クオリティとバランス


2024/08/02

社会人70週目終了

会社の求めるクオリティに自分のつくるものが追いついていないと感じることが多々あり、自信をなくす事が多かった。

・後輩が同じ作業に入っても、まだ先輩のチェックなしには完成させることができないこと、

・後輩が去年私が挫折した作業を先輩のチェック無しであげてよいと許可が出たこと

などが自信をなくした要因だった。


しかし、今週、自分のつくるものについて客観的に分析ができた。


私は入社当時は磨くのが上手いとよく言われていた。だから決して、会社の中では劣等生とかそういうわけではないのだ。


ではなぜ、クオリティがついていかないのか。

理由は二つある。

一つ目の理由として、バランスが悪いということが挙げられる。

私が去年、挫折した部品加工の作業は磨く工程だけではなくいくつかの工程を経て完成されるものだった。

A平面だし→B磨き→C面取り、と大まかに3工程ある。

私はこの中で、A.平面だしとB.磨きは得意だったが、C.面取りが絶望的に苦手だった。

A.70点→B.90点→C.30点

という感じだった。

一方で後輩は

A.30点→B.60点→C.80点

といった具合である。

A.平面だしは普通はできない人が多い作業なので、理解が得られ、先輩も補助してもらえる。B.磨きとC.面取りさえできれば、部品としては完成する。しかし私の場合はC.面取りが苦手だった。 

バランスが悪いと商品としては完成しない。同じ傷のはいりかたでも、出来のよいものにできた傷はとても目立ち、傷一つで劣化して見える。

30点であるC.面取りに必要なのは30点のB.磨きであって、90点のB.磨きではないのだ。

もし全体の出来が30点であったとしても、価格帯の低い商品には使ってもらえたかもしれない。

いちばん大切なのはバランスだった。


私は1年目の部品加工で怪我をしてしまったとき、その部品をみるだけで気分が悪くなるくらい精神を追い詰められてしまっていた。だから、部品加工の作業には戻れなかった。かわりに、得意だった平面だしを手伝おうと思って、時間を見つけてはこっそり練習していた。私が手伝えないと一つ上の先輩の手が空かず、申し訳ないと思っていたし、何より、後輩が入ったときに、自分みたいな辛い思いはしてほしくなかったからだ。少しでも手伝えたら…と思っていた。

工場の一番上の立場である上司は、後輩が平面だしが苦手という話になったときに、「全くできないわけじゃないなら良い(安定している)」というようなことを話されていた。

私が不安定なのは確かにそうかもしれないが、平面だしに関しては少し違うと感じる。私が見てもらっていた“洋”の配属であるベテランの先輩は私への期待値が高く、かなり厳しいと感じることが多い。だから当時の私は少しでも隙間があると全部使えないのかと思っていた。自分でチェックしてはやり直していたが、行き詰まった時に、一つ上の先輩にチェックしてもらったところ、案外、使えるものが多かった。


2つ目のクオリティがついていかない理由は、詰めが甘いことにある。

後輩よりもチェックの引き出しが増えてしまった今、必ずどこかは見落としが出てきてしまう。

私は改めてチェックリストを紙に書き、それをもとに確認をしたうえで提出をしようと考えている。

だが、先輩もチェックの時に見落としがないかと言うと、そうではないと感じる。

目立つ部分、社長がこだわっている部分を比重を多めに完成度を高めていくことなのではないだろうか。要はバランスである。

目立つ部分の直しを、先輩は“誤魔化す”という言葉を使う。わたしは、それを受けて、なにか悪いことをした気分になるので、そのまま出してしまいたい気分になる。技術が追いついていないという意味の“誤魔化す”ならまだいいかと思うようにし、完成度を高めていきたいと、改めて考え直すことにした。


後輩の安定感には負けたなと感じる。

私は来週あたりにでも、練習で使っていた平面だしの道具を返そうと思う。コツをつかむために何度も当て直したから、もう薄くなってしまったものが多い。役に立とうと思っていたことが大事だからもういいのだ。あとは時間がかかったとしても、後輩に任せようと思う。私は自分の与えられたことに集中しようと思う。

もし私が欠点を克服できた場合、出来の良いものがつくれるはず。

いきなりグンッと伸びるタイプなのだと思う。

ここで負けてはいけないのだ。

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