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ジェネリック医薬品について思うことをつらつら。

ジェネリック医薬品ときいたとき、人々は何を思うのだろうか。

なんかしらんけど安いらしいよ。

効果は同じらしいけど添加物は違うっていうよね。

効かないわよ、ジェネリックなんか。

パチモンだよなぁ、本物の方がいいに決まってる。

どっかの会社がやらかしてなかったっけ?

……たははははは😅

調剤事務員としては患者のさまざまな声に苦笑するしかない。

ネット上にはジェネリックについての説明をしたサイトや資料がいくらでも転がっている。

だがしかし人々がそれを検索することは稀だ。

なぜなら、それを知る専門家に聞く方が早いから。つまり、薬剤師や医師に聞くのが良いと思っているからである。

ところが、残念ながら患者に「ジェネリックってどうなの?」と聞かれて的確にこたえられる薬剤師は滅多にいないと言っていい。

これは調剤事務員として、薬剤師と患者のやり取りを聞いてきた者としての観察結果だ。

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余談だが、あるとき修学旅行中の学生に風邪症状があらわれたので、付き添いにやってきた教師らしき人が学生にこう言っていた。

「ジェネリック医薬品てわかる?値段は先発品より安くて、成分や効果は同じお薬のことね。」

私はこの説明に感動した。専門家ではない一般人の認識としては十分なものである。下手したらその辺の調剤事務員より説明が上手いかもしれない。

ジェネリック医薬品の大きな理解は、これ以上でも以下でもない。なぜ安いのか?効果が同じとは本当か?つっこむべきところはあれど、くすりを普段飲まない一般人なら特に問題ないことがらなのである。

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問題はここからだ。なにせ、令和6年の調剤報酬の改定で、長期に渡り先発品を服用している患者は、値段が上がるという話がでてきたのだから。ジェネリック率によって決まる調剤基本料も、さらに基準が上がるとされている。

患者からしたら、「いつも飲んでいるくすり」が急に高くなったり、薬局都合で変えられたりしてしまうのだ。

納得がいかない患者も多数いるだろうし、それに対して満足に説明できる薬剤師や事務員がどれほどいるだろうか。ましてや、医者が先発品を推奨している場合などは最悪である。

薬局でいくら言葉をつくして説明しても、「私にはわからないから医師の言った通りに出してほしい」という患者は一定数いる。

そう、医師、あるいは病院。薬局にとっては協力すべきパートナーである彼らは、薬局に協力してくれることはあまりない。

が、そんな彼らに対する魔法の言葉がある。

それは、「患者さまのご希望なのですが…。

さて、何が起こっているかお分かりだろうか。患者は医者の言うことをきき、医師は患者の言うことを聞く。どちらも薬局の、薬剤師の話は聞かない。

かなしいかなこれが現実である。

そもそも論として、ジェネリック医薬品推奨のの大きな目的は患者本人の医療費負担軽減ではなく、国の医療費負担の軽減なのだ。

一般人にはそれを説明しても、医療関係者には説明はせず、それでいて責任を押し付けるお偉い様はどういう了見なんだと思わざるを得ない。

いや、この場合は医療関係者が医療費に無関心なのがいけないのだろうか。

どちらにしろコミュニケーションが怠惰すぎる。

怠惰怠惰怠惰怠惰。

自分のことばかり考えている人々にはほとほと嫌気がさしているところだ。

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