お金は貯めておくと、自由で幸福になれる
こちらは、お金を貯めておくことの意義を教えてくれる本。死ぬ時の貯金がゼロ円を目指す書籍「Die with zero」とは逆の立場。両方読むと、自分の中でバランスがとりやすくなる。
「一億円貯まったら仕事を辞める」と思っていても、いざその額が貯まるともっと稼ぎたくなる。それが人間の本能だが、その先には苦しみが待っている。欲を捨て、ゴールを動かすのをやめよう。
「足るを知る」と昔から言うが、人生から得られるものの期待値を下げることが、苦しみを減らす秘訣なのだろう。
お金があることで、選択肢を掴める。それが自由。快楽が増える選択肢(旅行など)も選べるし、苦しみを減らす(病気の受診など)ことも選べる。
人間は、自由を行使し、自分の人生をコントロールしてると感じる時に、幸福になる。好きな時に、好きなことをやる自由。仕事でも、ある程度昇進して任されるようになったほうが、忙しいように見えても自分で進捗をコントロールできるので幸せだという。
逆に言えば、仕事が自分の好きな対象(漫画、ゲーム、ケーキ、何でも良い)に関するものあっても、仕事の進め方が自由でなかったら、とても辛い。よく「好きなことは仕事にするな」と言われるが、それは仕事の任され方が不自由である場合、全然楽しくないからだ。もちろん、ちゃんとスキルアップするなどして自由に任されるようになれば、とても幸せになる。
少し話がそれたが、自由はそれほど人間にとって重要で、さらにお金で買うことができる自由は多い。いざという時に自由を行使できるよう、お金はホイホイ使わずに貯めておくことが本書のメインアドバイスとなる。
これは自我への執着を示す良い例だと思う。自分のことしか考えていない自己中の頭の中は、こんな妄想でいっぱいだ。私もそうだったかもしれない。もっとお金を稼げば、人から尊敬されると。だが、そんなことは無いのだ。
ちなみに人間関係を構築するコツは、強みではなく弱みを見せると良い。積極的に開示するのもよいし、人からなにか指摘された時に強がらずに素直に受け取ることを示すのでもよい。
ひとつひとつミスを繰り返さないよう、きちんと対策をすることは必要だ。だからといって、新しいミスが起きない保証はない。いつだって、予測できないことが起きうると考えるのが、賢い人間のやり方だ。
例えば、投資信託の世界でも、過去の平均リターンなどが分かっている。今後その平均に回帰しつづける保証など、どこにもない。その前提に立って、保有することが求められる。
ここでのラットレースとは、他人と地位財を争う競争だ。お金、地位、名誉、住居・・・様々な点で人は他人と比べがちだ。勝っているとわかると安心するのかもしれないが、次の瞬間にはより上位の存在に気づき、不安になる。終わりはないレースなのだ。
そういった世界にサヨナラを告げ、自由に振る舞えるだけのお金を持てるよう貯金しよう。あとは、非地位財である愛を与えることが、幸せになる秘訣なのである。
以下は、愛することに関する幸福論の参考Note。
ちなみに、以下のように著者は自分を保守的と考えているようだが、現金比率2割は、日本からすると低いのではと感じる。
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