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ご機嫌取りに慣れた子どもたち

こんにちは、ALP港南台です。

子どもの権利擁護」が声高に言われるようになり、子どもたちの間にもかなり浸透してきたという印象を受けます。
痛ましい事件も多い中で、子どもたちを守る為にも、子どもたち自身が、自分たちの権利を知るべきであり、そしてその事を大人は伝えていかないといけないと思っております。

しかし一方で、子どもたちの主張を聞いていると、違和感を覚える事が少なくないのです。
権利を履き違えて解釈し、「ただの我儘では?」ということも、権利を盾に主張してきます。
ベテランのセンスの良い支援者は、毅然とした態度で、権利と我儘の違いをしっかりと伝え、正しく子どもたちを導いてくれるのですが、経験が浅く、若い支援者だと、権利と我儘の違いを見極められず、支援者自身が混乱していきます。

支援者の研修では、子どもに寄り添い、傾聴、共感、受容がいかに大切かを叩き込まれるので、若い方達は、その教えをしっかりと実践しようとしているのだと思います。
その為、子どもたちに寄り添わなければと、必死になって、子どもたちの話に耳を傾けます。
ですが、その結果、子どもたちの話を聞き、寄り添うことが、子どもたちのご機嫌取りのような事になっている事があります。

支援者の中で、子どもたちの喜ぶ顔が見たいという思いから、行事を企画したり、食事に連れて行ったり、プレゼントをしたり、とにかく子ども達を喜ばせたいと一生懸命になりますが、こちらが期待するほどの反応はなく、ご機嫌取りに慣れているせいか、してもらうのは当たり前というような雰囲気が見え隠れします。麻痺してしまっているのかもしれません。

また、ご機嫌取りに慣れている子どもは、自分の意に沿わない事があるとパニックに陥ります。
社会に出て、今まで通ってきた主張が通らないとなると、混乱し、引きこもり、社会から孤立していってしまいます。

子どもたちの幸せを願って、一生懸命支援しているはずなのに、このような結果になってしまうのはやりきれません。

自立への近道となるもの

私たちのホームでは、入居前の面接時に、入居後の生活ルールをしっかりとお伝えしています。私たちの態度がブレないように心がけ、契約を交わしています。

私たちが子どもたちに絶対に守ってもらっていることは3つです。

  • 朝決まった時間に起きる。

  • 日中は学校に行くか、働く。

  • 門限を守る。

私たちは「この3つは絶対に守って!」という態度でお伝えしています。

「みんな違ってみんな良い」のは言うまでもありませんが、子ども達にとって、人並みに自立をできないのはメンタルに大きなダメージを与えます。

「自立できる」ということが、心のケアの近道だと実感しています。

支援者も強くはないので、子ども達から「優しい」「大好き」などと言われたいものです。
「〇〇さんのおかげで救われた」などと言われると支援者冥利に尽きます。

そんな思いは百も承知ですが、子どもの将来を考え、自立の後押しをするには、支援者は嫌われてなんぼというところがあるのではないでしょうか。

社会から孤立しないように、自立して自信をつけられるように、ご機嫌取りはやめて、しっかりと子どもの主張を見極めて、時には嫌われる事が必要なのだと思います。



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