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とーがね!クロニクル製作発表会の台本を文字起こし

とーがね!シリーズも次のフェーズに進もうとしていますので、徐々に情報を更新していきたいと思います。

とーがね!クロニクルという東金市の町おこしアニメが2024年の4月~6月に千葉テレビで放送されました。

その製作発表会で私が話した台本を文字おこししましたのでご一読ください


「とーがね!クロニクル」製作発表会についてのご報告

皆さま、本日はお忙しい中、そして急なお誘いにもかかわらず、「とーがね!クロニクル」の製作発表会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私は、このシリーズのアニメを制作している「とーがね!製作委員会」の総合プロデューサー、鈴木真也と申します。本日は、このプロジェクトにかける私たちの思いと、その誕生までの経緯をじっくりとお話しさせていただければと思います。

まず初めに、皆さまの中には「なぜ東金を舞台にしたアニメを?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。東金という名前は、千葉県民であれば耳にしたことはあるかもしれませんが、具体的なイメージが湧かない方も多いかと思います。そこで、このアニメがどのようにして生まれたのか、その背景をお話しすることで、皆さまに少しでも理解していただけたらと考えています。

約10年前のことになりますが、私は東金の旧道沿いに「ダイニングバーKJ」という飲食店をオープンしました。私はもともと隣町の山武市旧成東町の出身で、東金には縁もゆかりもない状態でこの地にやってきました。当時、地域に根ざした店づくりを心掛けていたため、すぐに東金商店街組合に加盟しました。私が加盟した商店街は、かつて「上総黄金町」とも呼ばれ、非常に賑わっていた場所でしたが、時代の流れとともにその賑わいは失われ、商店街は寂れていく一方でした。

しかし、そんな中でも商店街のメンバーたちは、地域活性化のためにボランティア活動を続けていました。その熱心な姿勢に触発され、私も次第に地域貢献の意識が芽生えていきました。とはいえ、最初は何から始めて良いのかまったく分からず、手探り状態でした。漠然と「地元を良くしたい!」という思いはあったものの、それを具体的な行動に移すには、まだ自信がありませんでした。

商店街に加盟してから2年目に差し掛かる頃、私はなぜか理事に選ばれました。そして、その2年後の2021年5月には、なんと理事長に就任していました。自分でも驚きましたが、せっかく任されたからには全力でやらなければという思いが強くなりました。そこで、まずは東金の魅力や強みを知るために、街中をひたすら歩き回り、地元の歴史や文化、そして現状を肌で感じることから始めました。

ただ、東金は私にとって縁もゆかりもない土地であり、その知識はほとんどゼロに近い状態でした。唯一の接点といえば、母親がかつてこの旧道沿いにあった美容室「桐谷」で働いていたことくらいです。そのため、私はまさに「よそ者、若者、馬鹿者」という、地域に新しい風を吹き込む理事長としてスタートを切りました。

理事長に就任すると、私は早速InstagramやTwitterといったSNSを活用し、東金の魅力を発信する活動を始めました。地域の良さを知ってもらうには、まず情報を外に向けて発信しなければならないと考えたからです。SNSでの活動を続けていたある日、突然Twitterに一通のダイレクトメッセージ(DM)が届きました。送り主は、個人で音楽活動を行っているTЯicKY(トリッキー)さんという方で、彼は東金を舞台にした楽曲「東金タイムカプセル~ココロノヒミツ~」を制作し、それを地元の方々にも聴いてほしいという思いを抱いていました。

TЯicKYさんは東金で育ったわけでも、住んだことがあるわけでもなく、どのようにして地元の方々に楽曲を届けるべきか悩んでいたようです。そんな中、偶然にも東金図書館で「昔、多田屋さんがあったところにできたカフェの方々が地元を盛り上げようとしている」という話を耳にし、私に連絡を取ることを決意されたそうです。DMの内容は非常に丁寧で、正直、最初は驚きましたが、その真摯な姿勢に心を打たれました。

次の日、TЯicKYさんはすぐに東金に来てくれました。私たちは一緒にラーメンを食べに行くことにしましたが、選んだのは「ぐうラーメン」ではなく「ごっち」でした。その後、私は彼を連れて八鶴湖を散策し、八鶴亭でお茶を楽しみました。さらに、日吉神社にも足を運び、東金の名所を彼に紹介しました。この時点で、私自身の中で「東金ツアー」が完成していたんです(笑)。

TЯicKYさんはすぐに「東金でミュージックビデオを撮影したい」と言い出し、その情熱に触発された私は、気がつけば彼のミュージックビデオに出演することになっていました(笑)
こうして完成したMVは、今ではYouTubeで公開されています。皆さまにもぜひご覧いただきたいと思います。TЯicKYさんのチャンネル登録もお忘れなく。

東金タイムカプセル

この出会いを通じて、TЯicKYさんの知り合いである当時テレビ埼玉の番組制作会社の社長が、千葉テレビで町おこしをテーマにした新しい番組を作りたいという話が持ち上がりました。
そして、その提案がきっかけで、「東金を舞台にしたアニメを作りませんか?」という夢のようなプロジェクトが生まれることになったのです。

「東金を舞台にしたアニメ制作」という提案を受けたとき、私は「やりません」と即答できる人はいないだろうと考えました。
人生に一度あるかないかの貴重なチャンスを前に、私は心の中で「これはやるしかない!」と思いました。
ただ、この決定を独断で進めるわけにはいかず、商店街の理事会に提案を持ち込みました。

理事会での話し合いの中で、一人の理事が「これを断って、同じコンセプトのアニメが他の市で制作されていたら、きっと後悔するだろう」と発言しました。この言葉が決定打となり、商店街としてもアニメ制作にGOサインが出ることになりました。そして、最終的には「とーがね!おまつり部」というアニメが誕生したのです。

もちろん、このアニメは「鬼滅の刃」や「ワンピース」のような壮大な作品ではありません。制作費も限られているため、実際の東金の場所を背景に使い、その前でフラッシュ動画が流れるといったスタイルを採用しました。内容も、ゆるくてシュールなテイストが特徴です。例えるなら、紙兎ロペやピーピングライフのようなアニメをイメージしていただければと思います。

そして、2022年4月4日、ついに「とーがね!おまつり部」が千葉テレビで放送開始されました。このアニメが放送された後、私たちは東金中央公園で「東金とーがね!おまつり部まつり」というリアルイベントを開催しました。このイベントでは、声優5人によるライブやトークショーが行われ、13台のキッチンカーが全て完売するなど、大盛況でした。結果として、約5000人もの方々が集まり、アニメ放送とイベントの連携が一つの成功例となりました。

しかし、このプロジェクトは決して順風満帆ではありませんでした。初めての挑戦だったため、今振り返ると反省点も多々あります。多くの方々にご迷惑をおかけした部分もあったかもしれませんが、その経験を糧に、次のプロジェクトではもっと良い結果を出せるという自信が芽生えました。

そして、この思いをTwitter(現X)に投稿したところ、すぐに和田さんから「第2弾の企画がスタートしましょう」と連絡がありました。
この2年間で最も大きな変化は、協力してくれる仲間が増えたことです。
東金商店街、東金商工会議所青年部、東金青年会議所の仲間たち、そして個人的に応援してくださる方々のおかげで、今日のこの場が実現しました。
この場を借りて、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

そして、いよいよ今回の新作アニメ「とーがね!クロニクル」についてお話しします。この作品は、東金の歴史に焦点を当てています。
実は、東金には豊かな歴史があり、その資料は東金市郷土研究愛好会の方々が丹念に残してくださっています。さらに、東金市デジタル歴史館にも、その詳細が掲載されています。今回のアニメは、そうした歴史をフィーチャーし、多くの方々に東金の魅力を知ってもらいたいという強い思いを込めて制作しました。

郷土愛を育み、少子高齢化や過疎化といった課題に向き合うためにも、まずは自分たちの街を知り、好きになってもらうことが重要です。アニメというコンテンツを通じて、この街が少しでも盛り上がり、地元の人々が誇りを持てるような作品にしたいと考えています。

どうぞ、今後とも「とーがね!クロニクル」と私たちの活動にご注目いただき、応援していただけますと幸いです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

とーがね!クロニクルのyoutubeはこちら(期間限定)

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