チームを優勝させるための監督人事とは~中日の次の監督は誰が良いか?~

2月1日のキャンプインまであと数日と迫ってきました。
そのタイミングで次の中日の監督の話をするのはどうかという所ではありますが、昨シーズンが終わってからずっと考えていたテーマだったのでここでまとめようと思いました。

1.中日ドラゴンズの現在の状況

昨シーズンの中日ドラゴンズを簡単に振り返ります。
56勝82敗5分 勝率.406で2年連続の最下位
2022年が66勝75敗2分 勝率.468だったのでより弱くなっています。
立浪監督を擁護する声として多いのがチーム再建中だから仕方ないというものです。
しかし、22年よりも23年が弱くなっているのでなかなか擁護するのは厳しいです。

立浪監督ははっきり言って有望な監督では無いと思います。
では、次誰であればよいのかという部分がはっきりしません。
福留孝介や山崎武司、山本昌という声も挙がりますが、優秀な監督である証拠、実績が何もないので同じ状況になる可能性は十分あると思っています。

そして感じるのが中日は立浪に限らずここ10年程度ずっと監督人事を間違えている気がするので、改めてどういう人事が良いのかを考えてみます。

2.21世紀の優勝経験監督を振り返る

次の監督をだれにすればよいかというテーマについてはいろんな人がいろんな考えを持っていると思います。
しかし、その多くが現役時代の活躍を基にしたもので、感覚的です。
改めて誰にすればよいかを考えるにあたって、過去のNPBの監督人事を振り返り導き出すのが良いと考えています。

21世紀、つまり2001年以降で初めて監督に就任し、優勝経験がある監督を洗い出してみました。(2004年、2005年のパ・リーグはレギュラーシーズン勝率1位のソフトバンクが優勝したとします。)

セ・リーグ
原辰徳
落合博満
岡田彰布
真中満
緒方孝市
高津臣吾

パ・リーグ
伊原春樹
ヒルマン
渡辺久信
秋山幸二
栗山英樹
工藤公康
辻発彦
中嶋聡

セ・リーグ6人、パ・リーグ8人の合計14人です。
この14人をもう少し分解します。

分解の仕方としては監督になる前にコーチや2軍監督などの現場経験があるかどうかというのものです。

現場経験あり(11人)
原辰徳
岡田彰布
真中満
緒方孝市
高津臣吾
伊原春樹
ヒルマン(ヤンキースのマイナーで監督経験あり)
渡辺久信
秋山幸二
辻発彦
中嶋聡

現場経験なし(3人)
落合博満
工藤公康
栗山英樹

優勝を経験した監督の中で監督就任前に現場経験がなかったのは、何と3人のみでした。
この時点で現場経験が無い人が監督に就任することの難しさが理解できるかと思います。
そして立浪監督だけでなく、公認候補として名前が挙がる、山本昌、山崎武司、福留孝介であっても同じ結末になってしまう恐れがあるということも理解できると思います。

さらに現場経験が無く監督になった3人をもう少し分類します。
分類方法は引退してからの期間です。
落合と工藤は引退後、5年程度評論家の活動をして監督に就任しています。
一方、栗山は1990年に現役引退し、2012年に日本ハムの監督に就任するまで22年の期間が空いています。
つまり、21世紀に初めて就任した監督で現場から10年以上離れて優勝した経験があるのは栗山英樹ただ一人なのです。

中日球団が立浪和義に優勝を求めるというのは、彼が球史に名を残すレベルでの名将でなければならなかったと考えれば、今の現状は決して監督だけの責任ではないと考えられます。
中日は監督という専門職を軽く見すぎていたと言わざるを得ません。

立浪以前の監督も、落合以降は監督しての資質に疑問符がついていた高木守道、当時現役選手だったので当然指導者経験が無い谷繁元信、コーチ経験は3年間他球団の楽天のみという与田剛と勝つために最善だったのかと言われるとそうとは思えない監督人事を行っています。
また、谷繁の休養後に監督になった森繁和も長期目線で監督になったというわけではありませんでした。

3.監督人事についての考察

21世紀以降の優勝監督を振り返りました。
改めての考察ですが、優勝するための監督人事については以下のパターンがあると考えています。

①優勝経験監督を連れてくる
巨人や阪神がうまくいったケースです。
巨人は2006年、2019年と2度原辰徳を復帰させました。
そして巨人は原政権下では必ず1度以上優勝しています。
阪神も岡田監督を15年ぶりに復帰させて、リーグ優勝、日本一を勝ち取っています。
逆に中日は連続Aクラスが途絶えた2013年に落合博満を監督復帰させず、長い低迷期を過ごしています。

②現場経験の長いコーチ、2軍監督を監督に昇格させる
このケースは結構多いと思います。
そのチームのファンであれば知っている内容かもしれませんが、コーチや2軍監督から監督に昇格し、優勝した人はコーチ歴が思ったより長い人も多いです。
例えば真中満は2015年のヤクルト優勝監督ですが、2009年からコーチをやっていたり、同じヤクルトの高津臣吾も2014年からコーチをやっています。
また、西武の辻発彦は例外ですが、同じチームに所属し続ける人が監督になるというのも効果的です。
原辰徳や岡田彰布はまさにコーチ時代から引き続いて監督になって優勝しています。
youtubeでは岡田が2003年圧倒的な勝率を誇った阪神が翌年うまくいかなくなる兆候に感づいていた証言がありました。
これは評論家など外の立場だと難しい部分があったと思います。

チームを優勝させるための監督を選ぶ方法は①あるいは②しかないと感じています。
先ほど挙げた落合、工藤、栗山のような天才はそんな簡単に生まれるものではありません。

4.では、次の中日の監督は誰が良いのか?

さて、ここまで色々述べましたが、中日の次の監督を誰にすればよいかという課題が残っています。

先ほど触れたように過去の優勝監督を見ても、現場経験が無い人は失敗する可能性が高いです。
しかも、名前が挙がる山崎武司は10年、山本昌は8年引退後時間が経過しています。
先ほどの3人であれば引退後一番時間が経過していない福留孝介が最も良いと思いますが、ベストではないと思います。

では、誰が良いのかについてここから書いていきます。
まず、優勝経験がある人ということだと真っ先に思いつくのが落合博満です。
ただ、高齢となったこともあり、引き受けてくれるかという点は何とも言えません。

次に考えられるのが、監督として複数回優勝している工藤公康や緒方孝市ですが、現役時代から何の縁もゆかりもないチームの監督をやってくれる可能性は低いと考えられます。

そうなると現場での経験が豊富な指導者ということになります。
私は現役引退後に1,2軍両方でコーチを経験してきた荒木雅博が良いと考えます。
しかし、昨シーズンを最後に荒木は中日を退団することになってしまいました。
現役時代からずっと継続してユニフォームを着ていたこともあって荒木監督というのは今の中日にとって最も良い人事だと思っていたので非常に残念です。
もし、来年となると1年のブランクはありますが、まだ間に合うと思っています。(思いたい・・)

または、現在全日本の監督をしている井端弘和も良いと考えています。
井端に関しては巨人でコーチ経験もあり、今回全日本の監督を経験するので経験者として迎え入れても良いと考えています。

いずれにしてもアライバコンビが次の中日の監督には適任というのが私の考えです。

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