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ジェンダー単元 事前課題

課題1

以下のそれぞれの状況であなたならどう対応するかを考えてください。

あなたは、インビジブル(見えない)国に生まれて育った大学生です。インビジブル国には、格差がなく、誰もが平等に暮らす社会だと感じてきました。ところが、政権が変わり、実はこの国には世界でも最下位にランクされるほど、大きな格差が存在することが、発表されました。そして、国民の一人一人に生まれながらにしてついていた特権スコアが通知されたのです。
※「特権」とは、「あるマジョリティー側の社会集団に属していることで労なくして得る優位性」と定義しています。「本人の労なくして得ることができる優位性」というのは、たまたまマジョリティー側の社会集団に属することで、自動的に受けられる恩恵のことです。たまたまマジョリティー側の集団に属していることから、本人が気づきにくいとも言われています。

状況①

あなたは特権スコアの高い集団に属していることがわかりました。家族や友だちの中には特権スコアの低い集団に属する人もいます。この状況をあなたはどのように受けとめますか。また、日常生活のさまざまな場面で、特権スコアの低い人たちから、特権スコアの高い人たちのせいで、自分たちは傷ついている・不安だ・不自由だと言われるようになりました。あなたは、どのような行動をとりますか。

どう受けとめるか:
「スコアの高い集団に属していることは当たり前のことではない。」
行動:
優位性を持たない状況を想像をする。また、私の立場によって何に傷ついているのか、不安を感じさせているのか、不自由を感じさせているのかを知ろうとする。

状況②

あなたは特権スコアの低い集団に属していることがわかりました。家族や友だちの中には特権スコアの高い集団に属する人もいます。この状況をあなたはどのように受けとめますか。また、日常生活のさまざまな場面で、特権スコアの高い人たちの言動に傷つき、不安を覚え、不自由な生活を送ることになりました。どのような行動をとりますか。

どう受けとめるか:
「どうして優位性を持たなかったのだろう」という不幸な感情と、「いろんな立場の人がいる」という許容。(これができるかと言われたら分からない。こう受けとめたいという願望)
行動:
特権の壁を壊す方法を考える。壊せなかったら少し諦めて、また壊しにかかる。時に立場の違う人(特権が高い人)の手を借り、時に立場の似ている人(特権が低い人)と協力する。

状況③

もし、あなたが、自分の特権スコアを選べるとしたら、高いスコア、低いスコアのどちらがいいですか。それはなぜですか。

高いスコアが良い。なおかつ、その特権がどんなものなのか自分で分かっている状態が良い。
マイノリティの内側から発する意見は周囲に影響を与えやすいと思ったから。

課題2

どんな社会にも、その人の行動や選択に関係のない条件(アイデンティティや環境)によって開閉に差がつく見えない自動ドアが存在しています。(※の資料を参照ください)

※特権に気付き社会を変えるマジョリティーへの教育を 出口 真紀子さん
http://ictj-report.joho.or.jp/2106/sp01.html

1.現代日本社会のジェンダー不平等の自動ドアの存在を意識、経験したことはありますか。課題資料も読み込み、自分やまわりで感じた具体的な例も踏まえて、考えを共有してください。

中学のお仕事体験で保育園へお邪魔した時に男性職員の方から「男性職員って少ないんですよね」という話をされた。確かに、自分の記憶を遡り、担任の先生や他クラスの先生を思い浮かべると、女性の印象が強く残っている。その他、保育を学ぶための女子短期大学があるように、「保育は女性の仕事」というイメージが職業に表れていると感じた。

★課題資料(必読)

女性活躍・男女共同参画の現状と課題

☆参考図書(任意)

1)ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法 (幻冬舎文庫)アルテイシア 
2)ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた―あなたがあなたらしくいられるための29問/一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同

2.ジェンダー以外で、自動ドアの存在を意識、経験したことはありますか。自動ドアのセンサーが反応する人、しない人の立場を経験して、自分ができることは何があると思いますか。

「男か女か」という自動ドア。生物学的な男女の区別が強いがために、モノを運ぶときに男子が呼ばれること。別にだれが運んでも良いのに、女子が運ぶと「どうして女子に運ばせるんだ」と言われること。これは「女の子」というセンサーが働いているようなイメージがする。自動ドアの存在を考えてみると、センサーが反応していない状況に気付いていない可能性が大いにあると感じた。
自分ができること,,,「センサーって壊せないかな?」と考えて立ち向かって、多分打ちのめされるから、その後さらに新しい立場や考え方を身につける。

+1

日本の男女共同参画の現状のデータを読んで、各自が気づいたこと3つを共有しましょう。

・男女の平均収入額に差があるのは、政治分野や経済分野における、男性に対する女性の割合が低い点が関係しているのではないか。(p2)
・(1つ目の気付きに関連して)諸外国の国会議員に占める女性割合の推移を見たときに、日本の割合が著しく低かった。諸外国では「クオータ制」という女性が参加する機会をつくる制度を設けていた。(p6)
・所得階級別有業者割合について、男性(既婚)が所得が高いのは、女性(既婚)の所得が低いからであり、男性(未婚)と女性(未婚)の所得差はあまり見られない。つまり、結婚というイベントが男女それぞれに与える性別の意識づけが強いのではないか。(p26)

皆さんはインビジブル国の内閣です。政府が国民に特権スコアを通知した後、この特権スコアは主にジェンダー格差が影響していることがわかりました。インビジブル国のジェンダー格差をなくすためには、どのような施策をとるといいと思いますか。

・特権スコアの通知と共に、特権に当てはまる全ての項目を国民に提示することで、お互いが特権があるからできていたこと、特権が無いからできていなかったことを知らせる。これにより、自身のマイノリティ性とマジョリティ性に気付くことができる。
・ジェンダーの格差においては平等な機会の創出を図る。

やってみて

「スコアが高い・低いとは一体?」こんな問いからスタートした私は、日頃自分が持つ特権に気付かず生きていたのかもしれない。
今まで見ていなかったドアが急に目の前に現れた感覚。



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