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あなたとの日々、あなたとの部屋

あなたとの日々
あなたとの部屋

こんな曲を聴きながら、私が思い浮かべる彼。

あなたとの部屋なんて存在していないのにね。

わたしが大学生になって一人暮らししたら、いつでもおいでって言ってたあなたの部屋には私は結局住めなかったね。

「受験が終わったら、いっぱい出かけようね。それまでは勉強を頑張んなきゃね。」

懐かしい言葉が今でも蘇る。

進学のせいで引き裂かれたなんて言いたくはないし、そんなことがなくても離れていくのは必然だったのかもしれないけど、物理的距離は確実に私たちの心の距離も引き裂いた。

近くに住んでいたら今でも近くにいられたのかななんて思っちゃう自分がいる。そしたら未来は変わっていたのかな。それとも距離は近くても同じ結末だったかな。

今も近くの学校に通って、近くに君が住んでいたら。近くにいて、空きコマに突然会いにいって驚かせたり、驚かされたり。

一緒に行きたい場所だってたくさんあったし、一緒に行こうねって言ってた場所はまだ行けていないよ。
そんなこんなでもう一年経つんだ。時の流れって早い。



四月。
離れた場所で、なかなか会えなくても、こまめに電話をくれて、どんなことがあったとか、どんな人と出会ったとかなんでも共有してくれたから寂しくはなかった。

だけどどんどん違う世界に進んでいくその過程がありありと伝わってきて怖くなった。

遠い人になっていくなあ、なんて呑気に思ってて。

だからって別に嫌いにはなれなかったけど、確実に未来は消えたのを感じた。

ああ、重なっていた時の流れは分岐して、お互い違う世界に踏み出したんだって。これが成長なんだろうけど、悲しいって思いながら離れていくことを見逃すことはできなかった。

一人暮らしの寂しい部屋。まだ慣れない大学生活。

心の支えとしていつも通り当たり前のように夜通し通話して。アドバイスをくれたり、一緒になって悩んでくれたりして、一人暮らしの寂しさなんて感じる暇もないほど、距離なんて感じないほどの日々を過ごしてた。

その時は確実に、まだ超好きだった。し、向こうも向こうで好きだったはず。

五月。
サークルやら勉強やらバイトやら、お互いの生活が充実していくのに伴って、通話さえする暇なくなった。

私も、そんなことより友達と夜まで出かけたかったし、遊んでいる時にラインが来てても何時間でも無視したり着拒したりもしたけど、別に嫌いなわけではなかったんだけどな。

伝わりはしなかった。お互い様だし怒るわけではないけどだんだんどうでもよくなってきているんだなっていうのが伝わってきていたし、相手にも伝わっていたと思う。

面倒な女だから強がってみたり、こっちこそ嫌いだよとかもう知らないとか言って。

本心なんてどこにあったのか今になってもわからないけど。

会いたかったし、会いたいって思っていて欲しかったのにそんなこと言えなくて。お互い頑張ってこ。っていうのが結論だった。

結局本当に向き合えていた頃の感じでは全くない上部だけの話をするようになってそんな会話全く面白くなくてこんなことに時間を使うくらいならいっそ完全に断ち切りたくなって。

わがまま言って断ち切ったくせにそれはそれで私の方が寂しくて引きずってて悔しかった。自分の方が傷ついている。なんなんだ。

どうせ向こうはすぐに新しい恋をするんでしょうね、とかうざいなとか思ってた。

だって絶対モテるもん。

完全に縁を切るわけではなくて、友達に戻った。と言っても、しばらくは連絡も取らなかったけど。

しばらくして共通の知人、共通の友人らがたくさんいたからなんだかんだで大人数でまた集まる中でほとぼりも冷めてなんとなく仲良くなった。

そちらはどう?

こちとらそれなりに楽しく生きてますよ。

時間が解決してくれたように見えても今でも私の中ではまだ消化しきれてないのかな。とか思ったけどいや別に好きではないなとも思う。

まあとりあえず別にこの人のことがまだ好きだとか未練があるとかいうわけではなくて、新しい出会いがないから過去に執着して過去を美化してるだけなんだよねきっと。

恋愛してる自分に憧れちゃってる。

好かれていた、愛されていた自分に自分を肯定させようとしている。よくない。

恋愛の痛みは恋愛が解決してくれるなんて言うから、恋、しようかな。

そんなこと考えていてもできないのはまだ好きだった彼のことを忘れられていないからなのかもしれない。

2年間にいまだに縛られているのかもしれない。

なんか悔しー


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