共感的音楽論

 映画と同じようなことは、音楽との出会いについても言えるように思います。
 ただ音楽の場合は、映画のようにイメージを結ぶというよりも、もっと身体的で直接的な体験のような気がします。
 音楽の場合の体験は、より”出会う”ということに近いような気がします。
 その瞬間、今まで聴いていた曲は身体の内で響いています。
 それはもう好みの問題ではないのです。わたしはニュートラルなところになっているのです。実在不可能なニュートラルな場所に連れ戻されたように。
 日常の慌ただしいプラスやマイナスといった気分の入れ替りに紛れて、生の大きな目的の目の前で、わたしは散り散りになっていくことができているのです。
 そして、音楽との出会いの場面では、それをその時に身体で感じられているということです。


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