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40代で大学生になった #4

大学の先生

大学デビューは、Y先生からで
この先生は、若くてきれいな女子学生には
大変親切で優しかった。
私は、若くもなく、きれいでもなかったため
向けられるご指導のコメントも何となく冷たく
そっけなかったように感じた。
たぶん・・・いや絶対、気のせいではない。

しかし、対面授業でお会いした先生方は
おおむね、寛容であったし、情熱的に講義してくださり
さすが、日頃しゃべることがお仕事なだけあって
お話も興味深く面白かった。
女性の先生方は、品があり美しい方が多かったように思う。

大学の時の・・・

大学を卒業した人は、時々「大学の時の友達が…」
とか「大学の時の友達で〇〇県出身のヤツがいて…」とか
そんな話をすることがある。
それは、私の中で小さく灯った羨望でもあった。
確かに、スクーリングで一緒になった仲間とは
互いの自己紹介や身の上話をすることもあったのだけれど
連絡先を交換しても「友達」と呼べるほどの
つき合いになった人はいなかった。
中には、スクーリングに来るたびに、必ず知り合いや
友達を1人でも増やして帰ることに決めていると
言っていた人がいたが、その人は私より年上だったけれど
とても美しく、皆が知り合いになりたくなるような
華のある人だった。
「大学の時のね…」なんて話は、やはりできないのかもなぁ。

東京滞在中の楽しみ

3日連続や夏の間集中して行なわれるスクーリングは
もっぱら息子の部屋に滞在していたが
一日の終わりには、アパートの近くにあるバルでビールを飲むことを
ひそかな楽しみにしていた。
大学の学食も楽しみの一つで、授業中でも
この後何を食べようか、などとしょっちゅう考えていたものだ。
大きなナンのついた本格的なカレーは
学生ばかりでなく一般の人も足を運ぶほど
なかなか有名なカレーで
私も好きで何度も食べた。

なじめない都会

バルでビールを飲むことを楽しみとしていたのだが
連日通っても、バルのマスターは私を快く迎えてくれる
気配がなかった。
まだ、オープンして間もない時間だというのに
自家製ソーセージを注文すると、「今日は売り切れ」だという。
次の日、また注文すると、「今日は作っていないのだ」という。
次の日、今日はありますか?と尋ねると「ない」という。
いつならあるのか?と聞いたところ、「気が向かないと作らないのだ」
という返事で、結局、自家製ソーセージは食べずじまいだった。

大学でも、気の合う人同士が仲間になり
いつも会話をしていたり、ランチを一緒にという場面を
見かけるようになった。
何度も、通っていると自然に見知った顔も多くなるのだが
私には、特別親しくするような相手はできなかった。

バルのマスターや大学の学友(?)と馴染めないのは
やはり、自分が田舎生まれで田舎育ちの人間だからなのか
それとも、人を寄せ付けない目に見えないバリアでも
あるのかしらん?
満員電車も相変わらず苦手で、1時間早く出て
大学近くのマックで大学の門が開くまでの時間をつぶしていた。
都会の空気は、なんとなく薄いような気がしたし
何といっても周りに高い山が見えないということが
気持ちを落ち着かなくさせた。

次回につづく

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