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【AIニュース】生成系AIが中国の雇用市場に影響を与え始めていることが研究によって示された

1. ホワイトカラーな職種に影響が出ている

中国政府がAIの規制を強化する中、新技術がすでに同国の雇用市場に悪影響を及ぼしている可能性を示す証拠が示されました。

PKU国立開発学校の経済学教授である張丹丹氏は、2018年1月から2023年4月までに中国の求人サイトの1つであるZhaopinに掲載された100万件以上の求人情報を分析しました。


調査の結果、AI の「露出度」が高い職業、つまり仕事の役割の多くの要素がAIによって代替可能な職業では、新規求人数が大幅に減少していることを発見しました。

張丹丹氏の研究によると、AI の代替可能性が高い職種には、販売、財務、教育とトレーニング、ソフトウェア開発、管理、顧客サービスが広く含まれます。

つまり、ホワイトカラーの職種に対して強い影響を与えていることが言えます。

2. 一方で、求人が増加する業種も存在する

彼女の調査結果では、米国では、AIでの職種代替が進むにつれて、AIを開発する側の求人情報が増加すると報告されており、逆の効果が見られるという事実も提起されています。

ChatGPTのような生成型AIの利用は、全体的なサービスの提供までコストが下がるため、必然的にコスト削減を可能にするAI人材や、採用コスト的な問題で後回しにされてきたポジションに抜擢する人材の求人需要を高ることができるかもしれません。

3. 新技術の受け入れに難色を示す中国

現在、中国では国内全体で生成系AIの利用を規制しています。

サンフランシスコに本拠を置く企業OpenAIが開発したChatGPTは、米国による誤った情報の拡散を許す可能性があるとの政府の懸念から、テンセントやアント・グループなどの企業がサービスを提供しないよう指示を受けており、中国では事実上禁止されているようです。

複数の中国ハイテク企業が過去数カ月間にAIチャットボットをリリースしたが、そのほとんどは一般公開されていない。

最も成功したものである Baidu のErnie Botは、依然として ChatGPT には及ばないと言われています。


張丹丹は次のような見解を述べています。

中国の労働市場はAIなどの新技術にまだ大きく適応していない、一方で雇用に与えるマイナスの影響はすでに現れており、この代替効果はAI技術が深化し、より広く使われるようになるにつれて強化傾向を示していると考えています。

今後、我々の労働市場は、大規模な言語モデル技術に対して、徐々に逆反応を示すようになるだろう。

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