アームカール
noteをご覧いただきありがとうございます。
今回はアームカールについて書いていきたいと思います。種目のバリエーションや効かせ方の違いではなく、腕を太くする以外の目的でもアームカールは有効な種目なのか、をテーマにしています。
“腕を太くする”とは、男が鍛える上でこれ以上ないモチベーションですが、もう少しだけ冷静になってアームカールについて考えていきます。
アームカールはアスリートにとって有効な種目か?
“結局、腕を太くしてもアスリートとしてのパフォーマンスが上がらなければ何の意味もない”
などと、面白くもなんともないことを書く気は全くありませんし、実際のところ最近は使える種目だと思ってチームのプログラムにも取り入れています。
その理由は “握る” という、動作の基礎中の基礎の部分を鍛えることができるからです。
アームカールは主に上腕二頭筋のトレーニングですが、重りを保持するためには当然バーを握る必要があります。
ボディメイクの観点でいえば、このグリップへの負荷を減らすために極力握らずにおこなうこともありますが、アスリートのトレーニングにおいては握りこむことが非常に重要になります。
競技スポーツ、特に対人、道具を使用した種目のほとんどは握るという行為を避けては通れません。
そう考えると、思いつくほとんどの競技に関係してくる要素ではないでしょうか。
競技によっては、実は力強く握ってはいけないという声もわかります。
自分も柔道をしていましたが、全力で握ると力みがでてよくないのは肌感覚で経験済みです。
しかし、長時間、もしくは何回も反復して握っていると、必ずと言っていいほど前腕が疲労してパンパンになります。
これに対する耐久力は鍛える(準備しておく)必要があるのではないかと思うのです。
アームカールの使い方
アームカールは単体での実施だけでなく、他の種目と組み合わせることでより活躍の幅が広がります。
何かを握っている限り、中枢よりも末端かつ筋肉の小さい前腕は疲労しやすい部位といえます。
これを利用して、腕が疲れた状態でも引きつけたり持ち上げたりできるように、アームカールを他の種目の前に実施してしまいます。
言い換えると、腕が疲れた状態を先につくってしまってから、他の部位(動作)を鍛えるということです。
つまり、今回推奨するアームカールの目的は、あえて先に腕を疲労させるということです。
競技の後半、握りたくても手に力が入らないという場面を想定して、それに近い状況をアームカールでつくったうえで他の種目を連続しておこないます。
具体的には、
アームカール → ハンマーグリップチンニング、といった組み合わせや、
アームカール → アップライトローイング、といった流れです。
なんなら、
アームカール→ハンマーグリップチンニング→アップライトローイングと組み合わせても面白いです。
自分の場合は、アームカールをアーノルドプレスと組み合わせて肩も同じように重ねておこなっています。この時のアームカール(アーノルドプレス&カール)はダンベルです。
あくまで疲労耐性の向上や間欠的な筋持久力の強化が目的なので、筋力強化が目的の場合はチンニングなども単体でおこなうべきです。
ですので、時期によって筋力にアプローチするのか、上記のような要素にアプローチするのかを分けて考えることをおすすめします。
グリップから考えるもうひとつの問題
もうひとつ考えておきたいのは、強度に対する準備です。
アームカールから少し話は逸れますが、高重量でトレーニングをおこなう際は、グリップが先に負けてしまうことがあります。
ローイング系の種目やデッドリフトがよくある例です。
競技中は何かを握っていなくても身体に大きな負荷がかかるため、トレーニング時のストラップ使用は個人的にはよしとしていますが、
かといって試合で使えない道具に頼ってばっかりもどうやねん?
という思いもあり、自分と外的な要因(この場合は人や道具)との接点はできるだけ鍛えておくべきだと考えています。
ここでいうグリップは、持久力ではなく強度をさしており、今回提案している要素とは別で鍛える必要があります。
それについてはまたの機会に。
まとめ
アームカールは、上腕二頭筋を鍛える種目と限定して考えるより、力強くバーべル(ダンベル)を握って引きつけるトレーニングと考えると汎用性が高くなります。
トレーニング種目に目的があるのではなく、目的に合わせてトレーニングを構築していくことが重要なのです。
と、名言ぽいことを書いて締めにしたいと思います。
ちなみにですが、ヘッダーのレジストカールはアームカール史上最も強度の高い部類に入る種目です。
指を怪我していようが手首を怪我していようが、問答無用で腕を鍛えることができるので困った時に試してみてください。
トレーニングに関するコラムの配信とプログラムの販売をおこなっています。パーソナルトレーニングほどカスタマイズしないかわりに、ライトなプログラムをたくさん更新していきたいと思っています。よろしくお願いします。