村上春樹で英語を極める~世界の終りとハードボイルドワンダーランド~(4)
4 世界の終り (図書館)
【要約】
街の中心にある、旧橋、広場、時計塔、図書館が描写される。門番に、古い夢を読むのがこの街での仕事だと言われ、両眼球にしるしをつけられる(痛くはなかった)。これから日の光を見ることはできなくなる。命じられるまま図書館に行くと、「夢読み」の世話をしてくれる女の子がいる。どこかで会ったような気がするのだが、どうしても思い出せない。明日から仕事をすることになり、「僕」は街路を歩き西の丘にある宿舎に向かう。
【英語表現】
ここで、”minds" という語に少しひっかかる。僕のメンタルレキシコン(心的辞書)からは、まず「精神」「心」という意味が引き出されるが、ここは動詞である。次の候補は、「~するのを気にする」 ( Do you my mind smoking? という意義であるが、これも文脈にあわない。そこで、この語の中心的意味 ( core meaning )は、「心:気にかける」で、文意は「この場所(図書館)を一人で世話をしている」であろうと考え、原文にあたる。
「番をしている」 なるほど、この日本語表現を mind the place と表現したのか、納得である 筆者の考えも間違ってはいない。Weblio 英語辞書にあたると、動詞語義の4番目に「~の世話をする、番をする」(Mind the house [ children ] while I'm out. 私の留守中家 [子供] の番をしてくれ)とあった。
mind もかなり幅広く意味拡張できるのだと気が付く。
ここまできて、イギリスの地下鉄のアナウンス "Mind the gap"(段差に注意) を思いだす。
その語の持つ、コア的意味をはっきり把握することの大切さを再確認した。
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