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自立援助ホームに出来ることって…

人並みに生活したい、ちゃんと学校に行きたいし、自立したいと思っているのに、まだ見ぬ先への不安に襲われ、そこから逃げたくて衝動性に勝てない子たちに、援助ホームで出来ることには限界があります。

本人なりの正義で立派なことを主張してても、それでどうしたいの?と聞くと本人もよく分かってなくて、混乱しまくる。

自分とつるんでくれる人にすがりたいから、悪影響でしかない友達?の言いなりになり、どんどん自分を不利な状況に追い込み自爆。

精神科病院みたいに、鍵付きの部屋に閉じ込めて落ち着かせるなんて事を援助ホームで出来るわけもなく、飛び出していってしまえば私たちにはもうどうしようも出来ない…。

頭が散らかって混乱してしまっている子には、援助ホームのような自由度の高い施設は無理があるのだなと感じる日々です。


病院勤務して感じるのは、特性が強く出てる人たちは、入院したり、一時保護所のように制限のあるところでだと、落ち着いて過ごせている事が多いという事です。

もちろん制限されている事に不満はあるし、早く退院したいと言いますが、その反面入院したことでホッとしたような表情をします。

そして、退院したらあれをしたい、これをしたいと楽しみにしていても、いざ退院すると自由すぎて何をしたかったのか分からなくなってしまうのか、あっという間に崩れて苦しい状況に陥ってしまう…

なので、自立援助ホームALPは「決まった時間に起き、日中は活動し、決まった時間に寝る。」というルールを大事にしています。こういう規則正しい生活をしているとメンタルも落ち着いてくるからです。

ですが、外に出ると沢山の誘惑と情報に振り回されるので、ルールを守るには自分なりの強い意思が必要になってきます。

結局、強制力のない自立援助ホームが出来ることは、本人の秘めている力を信じ「失敗してもやり直せるからね」というメッセージを伝え、変わらない規則正しい生活を提供し続ける事だけなのだなと思いました。


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