このみ あんこ

ひとりを楽しむ。

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譲れない、私の三角地帯

朝のラッシュ時。 争奪戦は、ホームに並ぶときから始まっている。 先頭に立つのはなんとなく嫌なので、誰かが立ったらすぐに2番目に並ぶ。 3番目や4番目では争奪戦に勝てないから、注意しなければならない。 やがて電車が到着する時間になり、ホームに入ってくる。 おっと、見逃すな! あんこの鋭い視線が、車両の向こう側のドア付近を捉える。 座席側の壁とドア側の壁が交差する場所、そこが私の三角地帯。 角に体を預ければ、どんなに揺れても大丈夫。 立ったままでも居眠りできる聖域…。

    • 黒電話の前触れ音を知ってるかい

      旅先で、レトロな喫茶店に入った。 柱時計に、アラジンのストーブ。 懐かしい音がして振り向くと、ツヤツヤの黒電話があるではないか。 マスターが受話器を取って、なにやら話している。 おお、黒電話くん。キミは現役で活躍しているんだね。 いましたよ、我が家にも。黒電話くん。 世の中に押しボタン式の電話機が現れても、このみ家では、1990年代前半まで働いてくれていた。 ああ、黒電話くんよ。 誰かからの電話を心待ちにしているとき、「ジリリリリン!!」とけたたましく鳴る前の、かすかな「

      • ジョージのジャーゲ ~自己紹介~

        私は確か生粋の日本人のはずだが、うまく日本語を話せない。 それなのに、仕事で電話に出る。 接客もする。 それだけではない。 「これからは、もうちょっと人前に出てみようかな」なんて言っている。 おしゃべりは得意ではない。 口数も少ない方だ。 性格は引っ込み思案で内気。 でも、人としゃべりたい。 というか、人の話を聞きたい。 というか、目の前の人が気持ちよさそうにしゃべって、 「あら、あんこちゃんったら聞き上手だから、私ついしゃべりすぎちゃったわ」 と言われるのが嬉しい。

      譲れない、私の三角地帯