見出し画像

【すみません、ブラジル🇧🇷行くので会社辞めます】

2024年5月21日22:30分発のエミレーツ航空の飛行機で私は日本を出発した。

ここに至るまでは本当に嵐のように色んなことが起きた。
ブラジルの話をもらったのは4月の頭だった。勝手ながら私はすぐに会社を辞める事を決めた。

私は2023年の8月に引退してからは会社に残り一般社員として仕事をしていた。
4歳から25年続けていた柔道は毎日出来なくなり、慣れない生活が始まった。現役中では一度もかからなかったインフルエンザにもかかった。死ぬかと思うくらいキツかった。体が変わってきている、弱くなっている。
凄く嫌だった。自分の体が変わっていく事への不安、ストレスで心が痛んだ。

それでも必死に仕事についていきながら過ごしていた。その中でも転職してきた同僚とも仲良くなりキツい中にも楽しみを見つける事もできた。
その同僚は、私にとって心の支えであり頼れる友達になった。私が知らない事をいつも優しくわかりやすく教えてくれた。
いつからか一緒にランチを食べるようになり、気づいたら毎日一緒に過ごすようになっていた。
間違いなく彼女がいたから私は会社での生活を乗り切ることができたと思う。柔道関係以外での友達は久しぶりにできた気がした。

『いきなりすみません。ブラジルに行くので会社を辞めます。』
上司に報告した時、そんな理由で辞める人なんて多分居ないので凄くビックリしていたが話した後、上司も納得して後押ししてくれた。

会社を辞める上で1番心残りだったのが彼女の存在だった。
私だけ会社を辞めて自由になる事への罪悪感や、仕事が増えて負担にさせてしまうこと、凄く申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
でも彼女に話した時に、『あんずさんは柔道が凄く大好きなので、絶対に行った方がいいと思います!私はずっと応援しています!』と言ってくれた。

最終出社日にみんなの前で挨拶をした。
全く泣くつもりはなかったけど彼女の姿が目に入った瞬間込み上げて来るものが抑えられなかった。
短い期間だったけど私は私なりに頑張っていたんだなと思った。
私が会社を辞める事を上司に報告してからはドタバタで、会社の皆さんにも関係者にも凄く迷惑をかけてしまった事、でも私の決断をみんなが後押ししてくれた事、感謝の気持ちでいっぱいだった。

それからは引越し、片付け、書類の申請などやる事が山のようにあり本当に終わるのかと毎日ドタバタしていた。
そして引っ越しも終わり落ち着く頃には出発まで2週間弱となっていた。
初めて1人で飛行機を乗り継ぎする事、着いてからはどんな予定なのか、言葉の壁はどうしたら良いのかなど不安は尽きなかった。
けど行かなければ必ず後悔する。

人はいつか死ぬから、自分がやりたい事を我慢して安定を選んで生きる事もできるけど、人生そんなに長くない。
自分の好きな事に使える時間は限られている。女性にとってそれはさらに短いものだと思う。自分の為に時間が使えることはあまりにも短すぎる。だから決めた。

一言では言い表せないほど、色んなことがあった2ヶ月間だった。でもその中で沢山学び、人間として強くなったと思う。

私は人と違う事をするのが好きだった、小さい頃から。

人によっては逃げた、みんなと同じように働けないんだね、おかしいね、病気なんじゃない?そう言われるかも知れない。
世の中には一生懸命働いてる人がいる事も理解している、そして尊敬している。
何で私にはみんなと同じように出来ないのかなと悩む時期も沢山あった。でも私には出来なかった。
でもみんな違ってみんないいって言うし、私は私の生き方があるし、人には人の生き方があるから。

どんな生き方をしても共通してる事は、人はいつか死ぬ。
だから私は一回しかない人生を楽しむ為にこの選択をして良かったと心から思う。

人生は一回しかないから、自分が幸せだなって思える瞬間を大切に、生きれる事を祈ります!

魂の柔道家 山本杏

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?