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宮崎の神話③

三貴神が生まれた場面までお伝えしました。
が、ある大問題が勃発しました。
《天岩戸に太陽神が隠れた‼》

阿波岐原で生まれた天照大神は、女性神として母のような包容力で神々の國・高天原を治めていました。
時に卑弥呼との共通性を指摘する人がいるように、女系社会の原型がここにあったのか、あるいは太陽を支配すること万物の母としての存在感を示していたのか…

とにもかくにも、世界の陽性と正義と平和を象徴する天照大神の基で穏やかに過ごしていた高天原に、暴れ者が乱入することになります。
弟の荒ぶる神・須佐之男命です。
生皮を剥いだ馬を機織り小屋へ投げ込むわ、驚いて死ぬ者はあるわという大騒ぎの後、怒って天照大神は天岩戸に引きこもってしまい、世は闇に閉ざされてしまいます。

太陽の神が天岩戸に隠れた時、
神々は陽気に踊り『宴』を催した。

困った八百万の神々が今後の対策を練ったのが、高千穂にある天安河原です。
相談の後、芸達者の天宇受売命に陽気極まりない踊りを踊らせ、それを肴にみんなでその周りで宴会を始めました。
その騒ぎを聞きつけた天照大神が、『何事ならん』と顔を覗かせたところを、天手力男命が引き出して、世は光を取り戻すことになります。

こうした物語を描いているのが《岩戸神楽》をはじめ、宮崎県内に数多く伝承されている《神楽》です。
そして、高千穂にはこの神話を伝える【天岩戸神社】があります。

須佐之男命は高天原を追われて、出雲の國へたどり着き、やがて国津神(土着の神)の祖となります。
天津神(高天原由来の神)と国津神との融合という重要なイベントが後に起こりますが、この騒ぎはその伏線となっています。

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