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実家に帰る度に、認知症を患ってる母は「もう帰ろうと思う」と言います。
「ここがあなたの家じゃないの?」と言うんですが、「もう(ここには)居られない」の一点張り。
父とうまくいってないんでしょうね。
父は認知症ではないのですが、年を追うごとに耳が遠くなり、会話好きの母が話しかけてもウンともスンとも言いません。
「無視された」と感じる母が堪りかねて、私に言うセリフが「もう帰ろうと思う」です。
認知症になると子どもの頃の記憶の方が鮮明になるというので、まあこれも仕方ないことだと思うようにはしてますが、でも私自身のその「小さい頃」を否定されてるようでもあって、やっぱりちょっと悲しいですね。
だってそうじゃありませんか?私と多くの時間を過ごしたその「家」が、母にとっては「家」ではないということですから。
こんなことを話すと、みんな「もうちょっと寄り添ってあげなよ」とか「そこはサラッと流せばいいんだよ」とか言うんでしょうね、きっと。
でもそれができない人もいて、認知症の人だけじゃなく、その人たちも苦しんでいるんです。
私なんかまだまだマシな方ですけど、その苦しんでる人たちにも優しい国であってほしいなと心から思います。
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