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旅行 青木ヶ原樹海探索

富士の青木ヶ原樹海に行ったことがある。
それも騙されて。
それも学校である。
デザインの専門学校に行っていたときにです。

行く前から様子がおかしかったんです。
持ち物に、軍手、とか。懐中電灯、とかね。
カッパ(雨具ではない)とかね。

「先生!これ雨具じゃなかったら何に使うんですかあ?」という生徒の質問にもはっきり答えなかったですし。

んで、現地着いてカッパ着て軍手付けて懐中電灯持たされて集合したところで「ハイ、これから青木ヶ原樹海に行きます」と言われました。

それからです、大変だったのは。

樹海と言っても大したことないと思っていたんです。初めは。迷子にならなければいいだろうとか「死体発見しちゃったらどうする?!」とかふざけてる余裕もあったんです。

でもすかさず先導するプロの探検家の方が「これから行くのは素人が行くところとは違うので死体を発見したりすることはないと思います」という凛々しい返答が返って来ました。
なんでもスタート地点が違うとかで。でも私たち素人だけどな、みたいな。

道を進んで行くんですが、もうそろそろ終わりかなぁと思うのにまだまだ終わる気配なし。

それどころか「ここから先は絶対に入ってはいけません!」とか「命を大切に」とか注意書きのあるロープを何回も潜ってゆく始末。入っちゃダメだと書いてあるじゃん?!なぜ?!みたいな。

そのうち獣道に突入。崖を登ったり降りたり、木の枝をかき分けたり。
どれくらい凄かったかと言う全行程終わった後カッパはビリビリで使い物にならなかったので全員分回収されたほど。木の枝とかで全部破れちゃうんです。
もはや絶叫アトラクション状態。

途中、探検家の方がおもむろに立ち止まって「皆さん見てください。この辺はもう方位磁石が使えません」とかありがたいことみんなに見せてくれたり。

「この辺は自衛隊の人も何人か行方不明になっている場所ですから絶対に前の方を見失わないようにしてください」とか、またありがた迷惑な忠告してくれたり。

「皆さん立ち止まってください。皆さんが今立っているところは実は地面ではありません。実は木の根が張り巡らされているだけです。時々陥没することがあります。陥没したら落ちて死んでしまいます」とかそら恐ろしいこと言われたり。

でも本当に凄かったのがその後で。
整備されていない風穴に入ったんですが、これが一寸先も見えない真っ暗闇の中、氷の崖を降りて行く過程。そこら中から絶叫。

ヘルメットに懐中電灯、軍手にカッパの完全装備、それもそのはず。滑ってビックリして頭をぶつけるとそこにはツララ。ヘルメットないと死ぬよというリアリティ。

探検家の人のアドバイスでは、風穴の中を中腰で歩いて進むのですが「転んで滑り出したらもう止まらないので、前にいる人にぶつかって止まって下さい」と言われ。

その止まり方ってどうなの?!というツッコミどころ満載。案の定人間ビリヤード状態。まるで絶叫コント。

人の手の入ってない自然の造形とか、風穴すごく美しかったんですけどね。そういうところも「皆さんみてください」とか言われて見たんですけどね。そんだけ過酷な工程だったので正直愛でるまで余裕がなかったです。

強烈な体験過ぎていまだに忘れられせん。
余裕があれば写真とか撮りたかったんですけどサバイバルが過激すぎて両手使わないとダメなだったのでそもそも無理でしたね。

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