「やりたいことをやる意味」楽しい気持ちが周りをハッピーにする
50歳からは、やりたいことをやって無理せず生きよう
最近、この言葉をweb記事や雑誌のあちこちで目にするようになりました。ちょっと先を生きてきた私にとってもまさに悲願。
そもそも「自分がやりたいこと」って何?
残念ながら何も浮かんできません。
今さらやりたい仕事もないし、趣味も、心惹かれる推しもいない。
20年間主婦だった私がパートに出たのは、働かないことに罪悪感を感じたからです。
「どんなことがやりたいの?」と考えましたが思いつかなくて。利用していたお店の子供服売り場のパートさんがいつも穏やかだったので、こういう仕事なら続くかもと思ったんです。
同じ衣料品でも入ったところは紳士服、どんどん人が辞めるので常にピリピリした訳あり部門。売り場に出て感じたのは
「まるで伏魔殿じゃんっ」
肌で感じられるほどオーラが澱んでいて、笑顔もひきつるほど空気が重い。
こりゃアカン、マジできつい…
自分と同世代の子育てを終えた主婦が、くどくどと説教することにも驚きました。人を叱ると自分も嫌な気持ちになるものですが、頭ごなしに正論を並べてドヤ顔するって、どういう子供の育て方をしたんだよって。
それでも、まだこれくらいはマシな方。社員とは普通に話せたし、有給も取れて雇用保険にも入れて。昨年はついに、ただの労働力としてこき使われる職場を経験しました。
5時間ずっと立ちっぱなしでトイレに行くのも許可を取らなきゃいけない、3時間ずっとパンを袋に詰め続け、排水溝をタワシでこすりながら、自分は一体何をやってるんだろう……そもそも人として扱われているんだろうか、ひょっとしてこれが使用人という立場なのかも?
使用人って明治時代っていうか、もはやファンタジーじゃんっ
仕事の初めに「やればできる!」(やればできる!)
「社会のために働こう!」(社会のために働こう!)
とみんなで大声を出して士気を高めるのも信じられないし、企業理念を読み上げ、「社会の役に立つことが私たちの喜びであり……」とくり返していたドラッグストアも、今思えば軽く洗脳されていたような気が……
やりたいことをやるという以前に「いくら仕事を得るためでも、生きることが哀しくなるようなことは止めようっ」
やっぱり大事なのは人間としての尊厳性ですよね。そこが尊重されないと幸せを感じられません。
そのうち定年になれば新人に戻る
仕事を辞めてしまったら何歳であろうと新人に戻ります。どんなに高い役職についていようと、定年後に再就職すればただの老人。
若い人は怒るとすぐに辞めてしまうので、頭ごなしに注意されるのは昭和の厳しさを経験した人たち。
「数は多いし、辞めても次が入ってくる、少々言っても大丈夫」って、そんなわけないじゃんっ。いい歳をして人に怒られるってかなりしんどいです。
それなら新規オープンの職場がいい!
というわけで実際に3回、新規オープンのお店で働いたんですが、結局は同じでした。新規オープンだろうときつい性格の上司はいます。そういう人は経験もキャリアもあるので、年上の部下になめられまいと気を張って怒鳴りまくる。
そうなると、探すべきは、自分の経験してきたことを活かせる場所
やっぱり大切なのは、どんな時にも落ち着いて堂々としていられることですよね。やりたいことをやるには、遠慮せずに自分を出せる環境が必要不可欠です。
なので何よりも、自分を人としてを尊重してくれる環境こそが重要なのではないでしょうか。
「やりたいことをやって生きる」と言っても、やる気があれば実現するわけではなく、どんなにやりたくても周りに睨まれたら終わりです。気持ちが折れそうになるのはよくある話。
自分はどうして今まであんなにオドオドしてたんだろうと考えてみると、やっぱり周りから圧力をかけられていたんですよね。表情や態度に脅されて不安にさせられていたというか、子供扱いするような態度を取られて、すっかり気力を失っていました。
人のやる気を削ぐのに効果的な方法があるとしたら、薄笑いを浮かべながら「それで?」と言うことかもしれません。笑われると、それ以上は言えませんから。見下したような態度も効果的。そんなことをこの歳で改めて実感するとは情けない話ですが、この6年間、仕事を早く覚えれば覚えるほど、自分の気持ちを大切にすればするほど、冷ややかな視線を感じていました。
どうしてこんなにも周りに気を遣って、自由に言葉を発することもできないのだろう。
それは、それ以上やるなという圧を感じていたからです。
なので、職場で自由に言いたいことが言えるとしたら、それは幸せなことです、恵まれています。
もちろん、周りが腹の中でどう思っているのかは分かりませんが、少なくとも態度に出さないなら良識があるというか、ありがたいというか。
文句を言われないうちに、どんどん巻き込んでしまえばいい
それが、今まですごいなあと思った人たちがやっていたことです。自分だけでなく周りの人達にも参加してもらう。
ディズニーランドが楽しいのは、キャストがお客さんを楽しい雰囲気に巻き込んでくれるからで、「気分を上げていこう!」という雰囲気があれば、内容自体は何でもいいんじゃないかと思うのです。要は、楽しむ気持ちがあればいい。
「楽しいこと」というのは、何をするかは大して重要ではなく、どこまで自分が主役になれるか。
プリンセスが沢山いるのも、アイドルがメンバーてんこ盛りなのも同じこと。
特別に何かする必要はなくて、自分が楽しいなら、その気持ちがドンドン広がっていくので、周りも自然に楽しくなっていく。だから遠慮せずに思いっきり楽しめば、その熱気にどんどん盛り上がって自分も周りもみんなハッピー。
やりたいことをやる幸せって、つまりはそういうことなんじゃないかと。
そこに年の功というか、自分だけでなく周りも皆んな主役にできるのが、50代の余裕なのかもしれませんね。
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