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第一章(2) 「悪魔」


いつものように洋子ちゃんと遊んでいたら

「お医者さんごっこをしよう!」

と言われ、素直に頷いた。


お医者さんが使うものの玩具のセットを洋子ちゃんは沢山持っていて、よくみんなで遊んでいるからワクワクしていた。


しかし、その日は違った。



「心臓の音が聞こえにくいから洋服脱いでくださーい」


玩具の聴診器を持ち、先生役をしていた洋子ちゃんが笑顔で言ってきた。


まだ幼かった私だが、どこか違和感を感じた。
洋子ちゃんの表情がいつもと何となく違う…



「脱ぎたくない。いつものお医者さんごっこがいい」




そう言うと、、無理矢理 服を脱がされた。
イヤだ!と言ってもチカラに勝てない。
そのまま押し倒されビックリして。


そして…

色んな場所を舐めだしたのだ。

身体全体の色んな場所を…。

それだけではなく手が…私の身体中を這いまわった。

何をしているのか分からなかった。
怖くて声が出ない。

イタイっ!



あまりの痛さと恐怖に耐えれず
幼い私はわんわん泣き出した。


泣き出した私に驚いたのか洋子ちゃんは慌てて服を着させようとする。



「どした?」


部屋のドアが開き、そこには洋子ちゃんのお母さんがいた。


知らない間に仕事から帰ってきてたらしい。


「洋子!?なにしてるの!!」


おばちゃんは洋子ちゃんを私から突き放し
泣きわめく私を見て
「ごめんね、ごめんね」と言いながら服を着せてくれて。

その時に自分から赤い血が出ているのを見てまた泣き叫んでいた。


何度も何度も謝りながら泣き止まない私を抱きしめるおばちゃん。


洋子ちゃんはうずくまっていて顔は見えなかった。

私はとにかくそこから出たくて…早く家に帰りたかった。



「お家まで行くから」
と言い家の近くまで車で送ってくれ、ふと見たらおばちゃんはまた泣いていて…


なぜか分からないけど私は「大丈夫。1人でお家入る」と言っていた。




「今日のことは言わないでくれるかな…」



私は静かに頷いた。


涙ばかり溢れてきてなんて家族に言っていいのかも分からない。





大好きなお姉ちゃんが、大嫌いになったその日。




彼女は自ら命を絶った。



(続)



架空の人物名です。


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