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クブイリチーの海の道:新潟の抜け荷と薩摩・琉球

交通手段の発達した現在、新潟から沖縄への往来も容易になりました。しかし、このように便利になる以前には、新潟と沖縄、なにか接点がなかったのか。調べていくと、「昆布」をめぐる、新潟と薩摩・琉球への接点が見つかった。幕府が新潟での薩摩の密貿易(抜け荷)を摘発した事件です。

天保6年(1835年)、現在の新潟県胎内市である越後国蒲原群村村松浜沖で、抜け荷(密貿易)事件が摘発されました。調査摘発に当たったのは初代新潟奉行の川村修就(かわむらながたか)で、彼は非常に高価であるはずの珊瑚や、朱塗りの原料が新潟では安い値段で流通していたと記録を残しています。薩摩藩による密貿易は当時藩領だった琉球を経由して中国から珊瑚や朱、薬種を買い付け、新潟をはじめとする北陸地方各地で売りさばき北海道の昆布や海産物を沖縄や中国に輸出するものであり、富山の薬売りが沖縄までの昆布の輸送を行っていました。沖縄は現在も昆布消費が盛んであり、クーブイリチーという昆布料理は沖縄の郷土料理として親しまれています。(田村)


川村修就像



file-35 北前船が運んだもの ~新潟からの移出入|特集|新潟の地域文化を紡ぎ繋げる 新潟文化物語 https://n-story.jp/topic/35/page2.php



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