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起業研究室をはじめたいきさつと今考えていること|起業研究室の研究1

先日から梅田のコワーキングスペースONthe UMEDAと共同企画で「起業研究室」という起業を考えている人向けの講座を開講しました。

第1回目の演習が無事に終了。

が、全然時間足りんわ。

どうしても平日夜の開催ということと、昨今の影響もあり90分が限界。

ということは最初から分かっていたので、集合研修を拡大して、こうしてオンラインで起業研究室の内容を広くお伝えしたり、またオンラインからフィードバックをもらったり、オンオフどちらでも個別相談にのったりを含めての起業研究室。

なので、まずこの起業研究室をはじめたいきさつと今考えていることをnoteに書くことにしました。

なぜ起業研究室をはじめることにしたのか

はじまりは、オンラインでフリーランス向けの勉強会をしていた内容で好評だった「はじめての経営計画と予算のお話」という内容を、オフラインで具体的な作成まで支援できないかと考えていたところから。

小手先の経営計画の「作り方」を渡すのではなく、どのようにでも展開できる「考え方」を渡したい。そのためのフレームは最小限にする。
その「考え方」は今回のように外部環境が大きく変わろうが乗り越えていくためのヒントになる。起業の初期にこうしたことを考える癖をつけておくと、それはきっと財産になる。

そんなセミナーをONtheで開催したいと話したら、よければ共同企画でやりませんか?と提案してくれたので、うちとONtheだからこそできる企画にしようとあれこれ考えました。

ちょうどその頃、ONtheのスタッフakieさんの起業相談に乗っていた会員の臨床心理士・産業カウンセラーの佐藤浩さん、DXプロデューサーの塩田透さん、そして私。

荷物を囲まれ、逃げられなかったこともあったな。

ONthe会員がちょっとした相談に対して、お互いの知識や経験を活かして支援し合うという緩やかな関係性がとてもいいなぁと感じていて。

ONthe のコンセプトはRNS(Real Network Space) 。ふらっと立ち寄り、出会い、繋がり、そして拡がる。自身の可能性をさらにアップデートできる、そんな仕掛けが詰まった大人の居場所。共に働き学び合い、共に悩みについて語り、共に未来について妄想する。

そんなコンセプトに沿った起業支援プログラムができないかと考えていたとき、ふと私がコーディネーターをしている京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)で主催した「働き方改革チャレンジプログラム」を思い出した。

「よくある専門家派遣の働き方改革支援ではなく、SILKらしい新しい働き方支援を」そんな無茶ぶりにみんなで考え抜いてつくった対話と実践のプログラム。

経営者、社員、伴走支援者がそれぞれ業種も規模も違う7社でミックスして同じテーブルについて対話し、先進事例を聞いたり、各社の実践をサポートしながら進めていくプログラムで、とても革新的な方法だったと感じている。

そんな「気づき」と「実践」をサポートする起業支援プログラムならワクワクする、というところから「起業研究室」に繋がりました。

みんなでつくる学び合いのRNS(Real Network Space)

起業研究室の1つ目のポイントは、ONtheのコンセプトRNS (Real Network Space)の要素を含めること。
ONtheでは、ふらりとした立ち話からいろんな新しいことが生まれていて。とてもいい環境だと感じている。

3回のプログラムを設定するなら、下のような構成を考えました。

・ビジョンを描く
・ビジネスモデルを練る
・マネタイズを設計する

自分の想いをどのように持続可能な形で届けるか。

起業においてはこの3つの要素について仮説検証を立てて、ひたすら速く回転させることが何より大事だと思っていて。

全体の支援を自分がすることもできるのだけれど、臨床心理士の佐藤さんの方がビジョンやキャリアについて考えを引き出すプロ。DXプロデューサーの塩田さんの方がビジネスモデルでは私が考えつかない視点もっているプロ。
そうしたONthe会員の力を借りる方が、よほど良い学び合いの場ができると考え声をかけると二人とも2つ返事でOKをくれました。最高やん。

私にとっても普段接している視点と全く違う2人から話を聞くことで視野が広がるのと、「おもろいことをやろう!」と言って前のめりで関わってくれるのがありがたい。
教える側にとっても、そうした学び合いの関係性が生まれるように起業研究室を考えました。

個別の事例に伴走する

2つ目のポイントは、プログラム自体で個別の事例に伴走すること。ONtheスタッフのakieさんは起業準備中で、参加している研究生のみなさんより少し先を行っているかもしれない事例。

抽象的な話よりも、目の前の1人の起業準備を応援し、自分の起業に対してフィードバックする方が深い洞察を得ることができるし、何より体験として頭に残っていく。

私達としてもakieさんがみんなの前で話をすることで、また多くの視点でフィードバックを得ることができ、彼女の起業アイデアが磨かれていくと感じている。それだけでも少なくとも彼女1人のためにこのプログラムを開催する意味がある。

他人のことはよく見える。それを今の自分自身に反映させる。

そこでまた研究生のみなさんもモヤモヤすることがあれば、3回の集合研修の間に個別相談の時間を設けているので、是非使い倒してほしい。
1回よりも2回、3回と人に自分のアイデアを話すことで、必ず起業アイデアはより良いものになる。そうしてそれぞれの事例に伴走する準備を全力でしています。

アントレプレナーシップを育てる

そして大事なことは、3回を終えて今はまだ起業のタイミングではないと思えば、まだ起業すべきではないということ。会社員を続けながら引き続きビジョン・ビジネスモデル・マネタイズについて考えたり、アイデアを温めたり、人に話したり、小さく試してみること。

起業研究室の目標は、起業家をたくさん世の中に増やしたいというよりも、企業家精神(アントレプレナーシップ)を持つ人を世の中に増やしたいということ。

起業には向き不向きがある。誰もが起業すべきとは思わない。無責任に「夢をかなえる起業」と持ち上げておいて、崖から突き落とすような起業家支援をよく見ているからこそ、安易に独立を勧めることはない。

それでも自分が仕事を通して社会に提供したい価値について考えたり、その中で小さなチャレンジをすることはとても良いことだと考えている。その小さなチャレンジについては責任をもって伴走支援する。そして企業家精神を育て続けた結果、気づけば起業していたくらいがちょうどいい。起業が目的になってはいけない。

この起業研究室ではそんな背中を押したり、止めたりする関係性を紡ぐことができれば嬉しいな。

起業×オープンイノベーション2.0の実験

先日、オンラインイベント「SILKの研究会」でオープンイノベーション2.0の話があった。

色々と話している中で、様々な関係者が交わり新たな価値を生み出すオープンイノベーション2.0とは、決してイノベーション創出を目的にしてスタートしているのではないことがよく分かった。

当日のライブ配信はこちら!

だからこそ、こうしていろんな関係者が交わり始まった「起業研究室」から何か面白いことが生まれるような気がして楽しみにしています。

そしてこの「起業研究室」の生まれ方自体、参加している研究生みなさんのビジネスアイデアの参考になればいいなぁと思い紹介させて頂きました。

この3回で終わるつもりはないので「なんかおもしろそう!」と思ってくれた方はぜひお手伝いくださいませ!

みなさまのサポートがとても嬉しいです!いつも読んでいただいてありがとうございます!