まさに、「モノづくり素人のための教科書」というべき一冊。#はじめてのハードウェアスタートアップ
ODM/OEM(開発/製造委託)でのモノづくりが当たり前となる時代。技術ではなく、アイディアを持つ「モノづくり素人」でも、製品を作り、世に届けることができる時代です。
そんな「モノづくり素人」がアイディアを形にするためには、モノづくりのプロに開発/製造を委託する必要があります。要するに、ODM/OEMを活用したモノづくりです。
でも、どうやって開発/製造を委託すればいいのか検討もつかない人も多いのではないでしょうか?僕自身、ハードウェアスタートアップでPMをしていますが、最初の頃は何がなんだか分からないことだらけでした。
そこで今回は、ODM/OEMでアイディアを形にしたい!と思った時に大変参考になる書籍「メイカーとスタートアップのための量産入門(著者:小美濃 芳喜)」をご紹介したいと思います。
「メイカーとスタートアップのための量産入門」とは?
「メイカーとスタートアップのための量産入門(以下、本書)」は、モノづくりの企画、開発、製造に至るまでの一連のプロセスを、素人にもわかりやすく解説された本です。
なぜプロトタイプを作るのかというモノづくりの初歩的なことから、企画書の作り方、原価に対する考え方、スケジュールの立て方、量産化の方法など、技術的なことからビジネス的なことまで幅広く解説されています。
初心者向けの本ではあると思いますが、ある程度モノづくりの経験がある方でも勉強になるような内容になっているので、モノづくりをしていく上で何度も読み返したくなる本です。
メーカーとの「コミュニケーションツール」を作ろう
モノづくりの上流から細部まで、あらゆるノウハウが記された本書ですが、その中でも特に参考になったのが、メーカーやその他ステークホルダーとのコミュニケーションツール「企画書」の作成方法です。
僕自身、今までメディアでコンテンツ制作を行っていたので企画書は幾度となく作ってきましたが、メーカーとのコミュニケーションを取る上で「抑えるべきツボ」を本書では解説されているので、大変勉強になりました。
企画書は、メーカーだけでなく、あらゆるステークホルダーに企画を説明する時に活躍してくれるので、本書を参考にぜひ皆さんのアイディアをまとめてみてください!
何を、いくらで、どのくらい作るのか?
メーカーとコミュニケーションをする時に重要なのが、「何を、いくらで、どのくらい、いつまでに作りたいか」を伝えることだと思っています。
「何を、いつまでに作りたいか」の部分は、企画書にまとめます。必要であれば、別資料で補足することも必要です。
問題は「どのくらい、いくらで」の部分。いくらで作っていくらで売るかというのは、ビジネスをする上で欠かせない要素で、その際に役立つのが「見積原価計算書」です。
見積原価計算書とは、生産数や本体価格、原価、金型代、不買率、営業利益などを算出しまとめる資料のこと。これをメーカーとコミュニケーションを取る前にたたき台を作っておき、自分たちの「目標値」を提示することが重要です。
目標値があると、メーカー側は条件に合わないものを早い段階でお断りすることができますし、委託者側はなぜ断られたのかを知ることができます。
目標値がないとそもそも話が前に進まないので、何も準備していないとメーカー側から「製造原価、生産数を教えてください」と言われることになるかと思います。
目標値を伝えた上で、現実的な数値をメーカーと擦り合わせながら調整していく。そのためにも見積原価計算書を作成する必要があるので、ぜひ本書を参考に作成してみてください!
モノづくり素人のための教科書
今回は本書の概要や個人的に学びになったことをお伝えしてきました。
正直、僕自身は本書の内容を1割くらいしか理解できていませんが、それでもモノづくり素人の僕がモノづくりを前に進めていく上で、大変参考にさせて頂いた本です。
まさに、「モノづくり素人のための教科書」というべき一冊。
これからアイディアを「モノ」として形にしていき、世の中に新しい価値を提供していきたいという方に、ぜひ読んで頂きたい本となっています。
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