砂漠雑感#049 「英国の闇チャーチル 世界大戦を引き起こした男」
英国の著名な政治家チャーチルは功罪半ばするが、日本にとっては、明らかに罪が大きい。いや、罪が全てというべきであろう。チャーチルは、文筆家でもあったため、その発言もしばしば引用され、偉大な政治家として評価されることが多い。しかし、日本にとっては、米国のフランクリンルーズベルト(FDR)と同様に悪の権化であり、決して許すことのできない英国人であったと言わざるを得ない。
歴史修正に挑む歴史家、渡辺惣樹氏の珠玉の名著「英国の闇チャーチル 世界大戦を引き起こした男」を読んで、その思いを強くした。渡辺氏によれば、「第一次世界大戦後に構築されたベルサイユ体制は戦争のすべての責任をドイツやオーストリアに押し付けて出来上がった不正義の権化であった。第二次世界大戦はベルサイユ体制の崩壊現象であった」。「チャーチルが出世さえしなければ、第一次世界大戦は起きなかった。ベルサイユ体制も生まれず、第二次世界大戦も起きはしなかった」。
「筆者は日米戦争(米国の視点からは太平洋戦争、日本の視点では大東亜戦争)は第二次世界大戦の局地戦だと理解している。それだけにチャーチルという人物の1914年7月末から8月4日にかけての行動が悔やまれてならないのである。彼の行動から長い長い歴史のドミノ倒しが始まった。そして全く不必要な日米戦争となったのである」
今年3月、久々に、広島を訪問した。エジプト人の歯科医(大学教授、臨床医)7名と一緒であった。皆、医師である。皆、一同に、核攻撃の凄まじさに驚愕すると同時に、アメリカを非難していた。
原爆による人類史上初の核攻撃(それは日本人に対してであった!)は、米国と英国(つまりFDRとチャーチル)による共同プロジェクトであったことを忘れてはならないと思う。
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