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仮説思考との出会い

はじめに

ブログ第4回です。今回は「仮説思考」というものについて自分なりの考察を書いてみたいと思います。

「仮説思考」という考え方はコンサルタントが問題解決によく使う考え方です。私も前職で一時期コンサル部門にいて、その時にこの言葉をよく耳にしました。
最初は、なんか大切といわれているけど、当たり前のことのような…。具体的にどういう思考のアプローチなのかいまいちピンとこない、というのが本音でした。
しかし起業を志していた時期、色々考えたり悩んだりしているうちに、「仮説思考」って実はめちゃくちゃ重要じゃね?とだんだん腹落ちするようになってきました。
今回は、私なりの仮説思考の理解、解釈について、述べていきたいと思います。早速行きましょう。

私と仮説思考との出会い

私が大学院を卒業して初めて就職が決まった時、私の叔父が新社会人の私に2つアドバイスをくれました。
1つは 「常に謙虚でいること」
もう1つが 『仮説を立てて検証すること』でした。
私の叔父は大手自動車メーカーに勤務して本社の取締役まで出世した人でした。その叔父が「この2つを忘れずにずっと続けることができたら、間違いなく仕事で成功する。」と私に言ってくれました。今でもよく覚えています。

僕にとっての叔父は、「ただの釣り好きの優しいおじさん」だったので、いつもと違って真面目な表情で話してくれた叔父の言葉が忘れられずにずっと頭に残ってました。最初に話したように、『仮説を立てて検証すること』が何を意味しているのか、当時の私にはいまひとつピンと来ていませんでした。しかし現在、社会人になって10年が過ぎ、ようやく仮説を立て検証するとはどういうことなのか、少しずつ分かり始めてきました。

仮説思考とはどういう考え方なのか

おそらく、私以外にも仮説思考って一体何なのか?イマイチよくわからないという人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。言葉では理解できるけど、真髄を掴めている感じがしないというか…。
私もずっと「仮説思考ってみんなやっているんじゃないの?よくわからん。」と思っていました。

私が思うに、実はその通りで、仮説思考って、言われなくとも大なり小なり皆があたりまえにやっていることですよね。だから「ふーん、そうだよね。」という感じで、あまり意識して突き詰めずに終わってしまうことが多いのではないか、と感じています。

仮説思考の具体例

例えば好きな人との初デートでご飯を食べに行くことになったとしましょう。その時に、どういうお店を選べばよいか考えます。「前に友達と行ったタイ料理のお店が美味しかったから、あの店に行ったら喜んでくれそう。」と考えて、その店を予約します。これもある種の仮説思考です。「相手をどこのレストランに連れて行ったら満足してもらえるか?」という問いに対して、「自分が行って満足した店であれば、相手も満足するはずだ。」という仮説を立てているわけです。

しかしながら、この仮説は、仮説思考としては相当粒度が粗いです。
なぜなら、
「自分はおいしいと思った」 ⇒(したがって)⇒ 「相手は満足する」
という命題が常に成り立つか?と問われると、そうではないからです。

もしかしたら彼(or彼女)はパクチーが嫌いで、タイ料理が苦手な可能性があります。また、おしゃれで落ち着いた雰囲気の店が好きで、どんなにおいしくてもガヤガヤした小汚いお店は好きじゃないということもあり得ます。相手はヒールのような歩きにくい靴をよく履いていて、駅から遠い店はちょっと…ということも考えられます。当日天気が悪そうであれば、傘がなくても濡れない駅直結のビルの方が良いかもしれません。

仮説思考では自分が立てた問いに対して、解答が成立するための条件を網羅的に考えておく必要があります。何かを実行する前に、意識的に問題を抽出して、正解となるためのあらゆる必要条件をシミュレーションし、仮置きの解答を用意したうえで実行する。これらを常に頭の中で構造化して俯瞰的に考える習慣が(戦略)仮説思考なのだと理解しています。

先人の知恵を借りる

もっとも、仮説は全て自分の頭でゼロから考える必要はありません。過去に似たような問題を解いた人が必ずいるので、過去問の答えを参考にするのもとても大切なことです。たとえば、先ほどのデートでのレストラン選びの場合は、彼(or彼女)と親しい人に、相手がどういう店が好みなのかを予め聞いて情報収集することは有用で、答えを最短で導く方法のひとつです。

人生の全ての場面で仮説思考が使える?

考えてみれば、人生は仕事もプライベートも問題解決の連続です。すべての仕事は誰かの何らかの問題を解決するためにやることですし、旅行の計画を立てるのも「どうすれば予算内で最大の楽しみを得ることができるか?」という問題を解く行為です。

人生のあらゆる場面で、「問題として抽象化し、予め妥当な答えを用意しておく」⇒「答え合わせをして、間違っていたら原因を考える」という作業を繰り返していく。そうすることで思考がきめ細やかくなり、行動選択の精度が上がっていくのだと思っています。私の叔父はそういうことを伝えようとしてくれていたのかな、と今は理解しています。

さいごに

今回の内容は、特にコンサル畑の人にとっては釈迦に説法かと思いますが、個人的に重要なことと思っているので記事にしてみました。
おそらくこのブログを読んでいる人の中には、私よりももっとロジカルシンキングや仮説思考を極めている人がたくさんいると想定しています。
是非フィードバックやコメントなど、補足頂けると嬉しいです。


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