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無骨でワイルドな木製プランターができるまで

 横瀬駅前や宇根地区の街道を走っていると、丸太の中身をくり抜いて作られた船のような形のプランターをあちらこちらで見かける。

存在感あり

 地域住民や小学生の登下校の列が行き交う道に、手入れされた花が咲いている光景は、何だかほっとする。プランターがプラスチック製でないのも周囲とマッチしていてグッド◎。

 これらプランターは、道具の扱いに慣れた地域の方々が手作りしている物だ。制作の現場にお邪魔し、お手伝いさせてもらった。

 作業はまず、丸太を玉切るところから。切った長さがプランターの全長になる。樹種としては、アカシアやクリの木が腐りにくくて良いそうだ。 

切り落とした側を後述するプランターの台座として生かすことができる

 次に木をくり抜く作業。始めにチェンソーで長方形に縦の溝を入れる。

チョークで印を付けて、縦に溝入れ。この長方形の範囲内が花を植えるスペースに

 次に、約5センチ間隔で縦に何本も溝を入れていく。鮭の切り身のような見た目になればOK。

ナイスサーモン

 各溝にくさびを打ち込んだり、底面に鍬を使うなどして木の部分をはぎ取っていく。きれいにくり抜くことができた。

カヌーの完成

 次に、底に何か所か水抜き用の穴を開ける。

切りくずの躍動感。チェンソーから受ける手応えの変化に集中すれば貫通の瞬間が分かる

 プランター本体はこれで出来上がりで、続いて台座作り。本体を受ける面を谷型にカットし、接地側は縦引きにカットする。

林業において、材として使われない端材を「タンコロ」と言う。伐採後の現場によくこのようなタンコロが転がっている

 最後に仕上げ作業。チェンソーで面取りをしたり、皮を剥ぎ取ったりすれば完成です。

面取り
鎌で樹皮をこそぐ

 この日は地域の方々7,8人の作業に仲間入りさせていただいたが、皆さん手慣れたもので、誰が指示するでなく自然に工程が進む進む。必要な道具が必要なタイミングで車の荷台から出てきて、すっと作業者の手に渡る。ほぼ全員がマイチェンソーを持って来ていて、当たり前のように使いこなす。半日とかからずに大型のプランター2台が完成したのだった。そのてきぱきさが見ていて心地よかったです。この場を借りて、ありがとうございました。

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