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連鎖反応 [Chain Reaction]【動画】

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つながりのある曲を鎖のように連ねながら、その曲に対する思いをコメントしていきます。ほぼ毎日更新(予定)です。
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2022年3月の記事一覧

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452: The Clash / Hitsville U.K.

名盤『ロンドン・コーリング』に続くザ・クラッシュのアルバムは、賛否両論の問題作でした。 1980年にリリースされた『サンディニスタ!』(UK19位/US24位)は、なんと36曲入りの3枚組。本格的にダブを取り入れるなど、音楽的にも挑戦的な内容でした。 ただ、2枚組の『ロンドン・コーリング』が非常によくまとまっていたのに対し、こちらはお世辞にも粒ぞろいとは言い難く、正直散漫な印象がありますし、「1枚モノにしていれば良かったのに」との評論も多くみられます。 その一方で、粗削りなままリリースしたことに意義がある、という意見も多く、現在でも評価は分かれているようです。 そういった内容から、ビートルズの『ホワイト・アルバム』と比較されることも多いようですが、個人的には、ストーンズの『メイン・ストリートのならず者』の方が近いのかなぁ~、と感じています。 この曲は、2ndシングルとしてリリースされ、UK56位という地味なヒットとなっています。 ミック・ジョーンズとデュエットしているエレン・フォーリーは、彼の当時のガールフレンド。なかなか見事な公私混同ぶりです。

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451: The Clash / Revolution Rock

「レボリューション」つながりだと、ビートルズ、レニー・クラヴィッツ、トレイシー・チャップマン、等々、色々と考えられますが、ザ・クラッシュを取りあげることにします。 1979年の名盤『ロンドン・コーリング』に収録されたこの曲、オリジナルはレゲエ・ミュージシャンのダニー・レイのヴァージョンですが、私、聴いたことがありません。 ザ・クラッシュのカヴァー・ヴァージョンは、ホーン・セクションが効いたレゲエ風パンクと言った感じです。 まあ、それにしてもこのアルバム、パンクロック、ロカビリー、イージーリスニング、オールディーズ・ポップ、R&B、レゲエ、スカ等々、ここまで多彩な曲調を誇るアルバムは、そうそう無いと思います。 それでいて、散漫さのない非常によくまとまったアルバムで、「パンクロック」というカテゴリーを超えた、ロックの名盤と言われるのも納得です。

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450: T. Rex / Children Of The Revolution

節目の450曲目も、昨日同様、T・レックスで。 彼らの人気のピークは、1971年の『電気の武者』(UK1位/US32位)から1972年の『ザ・スライダー』(UK4位/US17位)の頃と言って間違いないでしょう。 この時期、「ホット・ラヴ」「ゲット・イット・オン」「テレグラム・サム」「メタル・グルー」と、4曲のシングルが立て続けにUK1位を獲得しています。 そんな人気絶頂期に、それらに続くシングルとしてリリースされたのがこの曲。 ゆったりとした覚えやすいリフ、それに重なる重厚なストリングス、そしてサビの中性的なコーラスと、この時期の彼らのサウンドの王道と言えるでしょう。 しかし、UKチャートでは2位止まり。 連続1位が止まった曲という点では、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」と似たような位置づけと言えるかもしれません。 とはいえ、ビートルズは次のシングル「愛こそはすべて」から、またナンバー1ヒットを連発するのに対し、T・レックスは、その後ナンバー1ヒットを出すことはありませんでした。(まあ、比べる相手が悪いですが...) 2001年の映画『ムーラン・ルージュ』に使われるなど、T・レックスの代表曲の1つです。

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449: T. Rex / Born To Boogie

「Born To」つながりでこの曲を。 ブルース・スプリングスティーンが「走るために生まれてきた」なら、マーク・ボランは「ブギーのために生まれてきた」と言ったところでしょうか。 (ただし、「boogie」にはスラングで色々な意味があるようですが...) この曲は、T・レックスが1973年にリリースしたアルバム『タンクス』(UK4位/US102位)の収録曲。 同名のコンサート映画も作られており、ベスト盤にも収録されていることから、シングル・ヒット曲とばかり思っていましたが、実際には「イージー・アクション」(UK2位)のB面になっただけでした。 それでも、タイトルはまるでマーク・ボランのライフ・テーマのようですし、(良い意味で)安っぽい煌びやかさに彩られたサウンドは、まさに「グラム・ロック」といった印象で、個人的には大好きなナンバーです。

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448: Bruce Springsteen / Born To Run

ロイ・オービソンが「国民的シンガー」であったことを示すエピソードとして、若き日のブルース・スプリングスティーンが、「ボブ・ディランのような歌詞を、フィル・スペクターのようなサウンドに乗せ、ロイ・オービソンのように歌いたい」と語ったと言われています。 そんな「ザ・ボス」(「ビッグ・ボス」ではない)をロック・シーンの最前線に送り込んだのが、1975年リリースのアルバム『明日なき暴走』(US3位/UK36位)。 1stシングルとなったこの曲もUS23位のヒットとなりました。 これ以降、次々に名盤をリリースし、「国民的ロッカー」の地位を確固たるものとしました。 冒頭の言葉に戻ると、彼の詩は若者や労働者階級の目線で書かれたものが多く、「ボブ・ディランのような」強いメッセージをもっています。 また、この曲に代表されるように、多くのキーボードやホーン・セクションを重ねた分厚いサウンドは、「フィル・スペクターのような」ウォール・オブ・サウンドを意識していることは明らかです。 ただ、独特のしわがれた声は、ロイ・オービソンの澄んだ伸びやかな声とは似ても似つかないような気はします。 まあ、それこそが彼の個性であり魅力なので、似せる必要は全くないのですが。

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447: Roy Orbison / Oh, Pretty Woman

「プリティ」つながりで、この超有名曲を。 1964年にリリースされた、ロイ・オービソンのこのヴァージョンがオリジナルで、US1位/UK1位と、最初から大ヒットを記録しています。 シンプルなギター・リフと特徴的な歌声が印象的なこの曲は、ポップ史上に名を刻んだ名曲と言っていいでしょう。 ただ、彼にとって、この曲が生前最後のUSトップ10ヒットとなりました。 次にTop10入りしたのは、1989年の「ユー・ゴット・イット」(US9位)ですが、その前年の1988年に、心筋梗塞により急逝しています(享年52)。 この60年代の名曲を、新しい世代のロック・ファンに知らしめたのが、ヴァン・ヘイレンのカヴァー・ヴァージョン。 1982年のアルバム『ダイヴァー・ダウン』に収録され、シングルでもヒットしています(US12位/UK47位)。 そして、1990年には映画『プリティ・ウーマン』の主題歌となり、ロイ・オービソンの歌声が、世界中で響き渡りました。 まさに、世代を超えた名曲です。

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446: The Offspring / Pretty Fly (For A White Guy)

グリーン・デイとほぼ同時期に登場したパンク・バンドで、同じくカリフォルニア州出身のオフスプリング。 1994年のシングル「カム・アウト・アンド・プレイ」では中東風のメロディを取り入れるなど、遊び心とポップさは彼らの方が上だったように思います。 彼らの代表曲と言えるのが1998年リリースのこの曲。 とにかく、イントロの「ア・ハー・ア・ハー!」のインパクトが強すぎます。 そして、実にくだらない内容のMV(←誉め言葉です)が、この曲の世界観を見事に表現しています。 シングルヒットを出すタイプのバンドではありませんが、この曲はUS53位/UK1位のヒットを記録しています。 この曲を収録したアルバム『アメリカーナ』も、US2位/UK10位と、こちらも大ヒットしています。 最近、あまり名前を聞いていませんでしたが、昨年9年ぶりのアルバムをリリースするなど、現在も活動を続けています。

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445: Green Day / Wake Me Up When September Ends

「9月」をテーマにした曲は数多くありますが、この曲も代表曲の1つと言ってよいでしょう。 グリーン・デイが2004年にリリースしたアルバム『アメリカン・イディオット』(US1位/UK1位)は、個人的にはかなり衝撃を受けたアルバムでした。 正直に言うと、彼らのことは、『ドゥーキー』や「バスケット・ケース」の印象で、単なるポップなパンク・バンドと思っていました。 ところが、このアルバムは、イラク戦争への怒りを込めた「反戦」をテーマに、強烈なメッセージをもつ曲が収録されています。そのうち2曲は、5部構成の組曲形式になっているなど、音楽的にも非常に充実した内容でした。 このアルバムを聴いて、グリーン・デイに対する認識が180度変わったことをよく覚えています。 アルバムからの4枚目のシングルとなったこの曲(US6位/UK8位)は、メロディが美しいナンバー。 タイトルは、ビリー・ジョー・アームストロング(ヴォーカル/ギター)の少年時代、彼の父が9月の初めにガンで亡くなったことに基づいています。 私、9月生まれなので、本音は9月が終わるまで寝て過ごすのは嫌ですが、彼の歌う姿を見ていると、心に響くものがあります。

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444: The Bangles / September Gurls

結成当初のザ・ランナウェイズは、ジョーン・ジェット、サンディ・ウェスト(ドラムス)、そしてミッキ・スティール(ベース)のトリオ編成でした。 ミッキ・スティールは短期間で脱退しますが、約10年後、あるガールズ・バンドのメンバーとして、大ヒットを連発することになります。 彼女こそ、バングルスのマイケル・スティールでした。 1986年リリースの2ndアルバム『シルバー・スクリーンの妖精』に収録されたこの曲、ビッグ・スターの名曲のカヴァーで、マイケル・スティールがリード・ヴォーカルを担当しています。 実は、アルバムのレビューの方で、以前一度記事にしていますが、もう1年以上経っているし、「時効」ということで見逃してください。 それにしてもバングルスって、メンバー4人ともリード・ヴォーカルを担当し、アルバムでは曲数もそこそこ均等なのですが、シングルになるのは、なぜかスザンナ・ホフスが歌ってる曲ばかりだったんですよね。 当時、私はまだ高校生の子供でしたが、まあ何か「大人の事情」があるのだろうと、うすうす感じ取っていました。

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443: The Runaways / Cherry Bomb

ジョーン・ジェットが、最初にデビュー(1976年)した時のバンドがザ・ランナウェイズ。 当時としては非常に珍しい、メンバー全員が女性で、平均年齢は16歳。しかも、ヴォーカルのシェリー・カーリーの衣装はほとんど下着同然という、話題性には事欠かないバンドでした。 ただ、それゆえに、「イロモノ」イメージが先行し、肝心の音楽をまともに評価してもらえなかったということはあったと思われます。 代表曲のこの曲は、本国USではチャートインしませんでしたが、日本では大ヒット。 ちなみに、私、この曲のタイトルをずっと「チェリー・ボム」と呼んでいたのですが、ググると「チェリー・ボンブ」でヒットするようです。どちらが正しいんでしょうか? このMV、今見ても「いや、ちょっと…」と思ってしまうので、当時としてはとんでもなく過激な(と言うか、はしたない)印象だったと思われます。 数度のメンバーチェンジの後、1979年にバンドは解散しています。

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442: Joan Jett and The Blackhearts / I Love Rock 'n' Roll

ヘレン・メリルの長男、アラン・メリルは、ニューヨーク生まれですが、世界各地を拠点として活動したミュージシャンでした。 1970年代前半は、日本でウォッカ・コリンズの中心メンバーとして活動しています。 1974年からは、UKに拠点を移し、アローズを結成。このバンドで、自作の「アイ・ラヴ・ロックンロール」をリリースしています。 この曲を世界的に有名にしたのが、1982年にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツがカヴァーした、このヴァージョン。US1位(7週!)/UK4位という、メガヒットを記録しています。 特徴的なギター・リフや、口ずさみやすいサビのメロディは、一度聴いたら忘れない、シンプルかつ強力なロック・ナンバーです。 ロック史上に残る名曲を書いたアラン・メリルですが、2020年に新型コロナウイルス感染症により、69歳で亡くなっています。 ちなみに、母のヘレン(91歳)は健在です。

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441: Helen Merrill / You'd Be So Nice To Come Home To

昨日もちょっと書きましたが、この曲のヴォーカル・ヴァージョンだと、ヘレン・メリルが最も有名なのではないかと思います。 1955年にリリースされた彼女のデビューアルバムに収録されたこの曲、好き嫌いはあるかもしれませんが、日本人が「ジャズ・ヴォーカル」と聞いた時に連想するのは、このヴァージョンのようなイメージではないかと思います。 この曲、第2次世界大戦中の1942年に書かれていて、元々は「家に帰った時、君がいてくれたらうれしい」という男性目線の歌だったのですが、彼女の印象が強すぎるせいか、女性目線で「あなたが帰ってきてくれたら嬉しい」と歌っていると勘違いされているようです。 また、このヴァージョンの評価を高めている理由の1つに、クリフォード・ブラウンが参加していることが挙げられます。 出番少なめな歌伴ではありますが、間奏では見事なソロを吹き上げています。 若くして亡くなったことが、本当に悔やまれます。

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440: Art Pepper / You'd Be So Nice To Come Home To

1950年代に人気を博したウエストコースト・ジャズは、音楽教育を受けた白人ミュージシャンが中心だったこともあり、洗練された都会的でクールなサウンドが特徴でした。 アルトのアート・ペッパーも代表的なミュージシャンの1人で、1956年にはチェット・ベイカーと一緒にアルバム『プレイボーイ』をリリースしています。 彼の代表作として挙げられるのが、1957年の『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』。 レッド・ガーランド、ポール・チェンバーズ、フィリー・ジョー・ジョーンズという、当時のマイルス・デイヴィス・クインテットのリズム・セクションを従えたワン・ホーン作品で、東海岸と西海岸の競演という意味でも、歴史的な作品と言えるでしょう。 オープニングのこの曲は、コール・ポーター作のスタンダード・ナンバー。 この曲、ヴォーカルものでは、ヘレン・メリルのヴァージョンが有名ですが、インストものの代表として、このヴァージョンを推す人が多いのではないでしょうか。

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439: Chet Baker / Time After Time

スタンダード・ナンバーの「タイム・アフター・タイム」と言えば、この曲が「先輩格」にあたります。 1946年に書かれたこの曲、実に様々なミュージシャンに取り上げられています。 ヴォーカルものだと、サラ・ヴォーン、フランク・シナトラ、ダイナ・ワシントン、等々。 インストものだと、スタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーン、ポール・デズモンド、等々。 そんな中で、最も有名なカヴァーの1つが、1954年リリースの『チェット・ベイカー・シングス』に収録された、このヴァージョンでしょう。 チェットの中性的でクールなヴォーカルと、哀愁漂うトランペットの両方が味わえる、「1粒で2度おいしい」1曲となっています。 このアルバム、ウエスト・コースト・ジャズを代表する作品として、人気の高い1枚です。