるかもしれませんので、明確化したい、確かな意味を所有したい、それによって安心したい、というような衝動が強い状況にある方には向いていないでしょう。つまり、『曖昧さの耐久性』が求められる可能性が高いでしょう。


「意識のひらき(発達)」と「曖昧さの耐久性」

 この『曖昧さの耐久性』を深める機会は、「意識のひらき」を導くスペース(時空、体験の場)でもあるでしょう。
 備忘録も兼ねて、ジェーン・ロヴィンジャー、ロジャー・ウォルシュ、ケン・ウィルバー、ピーター・センゲの言葉を。

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『人間の意識の発達とは、曖昧さに対する耐久性の増加である』
ジェーン・ロヴィンジャー

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『人間の成長とは、既知なるなるものから未知なるものへと至る運動である』
ロジャー・ウォルシュ

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成人発達理論の初学者の方にも、とても分かりやすいお勧めの本です。ロバート・キーガン博士、オットー・ラスキー博士、カート・フィシャー博士など多数の発達心理学者のモデルや思想を背景に、抽象的な理論が日常的で具体的なシーンの対話形式で描かれています。(この本を読むと成人発達理論の全てが分かったような氣がしてしまうリスクはありますが…w)

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“より高い段階の意識が現われて発達するにつれて、それ自体がそれ以前の世界観の基本的成分を含み、それからそれ自体の新しい、より差異化された知覚を追加するのです。 それらは超えて含むのです。なぜなら、それらはより包括的であり、より適切だからです。 ですから、それ以前の世界観はまったく間違いで、 新しい世界観がまったく正しいということではないのです。 以前のものは適切だったのであり、 新しいものはより適切なのです。” 

 『万物の歴史』 ケン・ウィルバー (春秋社)

暫く入手困難だったのですが、新装版 (2020/4/21)になって購入できるようになったのですね。

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真の学習は、『人間であるとはどういうことか』という意味の核心に踏み込むものだ。学習を通じて、私たちは自分自身を再形成する。学習を通じて、以前には決してできなかったことができるようになる。学習を通じて、私たちは世界の認識を新たにし、世界と自分との関係をとらえ直す。学習を通じて、私たちは、自分の中にある創造する能力や、人生の生成プロセスの一部になる能力を伸ばす
『学習する組織 システム思考で未来を創造する』
ピーター・M・センゲ 英治出版


「言葉の境界を辿るダイアローグ」の基軸となる意識構造


 ロバート・キーガン博士等の発達モデルでいうところの発達段階4(5)辺りを基軸として、上下運動するような対話になるでしょう。

発達段階4(5)の意識構造について、オットー・ラスキー博士の解説を援用しながら説明してみると…

『これまでの人生における生々しい体験と内省を通して、確かなものしてきた自分自身の『世界モデル』(世界はどのようにできていて、どのように生きるべきか)、そして、自分自身の『価値観』(その世界モデルの中で自分自身がどのように生きたいのか)を、自ら疑い始めることができる意識構造』

 自分軸(自分なりの「世界モデル」や「価値観」)がまだ構築されていない、または自分軸への囚われに氣づきはじめていない状況においては、このダイアローグは機能しないばかりか、ネガティブな影響をもたらしかねません。


クライエントさんの声

 この度、加藤洋平さんからのご紹介で、二年半ほどこのダイアローグセッションを継続的にお受けいただいた、佐藤 草さんより実名公開でご感想をいただくことができましたので、以下にご紹介します。草さんはプロコーチでらっしゃいます。草さんのコンテンツ豊かで美しいWebサイトも是非ご覧になってください。

「時間も空間も超えた対話」、「境界の揺らぎ」、「出現と解体」立石さんとのセッションを思い返すとそんな言葉が浮かんできます。

 ゆらゆらと巡る言葉と物語の中から、確かに何かが立ち現れて、同時にそれが幻想だということに気づく。それは、確固たるものを握りしめた「自分」とはまた違った、大きな流れの中に発露する存在としての「自分(何か)」を感じるような体験です。

 自分の中に流れている音楽に気づいてそれを奏でてみると、それに重なる、でもまた違ったメロディーが聞こえてきて、また新たな音楽を奏でたくなる。そうして色々な音が生まれて、重なり合って、大きな音楽が出来ていく。その音楽に感じる美しさは、心や魂が大切にしたいと願う美しさだったのだと気づく。そんな体験をいつもしています。

 気づけばそんな風に立石さんとのセッションの時間を持って2年半が経とうとしています。この間、心の目で見る景色も、そして物理的に見えている景色も大きく変わりました。それは、かつてのわたしが「こんな風に人や世界と出逢っていきたい」と願っていた世界にあった景色でもあります。

 世界を味わい、それを言葉や構造にすることが今の景色を見る大きな後押しになっていますが、言葉にすることや構造にすることを後押ししてくれたのが立石さんとのセッションであり、立石さんの存在です。

 ここから歩んでいく世界も立石さんとのセッションを通じてさらに味わい深いものになっていくのだろうと思っています。

              佐藤 草さん awai


お問い合わせはこちらから

 本日より若干名だけクライエントさんを募集します(セッションは10月4日以降開始)。枠が一杯になりましたら、開始時期をお待ちいただくかもしれません。

 以下のWebサイトの”コーチング”のお隣さんに”ダイアローグ”を追加していますので、ご興味のある方は”オリエンテーション”(約50分) 10,000円+tax @Zoomをご利用ください。
 コーチングは現状、リソースの都合でコーチやコンサルタント等のご同業者のお申し込みは締め切っていますが、ダイアローグは歓迎しています。



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