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目的の有無で訓練の充実度は大きく変わる。効果面でも気持ちの面でも。

先日、あるご婦人方3名に脳体力を計測する機会をいただきました。その3名のご婦人の年齢は
・80代後半
・90代前半
・100歳(まもなく101歳!)
どなたも大変明るく楽しい方でした。脳体力という言葉には最初は怖いという気持ちを持たれましたが、目的を伝えるととたんに前向きに取り組み、そこから出た結果をさらにこれからの人生の目標と照らし合わせてみると、これまで以上に施設での生活の重要性を感じていただけたようです。
(その施設のリハビリ担当の方も大喜び♪)

このやり取りからも「なんのためにやるのか?」という目標設定の重要性を感じたので、「苦手に対する目標設定」について日々考えていることについてまとめてみます。


苦手に対する目標設定?

目標といったとき、前向きなものをイメージしますよね。それなのに「苦手」って。。。とちょっと引っかかった方もいるのではないでしょうか。今の仕事をしてから苦手に注目してしまう人の特性と向き合うことが増えたのでそのあたりからお話をします。

脳体力トレーナーCogEvoでは認知機能が下記の図のような五角形で表さられます。ちょっとご覧いただいて気になるところはどこでしょうか?

脳体力トレーナーCogEvo結果画面

いろんな現場でみてもほとんどが、「計画力と見当識がダメね」というのが一言目に上がるものです。これはやった当事者だけでなく、横に寄り添う介護士やセラピストも同様です。すぐに「では○○をよくするために○○しましょう」という話の展開になりやすいです。

そしてその後を見ていてもこれでは続かないんです。ダメなところを押し付けてモチベーションが上がる方はほとんどいませんし、その後良くなったかを確認しようとする方もいません。

そういう点から苦手なものに対して目標設定をするときには「伸ばす!」という結果だけではだめだということに気が付きました。

やりたいことを明確に

このような結果に対してある東海エリアの介護施設がとても上手なアプローチを行っていました。
足の悪い方でも移動が楽になる電動カート(シニアカー)という乗り物があります。この電動カートに乗りたいという介護施設を利用している方が脳体力を計測したら、空間認識力が低いという結果が出ました。

空間認識力が低い状態では、車道に出てしまう、歩道から転落をしてしまうなどの危険を予見できるため、空間認識力のトレーニングを行うことにしました。

その結果半年後には五角形が整ってきたので電動カートのトレーニングを開始しました。

この事例の教訓は本人の「やりたいこと」を行うことを目的として足りない力をトレーニングするという点に視点を持って行ったことです。

これは認知機能に限らず様々なことに応用が出来ると思います。
苦手なことというのは基本的にできないから苦手意識を持ちます。苦手意識を持っていることは積極的には行わないので出来るようになりません。この連続で苦手になっていくので、苦手なことそのものを頑張ろうとしても続けるのはよっぽど意志が強くないと難しいですよね。苦行そのものです。そもそもそんな意思の強さがあればすでに取り組んでいると思います。

そこで本来やりたいことを目的として、そのための過程として苦手なことを克服するという手順をとるのがよいのではないでしょうか?

そもそも苦手なことそのものを絶対に克服しなければならない状況ってあまりないと思うんです。例えば英語が苦手だから英語をできるようになりたいというのは目的ではないですよね。この場合の英語は手段です。英語が出来るようになって、あの国で仕事をしたい、友達を作りたい、そのために英語を身に着けるという流れになるはずです。
そうすればその先の生活を思い浮かべたり、その地のひととSNSでつながって少しずつコミュニケーションをとるためと言えば身近な目標になりますし、変化も目に見えてわかります。

自分の行いたい未来を夢見て行うトレーニングは苦行ではなく、夢へのステップで楽しいものになりますね。

状態の見える化が目標に向き合うモチベーション(行動変容)

さてもう一つの視点もお伝えします。人はあいまいな状況だと自分に言い訳をしがちです。私もです。しんどいですもんね。
でも状態が見える化されると、逃げ場がなくなりやるしかありません。学生時代のテストと順位、偏差値、合格率みたいなものです。ゴールと自分の今の立ち位置が見えればどれだけ頑張ればよいのかが見えてきます。
ゴールの分からないマラソンは走れません。

だからこそ、どれくらい頑張ればよいのかを見える化というのは目標を達成するために必要ですし、苦手なことはますますモチベーションが上がらないからこそ、見える化するという仕組みの導入が目標達成を助けてくれると思っています!

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