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「意識を”ひらく”」 四つの意味

 「意識を”ひらく”」というとき、この”ひらく”には4つの意味を籠めています。今日はこのことを書いてみようと思います。



開く(Open)

 一つ目は、”扉を開ける”などの意味、”開く(Open)”です。識フィールドの『準拠枠』(Frame of reference)の扉を次々に開いていくことです。言い換えれば、”心理的盲点(スコトーマ)”を埋めていく、という捉え方もできそうです。
 恐れによって閉じられた扉、常時開いている扉の影になってしまいその存在が忘れられている扉、未知なる扉を、境界も扉も消失するまで、自分自身の意志で開いていくことです。内在の道のり、超越の道のり、内在と超越を統合する道のり…。その道のりは果てしなくつづきます。


拓く(Pioneer)

 二つ目は、”未来を拓く”などの意味、”拓く(Pioneer)”です。識フィールドの『準拠枠』(Frame of reference)を拓いていくことです。"糸を紡ぐ"、"生地を織る"、”土地を耕す”、などのメタファーも含んでいます。
 リニアに拡大していくのではなく、糸を紡ぎ、生地を織っては解く。共振する、感じる、無意識化する、意識化する、省察する、言語化する、構成する、批判する、構築する、脱構築する、生成する、待つ、委ねる、願う、祈るなど、実践の繰り返しによって、拓いていくことです。


啓く(Enlighten)

 三つ目は、”蒙を啓く”などの意味、”啓く(Enlighten)”です。識フィールドの『準拠枠』(Frame of reference)を啓いていくことです。"照らす"、"光に晒す"、"晒されたことによる変化や変容"、などのメタファーも含んでいます。
 先人の叡智に触れること、先達の実践を目撃すること、聖なる場所に佇むこと、などによって啓かれることもありますが、"ひらき"が深化するほど、"啓かれる"機会は日常化します。「現前にリトリートする実践」、これはそのひとつの体現です。


非楽(Not easy)

 四つ目は、”非楽(造語;ヒラク)”です。識フィールドの『準拠枠』(Frame of reference)をひらいく道のりは、楽ではないという意味です。以下の三つの準備が調っていないときは、意識をひらくことはお暇することをおすすめしています。
・コミットメント(過去の自分を超えて含もうとする決意)
・オーナーシップ(当事者意識の境界のひろがり)
・識熱(造語:意識をひらいていこうとするチカラ)


意識をひらいていく道のり

 意識をひらいていく道のりは、"意識の筋トレ"みないなもので、筋トレ中は辛かったり苦しかったりするのですが、そのプロセスによって、意識のWeb(網の目)は鍛錬され、広く深く密になりその純度は高まっていきます。
 意識がひらかれるほどに、授かっている個性や才能を、授かっているご縁(たとえそれが複雑な状況だったとしても)をとおして自在に発揮しやすくなります。この幸福感のことをユーダイモニア(Eudaimonia)というようです。

「人間が可能性を開花させる 「プロセス 」を幸福とみなす考え方で 、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが提唱した 「エウダイモニア ( =幸福 ) 」の概念に起源をもつ 。この種の幸福も 、やり甲斐と関わりの要素をともなうが 、その感覚は 、自己の成長と開花を経験すること 、あるべき自分の姿に近づくこと 、より自分らしく世界と関わることによる充実感との関係で得られるものだ」

「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる」ロバート・キーガン, リサ・ラスコウ・レイヒー, 等著、(英治出版)https://a.co/9xCvfCr

 ひらいていくたびに、現前(直面する現実)と共振するレンジはひろがり、この生を通じた経験は豊かになります。しかしながら、経験が豊かになるというのは、いつでもどこでもハッピーというコトではなく、これまで氣づかなかった不都合な真実に直面するコトでもあります。なので、ひらく意志もペースも、本人に託されるのが、美しい姿だと思うのです。

今日は、意識を"ひらく"の四つの意味について書いてみました。

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