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私の正義の話 その3

日本の社会でのストレスやプレッシャーは想像以上に私を消耗させた。
外資系と言っても働いているのは所詮日本人ということ。
傷病手当は当然の権利だから今まで働いてきた分きっちり休ませてもらうつもり。特に国家資格のいらないプレッシャーのせいで私は苦しんだのだからその代償として権利は当然きっちり行使させてもらう。
やはり日本は私のような優秀な人材が生きるにはせせこましすぎることは十分証明された。

そこで傷病手当を使ってアメリカへ行くことにした。
こういうときのために男友達はキープしてあるのだ。
私が行くとなればNoなんて言うはずがないし言わせない!
私がパパに借りてもらっていたマンションがたまたま空いていたので借りさせた。以前と同じ、いつも通り!これでまた私にふさわしい暮らしに戻れる。
だけど一つだけ問題があった。それは私の薬!いつも飲んでいる薬は薬事法の関係でアメリカでは手に入らないことが分かった。私はいつも通りがいいの!あの薬が飲みたい飲みたい飲みたい!なんでアメリカで手に入らないの?こういう時の為に私の頭脳はある!策を考えた!

薬は日本で掛かっている医者であればいくらでも出してくれた。そこでお医者様に相談したところ、代理で受け取りに来るならその人に渡してくれるという。その病院の近くには弟の職場があった。天啓だ、やはり神様は私の見方なのだ!
弟に定期的に薬を取りに行かせて日本からアメリカに送るように指示した。弟は「薬事法が」だの「毎週荷物を送るのは大変」だの「違法性のあることはしたくない」だの文句を言っていたけれども私を誰だと思ってるの?私がお願いと言ったら絶対!今までみんな素直に聞いてきたのに何であなたは反論するの?私が言ったら実現させる!それは今までもこれからも変わらないの!だから「飴でも買って食料品として送る荷物の中に薬を入れるように」と厳しく言った。ついでにママにも時間があれば薬を取りに行ってくれるようにお願いした。私のお願いはみんな必ず従うの!それが当然!!

日本のゴールデンウィークに当たる連休をすっかり忘れていて、その時たまたまお薬を飲みすぎちゃって手持ちが心細かった。早速薬を手配するようにお医者サマにお願いした。逆算したら今日今すぐに薬を受け取ってそのまま八重洲の郵便局からEMSで送ればちょうど間に合うことがわかったからすぐに弟に指示を出してやった。
そしたら39度以上熱があって動けないとか言いだしたからビックリ。
動けないって何?電車に乗れば休めるんだから駅まで頑張りなさいよ!病院から八重洲までだってタクシーを使えばすぐでしょ?
私の薬がないのよ?何度お願いをしても「吐き気がする」だの言い訳ばかり。使えない!本当に使えない!何なの!?
すぐにパパに電話した。パパは地方にいるから薬は受け取れないっていうけどインターネットで探して買うくらい出来るはず。有名な薬だから誰かが販売してるはずなので探してもらうことにした。でも時間が掛かる。どう計算しても間に合わない!私の薬がない!!どうしてくれるの?弟が動けばそれだけで解決する問題でしょ?こんな簡単な問題でなんで私がこんなに苦しむの?だんだんイライラしてきたからもう一度弟に電話をした。私が薬を必要なの!と強くお願いをした。熱が下がらないとか言いながらもようやく動く気になったらしい。どれだけ人に手間と心配をかけさせるのだろうか理解に苦しむ。
薬は私が計算した通りに届いた。
指示待ち族は使えないけれども世の中には指示があっても動けない人間がいるようだ。そうした人間をきちんと管理して動かすのは本当に大変だ。

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