![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77349975/rectangle_large_type_2_7b45ed33a89b6b89c3563c7671fa5a1d.jpeg?width=800)
俳句日記 ①
りっしんべん書きて春霖窓を落つ
雨が降っている。
いつまでも止まない、長い雨だ。この季節の長雨を春霖というらしい。
結露して曇った窓に誰かが触れ、そこだけが透明に外の世界を写している。窓の外側を雨粒が垂れていく。
水滴の塊の落ちていく軌跡が、何か文字を描いているようにも見える。
りっしんべん。
ふと、そう思った。人間の心を表す漢字の部首だ。
りっしんべん。
この雨はどこに落ちていくのだろう。
雨が降っている。長い雨だ。
心にまで染みてきそうな、長い雨なのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?