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オットーラスキー博士による成人発達理論マスターコースが開催されます!

 先週末の土曜日、『ICC国際コーチング連盟資格取得×成人発達理論』第2期トレーニングDay05の休憩時間にメールを確認していたら、オットーラスキー博士による成人発達理論マスターコースExpert説明会への招待が届いていた。

ラスキー博士との出会いなども含め、久しぶりnoteしてみようと思う。まずは、箇条書きにて。


ラスキー博士とのご縁

ラスキー博士との出会い

 コーチの師匠であるJoseph O'Connor氏のトレーニングで、オットー・ラスキー氏の存在を知ったのは、2010年だった。

 同年、ICC国際コーチング連盟として世界に先駆けて開催されたエグゼクティブコーチ養成トレーニングは、『ビジネスコーチング』、『チームコーチング』、『リーダーシップコーチング』、『エグゼクティブライフコーチング』の四つのモジュールから構成されており、成人発達理論は、『ビジネスコーチング』のポテンシャル開発の文脈で扱われた。
 日本においては、成人発達理論といえばロバートキーガン博士が著名で彼の理論モデルが主流だが、トレーニングにおいては、オットーラスキー博士の紹介がメインだったように思う。
 僕は幸運なことにJosephのアシスタントとして参加していて、トレーニングの進行やご受講者の理解具合等を俯瞰的に観察しながら、実際の演習やコンテンツを咀嚼していたので、この成人発達理論の可能性が日本において際立っていることを実感していた。

2010年-2011年に開催されたエグゼクティブコーチ養成トレーニングの思い出


ラスキー博士とICC国際コーチング連盟の協働

 オットーラスキー博士の論文にJosephの『How coaching works』(邦題:コーチングのすべて)が引用され、逆にJosephの書籍オットーラスキー博士の論文が引用されていた。2010年に受講した『コーチングスーパービジョン』トレーニングで、Josephは、彼を天才的だと絶賛していたことを何故かはっきり覚えている。

 以下の書籍の12章に『発達コーチング』に関する20頁ほどの記述はこの言葉からはじまる。

『状況は変わらない。私たちが変わるのである』

〜ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

※翻訳が分かりづらい箇所があるので、英語が得意な方には原著がおすすめ。

 ICC国際コーチング連盟とオットーラスキー博士は協働関係にもあり、2015年にはエグゼクティブコーチングと成人発達理論に関するWebinarを共催している。同期のICC国際コーチング連盟トレーナーDanielがオットーラスキー博士の研究のスペイン語翻訳を担当していることをこのWebinarのタイミングで知った際、ポルトガルでのトレーニングで英語が苦手な僕に友人のように優しく声がけしてくれた彼の記憶が重なった。


CDF入門ワークショップ開催の思い出

 2017年の夏から秋にかけて、オットーラスキー博士のCDF(構成主義的発達論のフレームワーク)入門ワークショップ(3日間)を、ラスキー博士に直接師事されてらっしゃった加藤洋平さんのサポート受けながら開催した。

構成主義的発達論のフレームワークは、実証研究に基づいた概念的フレームワークである。構成主義的発達論のフレームワークは、私たちの現実世界に対する認識は、各々の知覚世界において構築されており、それは生涯を通じて発達する、という考え方に基づいている。発達測定メソッドとして、社会的・感情的発達測定、認知的発達測定、及び、心理的な欲求と圧力の測定、という三つの測定手法がある。また、構成主義的発達論のフレームワークは、ローレンス・コールバーグを始祖として、ロバート・キーガン(英語版)、その他の発達心理学者の40年以上に渡る実証研究を基にしている。1998年以降、オットー・ラスキーはコールバーグ学派の業績に、フランクフルト学派、及び、ヘーゲルが提唱した弁証法思考に関する測定手法を組み入れた。ラスキーの功績は、社会的・感情的発達と認知的発達を明確に区別し、実証研究を通じて、それらの関連性を明らかにしたことにある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/構成主義的発達論のフレームワーク

成人発達理論のマイノリティかもしれないラスキーのCDF(構成主義的発達論のフレームワーク)入門ワークショップもDay03を迎え最終日。 ...

Posted by Shinya Tateishi on Friday, October 27, 2017


コーチングと親和性が高いラスキー博士の理論モデル

 ロバートキーガン博士の理論モデルはシンプルで分かり易い反面、発達プロセスのメカニズムやプロセスが記述的な範囲に限定されている印象があるが、オットーラスキー博士の理論モデルにおいては、そのメカニズムやプロセスがより具体的に図式化されているので、発達プロセスを動的なシステムとして観察し介入する際にとても有意義な羅針盤となる印象がある。
 ただ、私たちが普段意識化していない心の深層領域を動的なシステムと提示されると、感動する人と混乱する人がいるようで、これはきっと、カートフィッシャーのダイナミックスキル理論における「抽象システムレベル」以降の認知構造を有しているかどうかによっても分けられるのだろう。
 この「抽象システムレベル」は、Lectica社が当時公開していた資料等を参考にすると、キーガン博士の理論モデルでいう第4段階〜5段階に相当するようだ。
 成人発達理論を用いた発達支援を自由自在に行うためには、この専門性の文脈においては「抽象システムレベル」の認知構造を有しており、ラスキー博士が提唱するCDFの社会的感情的発達段階は少なくとも4/5(グリーン)に到達している必要がありそうだ。(後者については、また別途)



成人発達理論マスターコースExpertの概要

成人発達理論マスターコース Expert4つの特徴
① オットーラスキー博士を迎えた全3回のオンラインライブ
② 全3回フォローアップセッション
③ 加藤洋平氏による音声教材コンテンツ(2025年9月まで視聴可能)
 ・事前学習教材
 ・セッション後振返り音声ファイル
 ・参加者との質疑応答
④ 学習者同士で知識・経験・気づきを共有できるSNSコミュニティ

https://www.enfac.co.jp/contents/maex/

プログラム日程
オンラインライブセッション・フォローアップセッション
・9月8日 (木)21:00〜23:00 第1回ラスキー博士インタビューセッション(英語)
・9月13日(火)18:30〜20:30 フォローアップセッション①(日本語)
・9月15日(木)21:00〜23:00 第2回ラスキー博士インタビューセッション(英語)
・9月20日(火)18:30〜20:30 フォローアップセッション②(日本語) 
・9月22日(木)21:00〜23:00 第3回ラスキー博士インタビューセッション(英語)
・9月27日(火)18:30〜20:30 フォローアップセッション③(日本語)
※各回アーカイブ視聴あり

https://www.enfac.co.jp/contents/maex/

料金
全6回のオンラインセッションと150本の音声コンテンツ
¥250,000/名→【早期申込割】 ¥225,000/名
※早期申込割引は8/22まで
※動画コンテンツ視聴期間は3年です
※定員40名(満席となり次第募集を締め切ります)

https://www.enfac.co.jp/contents/maex/

※ 成人発達理論マスターコースご受講者には、割引コードがメールで届いているので、お忘れなく。

発達理論研究の本流に触れ、理解を深め、実践の質を高める
 人材開発や対人支援の場において、「成人発達理論」が注目を集め、
実際にこの理論を実務に取り入れる試みが各地で始まっています。
 フレデリック・ラルーのティール組織、ロバート・キーガンの発達指向型支援、
ケン・ウィルバーのインテグラル理論といった関連領域の書籍や知識もこの数年で広く浸透してきました。
 一方で、実際の実務の現場で実践に取り組まれている方々は、それらの書籍で紹介されている理論や知識が簡単に活用できるものではなく、現実の複雑性を考慮した試行錯誤と創意工夫を要するものであることに気づきはじめているのではないでしょうか。また、そのためには、これまでよりも更に踏み込んだ専門的な勉強が必要となってくることにも気づかされることになります。

 そこで、発達理論をはじめとする多様な学術的な視点から現代社会の本質に関する探求に取り組んでいる加藤 洋平氏と長年にわたり実務領域における発達理論の実践に取り組んでいる国内第一人者の鈴木 規夫氏、ティール組織関連の書籍を出版し、組織と事業の再発明をテーマに旺盛な活動を展開されている吉原 史郎さんをホストとして、これまでに発達理論の基礎を造り上げてきた海外の重鎮研究者を招待し、発達理論の実践のさらなる深化に向けて、その可能性を一緒になって探求していく講座を企画しました。

 海外の発達理論研究の重鎮と直接にやりとりをすることによって、書籍や論文では紹介されていない生きた情報・思想を理解することにつながるだけでなく、皆さんが実践者として抱いている課題を効果的に解決していくためのヒントを得ることができます。
 今回の講座では、加藤 洋平氏が師事されているオットー・ラスキー博士をお招きし、成人発達理論の実践のさらなる可能性について共に考えていきます。

https://www.enfac.co.jp/contents/maex/


説明会はこちらから



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