アルバムレビュー⑤ 世界の終わり『EARTH』
今回は、僕が音楽を好きになるきっかけにもなった、世界の終わり「EARTH」をレビューします。
ジャケットを見ると、SEKAI NO OWARIから、NO WARという文字が浮かび上がっています。他にも、略称であるセカオワをとると、INORIになったりする、なかなか奥が深いバンド名です。
1st albumである今作ですが、一番生々しいセカオワが感じられるアルバムだと個人的に感じます。
歌詞の面でもサウンドの面でも見受けられる危うさがこのアルバム独特の空気感を作っているようにも思えます。
「幻の命」
一曲目から、死んだ子供がテーマの重たい歌詞。だけど、Saori作曲のメロディーは美しく綺麗で、どうしようもない感情になる。そしてサウンドがシンプルだからこそ、Fukaseの綺麗なボーカルが深く刺さる。
「虹色の戦争」
Fukaseの天才的なポップセンスが冴え渡る一曲。このアルバムの中できっと一番ポップで聴きやすいロックソングだろう。歌詞も重たいが、分かりやすいテーマでとっかかりやすい。
「インスタントラジオ」
ライブの定番曲。めちゃくちゃ盛り上がる。
カノン進行を巧みに利用した人懐っこいポップなロックチューン。これが嫌いな日本人はいるのか!「PopでCuteなセカオワMelody」と言い切る歌詞もロックでかっこいい。最後の掛け合いも最高。
「青い太陽」
ファン人気がめちゃくちゃ高い曲。音楽的に見ると、この曲もカノン進行が使われていて、そこに乗っかるポップで綺麗なメロディーも素晴らしい。バンド名の「世界の終わり」が歌詞に出てくるのもニクい。
「死の魔法」
重ための歌詞だけど、スルッと聴けるのはFukaseの透明感あるボーカルからなのか、スッキリとしたサウンドゆえなのか。人が一度は感じる「死」の不条理さをうまく歌った名バラード。
「世界平和」
このアルバムの中では一番ハードなロックソング。
歌詞も一番攻めていると感じる。でもハードと言っても、セカオワなのでポップさも両立しているのがすごいと思う。歌詞のメロディーへの乗っけ方がやはり上手い。
「白昼の夢」
個人的に一番好きな曲。人生が辛い時にこそ聴きたくなる鬱ソング。だけど、メロディーはポップだから少し救われる、心が安らかになる。最後、シューゲイザーっぽくなるところも含めて、ラストにふさわしい曲だと思う。この曲で締めるからこそこのアルバムが神々しく感じる。
以上でアルバムレビューを終わります。最近、あまりセカオワを聞いてなくて、久しぶりに聞いたらやっぱり良いなと思いました。普段聞かない人にも是非聞いてみてほしいと思うし、逆にセカオワが大好きな人は、もっと色んな音楽に出会ってくれたら嬉しいと思います。ありがとうございました。
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