483: The Beatles / For No One

「No One」つながりで、ビートルズです。
1966年にリリースした『リボルバー』の収録曲で、シングルカットはされていませんが、バロック・ポップの佳曲として高い評価を受けています。
ビートルズを聴くといつも思うのですが、とにかく楽器のチョイスが素晴らしすぎます。
この曲にしても、ピアノ弾き語り風にするところまでは誰でも思いつきますが、そこにクラヴィコードを重ね、さらにフレンチ・ホルンにソロを吹かせるというのは、普通のロックバンドでは、まずありえないでしょう。
フレンチ・ホルンは外部ミュージシャン(アラン・シヴィル)を起用しているのに対し、ジョンとジョージはこの曲に参加していません。
そして、そういう曲が、「タックスマン」に始まり「トゥモロー・ネバー・ノウズ」で終わる、サイケデリックなアルバムに収録されていること、さらに、相当に実験的なことをしているのに、ポップ・アルバムとして普通に成立しているという事実に、ビートルズが別格のバンドであることを再認識させられます。

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