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【業務改善の実践】業務課題のヒアリングをしてみよう。

業務フローをヒアリングし、現状についての理解を深めたら、次は業務課題をヒアリングしてみましょう。前回の記事はこちら。

前回の記事:業務フローのヒアリングをしてみよう。

課題ヒアリングの失敗

課題をヒアリングしようとして力んで臨んだ結果、最初の方は失敗ばかりでした。「本質的な課題にたどりつかない」という問題です。ということで、自分が犯した失敗をご紹介。

1. 相手がもっている情報や知識レベルやを想像せずに始める。
課題をヒアリングしようと思っても、参加者が情報を持っていなかったり、そもそも課題意識を持っていなければ、たどりつくことのできない道のりになってしまいます。配属された期間や社歴、役割などから想像してから臨んでみましょう。

2. 業務理解が足りていない。
そもそも、どんな役割を担っていて、どのような仕事をになっているのか。どの部門とコミュニケーションをとっているのか。どんな目標を設定し、追いかけているのか。もし、事前の業務フローヒアリングで確認できていなければ、課題ヒアリングのタイミングで確認する必要があります。

3. 限定的な業務範囲の課題や問題しか出てこない。
現場で業務を行っている人たちは、「今困っていること」を中心に考えている傾向が強く、俯瞰した問題や未来志向の課題などは、この場限りでは、なかなか出てきません。ファシリテーターの適切な質問によって、本質的な課題を導き出さなければなりません。

以上の失敗経験をベース、少しでも本質的な問題に近づくための質問も紹介したいと思います。

最初は回答しやすい質問で肩慣らし

いきなり本質的な問題にたどりつこうとしても、相手に準備や心構えができていなかったりして、フリーズしてしまうことがあります。なので、回答しやすい質問から始めます。

​・業務の中で困っていることはありますか?
・業務フローのうちスムーズではない部分はありますか?

ざっくりとした質問ですが、ざっくりとした回答が1つ,2つは出てくればOKです。必要に応じて掘り下げていったり、広げていったり。流れを作っていきましょう。

目標達成に関する質問

課題のヒアリングの目的といっても過言ではないですが、目標と現状の乖離について、掘り下げる質問をします。

・KPI/KGIはなんですか?
・KPI/KGIは達成できていますか?
・達成のために解決したい数字はなんですか?
・達成できていない要因には何がありますか?
・計測したい指標のうち、見える化できていないものはありますか?

もし、目標が達成できている場合、適切な目標が設定されているかの観点の質問として、「次なる目標は何なのか?」「それは、実際に目指せるという実感はあるか?」などを聞いてみるといいでしょう。

部門間のコミュニケーションに関する質問

世はICT時代。ICTは Information Communication Technology のこと。つまり、情報のやり取りの課題を掘り下げていきます。

・部門間の情報のやり取りで困っていることはありますか?
・他部門との連携でコミュニケーションが足りていないと感じることはありますか?

もし、自部門がもっている情報をもっと活かせるかも…というような課題感が出れば、「どのような情報か?」「どの部門で活かせそうか?」など掘り下げていきましょう。

業務効率に関する質問

比較的、現場のメンバーから出やすい観点ではありますが、困っているかどうかではなく、時間がかかっているかどうかの観点などで見てみましょう。

・現在、最も時間がかかっている業務/作業には何がありますか?
・どの仕事の負担が軽くなると、他の重要な仕事に時間が避けるようになりますか?

よくある回答としては、「リスト作成に時間がかかる」「情報の正しさをチェックするために、いろんなデータベースを参照している」などがあると思います。

「ちょっと話題とずれるかもしれないけど…」をいくつ集められるかが勝負。

相手が現場で活躍するスタッフであればあるほど、質問に対してキチンと答えようとしてくれる分、視野が狭くなってしまう場合があります。なので、「ちょっとずれるかも…」などの枕詞で始まる話があれば、「どうぞどうぞ!」と歓迎ムードを出していきましょう。

前提として「関係なさそうな話題でもOKです」と最初に伝えておいてもいいですが、とはいえ、流れの中で出てくる言葉だと思うので、そのあたりは雰囲気作りも重要だと思います。

引き続き、ファシリテーションの技術を学んでいきたいと思います!