共感的映画論❄映画『コンドル』
この映画が製作されてから、もうかなりの年月が経過しているが、今でも、映し出される映像から、思いがけず新たなニュアンスが息づくような感覚をおぼえることがある。
映画を観ている者は、自分の日常の現実のイメージの向こうに、映画の構成やストーリーの展開などによって作りだされる”映画の現実”といった、もうひとつの現実のイメージを、瞬間瞬間に作りあげていく。
いつのまにか、ある場面の、”そこ”の冷たい空気を深く吸い込んで、気がつけば、主人公の目を通して、”そこ”の薄汚れた裏路地に