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商品ブランドとカウンターパートの関係性;ブランド戦略④

お元気様です!進和建設広報担当の伊藤と申します。

7月24日(土)、社内大学Terakoyaの講義が開かれました。今回の内容は「商品ブランドとカウンターパートの関係性」。ブランド戦略概論の第4回講義となります。

「terakoya」とは?
第一、第四土曜日に開催される、進和建設工業の社内研修を「誰でも参加できる市民大学」へと進化させた、地域貢献エンタテイメントです(現在はコロナウイルス蔓延防止のため社内でのみの開催となっております)。
最新のテーマで、企業事例も紹介しながら、どんな業界の人でもタメになる楽しい講義内容となっています。
本来なら皆さんにお越しになってもらいたいのですが、現在のコロナ禍でそれは叶わないのでこの広報ブログで詳しい内容を発信していきます。

0.前回までを軽くおさらい

ブランドの正体を知るうえでとても重要なのが...
「コンタクトポイント」=顧客との接点(ブランドが顧客に対して何らかの影響を与える情報接点;広告、掲載記事、社長、応対、メール、etc.)です。

全ての「接点」が同一イメージを与えないとブランドイメージを相手の脳内に形成できません(デジタル系タッチポイント、アナログ系タッチポイント)。

※同一イメージ=統一感が何よりも重要!
ということです。

このコンタクトポイントと統一感という観点は今回の講義にも出てきます。ブランドの根幹がこの二つなので、しつこいとくらいですが、これさえできればブランド戦略はうまくいくので、お付き合いください!

また、今までの社内大学terakoyaの記事はこちらのマガジンでまとめています。ぜひ、ご参照ください!


1.商品ブランド

みなさんは「レクサス」というブランドをご存じでしょうか。トヨタがつくっている高級車なのですが、「トヨタ」という会社名を出すことなく販売されています。どうしてそんなことをしているのでしょうか?

会社名ではなく、商品名で売るメリット

◇大企業のブランディング手法
エンドユーザーとの接点が「商品」しかなく、「商品名」で売るしかありません(それ以外のものが消費者の持つブランドイメージに影響しないため)。

大企業になればなるほど組織が大きすぎてお客様との接点が希薄になってしまい、商品以外のもの(ex. 社長、社員、制服...)がコンタクトポイントとして機能しません。


◇これまでの会社のイメージに古い、堅い、ダサいイメージがある場合
それまで会社がやってきたイメージが影響してしまうとまずい場合。

例えば〇〇建設、〇〇工業と聞くとなんとなく古い感じがして、画期的な商品であっても古臭そうなイメージを持たれてしまいます。

→全く違うことをやるなら会社から切り離したほうがよいのです。


◇価格帯を変えづらい場合
安売り&高級の対極路線へ変更したときに、会社名を変えずに価格を変えてしまうと...

例えば高級路線の企業が安物を売ってしまうと、会社の高級感を損ねるだけでなく、経営が危ないのではないかといったあらぬ疑いをかけられてしまいます。

また、安売り路線の企業がどんなに高級なものを売っても、安物のイメージを拭うことは難しく、売り上げは伸びません。

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2.大企業=商品ブランド

◇顧客が社長の顔も名前も知らない
◇顧客が社員の顔も名前も知らない
→接点が「商品」だから(広告・宣伝も含む)

SDGsなどの取り組みでブランディングしても投資家には届くかもしれませんが、一般の消費者にはなかなか届かないでしょう。

トヨタの高級車?
レクサスブランド

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※特に北米市場においてそれまで(約20年前)の「トヨタの車」のイメージ=ハイラックスサーフやランドクルーザーやSUVなど利便性を追求した車のイメージが主で、高級感はありませんでした。

→高級車をつくったところで売れません。
最高級の「トヨタの車」として売り出したセルシオは失敗してしまいます。

◇そこで、「国産最高級ブランド=商品ブランド=レクサス」をつくりました(トヨタとは別物のようにしている)。
※国内におけるトヨタの最高級車は「クラウン」にしておきたいという思惑もありました(一番が他にできるとこちらが売れなくなってしまいます)。

レクサスで注目すべき点はそのカウンターパートです。

「カウンターパート」はビジネスでは対等な立場にいる相手、モノという意味で用います。「格が同じである」ということです。

この場合は、レクサスを取り巻くあらゆるサービスのことをカウンターパートと呼んでいます。

印刷物もサービスもトヨタとは全くの別クオリティ
◇トヨタの中の最高級クオリティではなく
◇レクサスブランドのクオリティ設定(今までのトヨタでは届かなかった高級感)
◇ディーラーの雰囲気も違いますし、飲み物も違います、何もかもが違うのです
◇パンフレットの紙質も、花束も、納車式も

※売り物だけよければいいというわけではなく、そのほかのあらゆるコンタクトポイントの格を合わせなければならないのです
=完全に「別ブランド」に見えるくらいに差別化&徹底


3.中小企業=会社ブランド

◇顧客にとってほぼ会社=社長
◇顧客にとって会社の信用=社員→接点が「社長&社員」だから(会社=社長&社員)
 ※規模が小さいため、会社全体が見えます

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では中小企業進和建設工業の「カテゴリーマンション」という商品はどうすべきでしょう?

A. 進和建設工業のカテゴリーマンション(会社ブランドを強調)
大阪・堺市で創業53年、570棟以上の土地活用実績という老舗建設会社の信用
→既存客、セミナー客、紹介客
「会社ブランド、会社の価値ありき」

B.マンションブランド(商品ブランドを強調)
「わかっている感ハンパない」と人気を呼んでいるカテゴリー特化型マンションシリーズ
→新規客
「商品ブランド、商品の価値ありき」

上記のことをしっかり整理した上ですごく重要なのが
「コンタクトポイント」
=顧客との接点(接点ありきで顧客への情報の伝え方を考える)

※コンタクトポイント(ブランドが顧客に対して何らかの影響を与える情報接点)をうまく使えれば情報発信などいろいろな部分がうまくいく

4.おまけ;セブンイレブン「金のシリーズ」

セブンの最高級ブランドをなぜつくった?

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単に高級ブランドをつくるのであれば、レクサスのようにセブンブランドと分けたほうがいいかもしれません。

しかし...

◇コンビニ総菜を買わない層を惹きつけたい(そこそこの飲食店よりおいしいというイメージ付け、金だけ買い)
◇独自ブランドにしても高級店にはかなわない
◇既存客に背伸びさせて客単価UP(コンビニ贅沢メシ)
◇今までのものを今までの値段で買いたい層も多い(今までの商品で十分満足)

これらを踏まえると、セブンイレブンという会社ブランドのおける最高級品という位置づけが金のシリーズには求められていたのかもしれません。

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