MBAって必要なの? その3

というわけで、MBAによるキャリアチェンジを必要としないのであれば、MBAは別にとってもとらなくてもいいと思う。よって必要ない。もし仕事の波がきていれば、仕事にフォーカスするのが一番だ。もし子供との時間を尊いと思う心の声が聞こえるのであれば、素直にそれに従うのが良いと思う。確かにEducation paysだが、今の仕事もpaysだし、子供との時間もpays、晩御飯の準備だってpaysだ。短絡的にMBAのためにこういうことをおざなりにしちゃだめだ。

もっといえば、コンサルで一通りのプロジェクトを経験しているとか、マーケで製品企画をやっているとか、経営企画の経験があるという人にとっては知識としてのMBAはあまりインパクトはないだろうし、なんといっても仕事の方が本当のCaseだからね。なんでCase Studyやるのって話。だからPayしない。

でもLife is all about learningとかEducation paysとかやっぱり気になる。だからそこに真理があると思う。多分こういうことだと理解している。

人生どこかで行き詰まる、あきる、なんというかあれこのままでいいんだっけと考えるときが来る。そんな時はきっと心が何か学びたい、チャレンジしたいというシグナルを送っている可能性が高い。このシグナルをきちんと捉えて反応することが大切だ。逆に言うと心がシグナルを送っていないときは目の前のことにフォーカスすべきだ(多分、色々と学べてるんじゃ)。僕の場合はアメリカにきて、生活が落ち着いたときに、1つ目はアメリカにいる間に学びたいという気持ちが沸き起こったこと、2つ目は40歳を過ぎて、人生にもう一つの変化をつけよう、もう少しチャレンジしたいという欲が出てきたんだと思う。いわゆるミドルクライシス(中年の危機)の一つでしょう。

そしてIMDのExecutive MBAにいきついた。これにより心の奥の自分に栄養を与えられた気がする(まだ卒業できるかわからないけど)。自分がよりバランスが取れ、長期的、本質的に物事をとらえられるようになったような、なってないような(なったはず)。だからEducation paysだし、Life is all about learningも実感する。12月に卒業するときは、「あーもう勉強なんてやらない」って思うんだろうけど、暫くするとまた学びたいという声が心の奥から沸き起こってくるんだろうと今から期待している。何年後なんだろ。

出世に必要ではなくても、心の学びたいという声を聴きそれに対応すればよいと思う。そして前回書いたけど、MBAの知識や学位そのものの価値は下がっていくので、そのうえで何を学びたいかを自分と対話して決めていくのが大事。僕の場合は40歳も過ぎていたので自然にExecutive MBAになったんだけど、それでもMBAっぽくないのを選んだつもり。ちなみにIMDでリーダーシップを学ぶために、わざわざアメリカからスイスまで行ってるけどリーダーシップの学びは自分自身を理解することで得られるということだった。Self-Awarenessこそがリーダーシップの源泉。そのために「日記を書きなさい」といわれた。

心が学びたいというシグナルを送ってきたらMBAに限らず料理でも、文学でもプラモデルでも学びとしてやっておけばいいのではないだろか。それこそNoteで日記を書くのも学びだ。ビジネスパーソンであっても別に経営学にこだわる必要は全くないと思う。ひょっとしたらマーケで心理カウンセリングを勉強するとかの方が学びも人間的な深みが増すのかもしれない。もしキャリアチェンジが必要、例えば30代前半まで営業畑を歩んできて、マーケにキャリアチェンジしたいのであれば、MBAがきっかけになるかもしれないので、MBAにチャレンジすればよい。

まとめるとMBAは必要ない。ただし人生のどこかのタイミングで学びたいという声が心の奥から上がってくるはず。この学びのタイミングをとらえて適切な題材を選択するのが大事。これを逃してはいけない。学びの題材は何でもよい。自分が学びたいと思ったことを学ぶことが大切。仕事も家庭も一段落する中年の学びはミドルクライシスを乗り越える意味でもとても理にかなっている。

あ、でも英語やっておきたいって人がいるよね。これは心の声を待っていると間に合わない可能性がある。この辺りは次回に。


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