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アドベンチャーワールドの「ホースコーチングプログラム」に参加して気づいた自分のコミュニケーションの偏り

のび太です。2日間どうぞよろしくお願いします。

初日に遅れてきてそんな意味不明な挨拶で輪に加わった私は、想像していた以上にとてもよい経験ができました。

アドベンチャーワールドで2日間のホースコーチングプログラム。

なんやそれと思ったあなた。
私も「馬の研修いくねん」とスタッフたちに言いながらも何も分からず参加してきました。

前回、地球の自分ゴト化プログラムに半分しか参加できなかったこともあり悔しい思いをしたので、そのときに案内のあったこちらのプログラムに参加。

今回もなにも考えずに参加したのだけれど、プログラム全体を通じて「内省」する2日間。「あなたのテーマ」を聞かれたときにすっと出てきた言葉は「自分がどうありたいか」ということだった。

それからはずっとそのテーマに沿って考えたというよりも、その場で感じたことで言葉を紡いでいった2日間だった。

馬に触れる、そのときに自分がどう感じていたか、周りから見てその人がどう感じていると思ったか、馬はどう感じていると思ったか、ひたすらそれを繰り返しながら気づきを共有していくプログラム。

そこではいろんな気づきがあった。

「目の前の馬に集中したい」という自分が発した言葉から見えたこと

あらためてこの日常を離れた場にきても、目の前の馬と自分自身に集中できていないことに最初から気づいていた。それは今日だけではなく、場の空気や全体の流れを自分が人よりも気にする癖があるからだということも分かっていた。

だからこそ、今日は周りを気にせず自分とこの瞬間に集中したいと思っていた。

馬のブラッシングをしているとき、ふと

いま何を考えながらブラッシングしていますか?

と問われ、頭が真っ白になった。

ごめん、ちょっと集中したい

と答えた自分がいた。

そんな私に対するフィードバックの中で、みんなから「とても意外だった」というコメントをもらった。

それまでの感じなら絶対にそんなことは言わないのだけれど、自分がいかにこれまで周囲の関係や場の空気に重きを置いて言動しているのかに気づくことができた。

そんな違和感の中に本質が見える。そんなフィードバックをもらえたこともありがたかった。

ラベリングすることの意味とそれに対するおそれ

この馬はどのような個性をもっている馬か。短時間でこのラベリングする作業が実は自分としてはうまくできなかった。

みんなが「この馬はこんな個性があると思う。」と話す会話にうまく入れなかった。考えていないわけではない。むしろ深く考え続けていた。

そして意見を聞かれた時に「えー!わからん!!」と伝えた。

それもフィードバックの時間の中で、その感情をきちんと伝えられることは大事だとまわりが伝えてくれた。回答を留保する。そこから生まれるものがあることも教えてもらった。

ラベリングすることが意味のあることは分かっている。フレームをつくることで、分類をすることで見えるメリットも十分すぎるほど分かっている。でも気がのらなかった。

研修が終わってから気づいたのだけれど、それは「自分がラベリングされたくない」という気持ちからなのだろう。

だからこそ人や馬をラベリングすることを自分が嫌う。特に内省しているときだったからだろう。
それは自分がラベリングされることに対する反抗心というか、おそれから来るものなのだろうと思った。

素の自分でいたい。

関係性を大事にしているからこそ、「この人と何か一緒に取り組みたい」と思った時の引き出しを増やしたい。

この人いいな、と思ったらまた次に会う理由を探している。プライベートでただ遊びに行くのもいいけれど、仕事の話ができるからこそ持続的に会うことができる。それが税理士だけでは再会できる引き出しとして弱い。

それがでかいうつわという会社にもなっている。

ラベリングの体験からそんな自分を理解できた気がした。

自分のコミュニケーションに不足しているもの

馬と目を合わせてサインを送り動いてもらう体験があった。

ブラッシングでもなく、ロープをつかった引き馬でもなく、馬と目を合わせてサインを送ることで馬と心を通わせる。

自分が最初に出していた空気感は終始「一緒に楽しもう」だった。

そのやり方でもよかったのだけれど、他のメンバーはそれぞれ意図していたことが違っていたのがおもしろい。
2回目に挑戦させてもらったときは、他のメンバーを参考にしてみた。
自分の意図をきちんと汲み取ってほしいという空気感で「真剣さ」を伝えたあと、終わった時には「ありがとう、楽しかった!」という感謝をいつも以上の空気感で伝えた。

ほんのちょっとした自分の心の違い。でも大きな違い。
きっと日常のコミュニケーションでもそうしたちょっとの心の差が大きな差につながるのだと感じている。
どこか言わなくても分かってほしいという甘えが自分の中にある。でも伝えようという真剣さがなければ、やはり思っていることは伝わらない。

馬はどう感じたかは分からない。
でも自分のコミュニケーションのあり方について考えさせられた。

参加者、スタッフ、馬のみんなで一緒になって場を作るプログラム

このプログラムの何がすごいかというと、アドベンチャーワールドの飼育スタッフがすべて進行やファシリテートをしていたこと。

やぶー、がっちゃん、キングの3人にはとてもお世話になった。これだけのプログラムの参加者は内省する力や言語化能力、感じる能力は相当高いと思う。

そんな人たちの内省を邪魔せず、さらに深めるための質問をする難しさは私もよく知っている。いくら知識を身に着けたからといっても、リアルタイムにその場で生まれるものを瞬間的に深めることは集中力も含めて難しい。

それを、日常は馬の飼育をしているスタッフの皆さんが進行していることに本当に驚いた。

のび太さん自身はいいんですか?

スタッフのがっちゃんが深めてくれた質問はとてもありがたかった。

他者との関係性を大事にしている。自分はその中心に一つの軸をもっていなければならないのではないか。そんなことに悩んだときもあった。

この2日間を通じて言葉にしながら考えたことで、自分には引っ張るリーダーシップはない方がいいとあらためて思えた。

自分は関係性の中心ではなく、関係性を包むうつわになりたいのだと。

誰かを支えられる自分でありたい。誰もを支えられる自分でありたい。
誰かの変化に関わりたいし、その瞬間に立ち会いたい。

中心にはないけれど、そこには譲れない思いがある。それが自分なりのリーダーシップなんだと思う。まるでのび太だ。

そんな内省を深めてくれたのも、馬であり、スタッフであり、参加者だった。今回の場は同じプログラムであっても二度と再現できないものだったのだと思うと感慨深い。

そんなみんなからポジティブシャワーとしてもらった言葉もうれしい限りなので記録しておく。

どんな話も最後まで聞いてくれる。タイミングを待ってくれる。笑いのセンスがある。いい男。場が明るくなる。相手との関係性を大事にしている。あつすぎない。おもろい兄貴。愛がある。

馬は言葉を話さない

プログラムを終えてふと印象的な言葉を思い出していると、この言葉が浮かんだ。

馬は言葉を話さないからね。

プログラム監修をされた川嶋舟先生がさらっと言った言葉。

何を当たり前のことを、と思うかもしれないけれど、自分はその時点で1日半馬と接していて、馬が言葉を話すとも話さないとも意識をしていなかった。

そう、そんなことも考えたことがなかった。

自分の中では言語的なコミュニケーションが無意識に当たり前になっていた。これまで非言語コミュニケーションがいかに大切かを考えたこともなかった。

言葉でなんとか問題を抑え込んでいるに過ぎないこともあるだろう。そんな話がとても身に染みた。

分かっているようで、自分は何も分かっていないのだと思った。SILKの大室さんが言う「あわい」や「余白」という言葉も言葉としては理解していたけれど、きっとその言語化できるものの先の話をしているのだろう。

ビジョン作成やビジネスモデルの見える化、数字を大事にすることばかりに最近は着目してきた。それが自分の専門だから、その領域でなければ自分は価値を届けられないのではないかと心のどこかで思っている。

なんてことはない。10年前から何も変わっていない。それが自分の中の無意識のおそれであり、どこかセーブしている原因なのかもしれないなと思う。

それがよくわかった。

でも、このプログラムに「でかいうつわののび太」で参加したことにはとても意味があった。税理士でもfreeeでもSILKでもない、なんの肩書きもない自分でもみんなと対等に話し合えたことに自信を持てた。

それも自分にとってある意味一番楽なスタイルである、素の自分。見えない空気や関係性に重きを置いていることが、とても周りから評価してもらえた。

仕事=プライベートであることが自分の中では当たり前なのだけれど、その感覚が分からない若い世代の子と真剣に話せたのもとてもよい経験だった。みんな若いのに言語化する能力が高くてとても刺激的だった。

また、すごいなと思う経営者と出会えたこともよかった。率いている人数が全く違うのだけれど、だからこそリーダーシップのスタイルやお互いのくせについて、お互いがいたからこそ対話を深めることができた。

このプログラムの監修者の一人、ホースクリニシャンの宮田さんの記事を帰りの電車で読んでいてよく理解が進んだ。

振り返ると書き残したいことが多すぎて長くなってしまったけれど、また参加したいと思えるくらい素敵なプログラムなので、おすすめです。

何より楽しいよ!




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