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しんたろう
2020年9月27日 18:23
詩「あかちゃんのて」わたしのほっぺにさわるかえでのはっぱあかちゃんのてわたしだけのものおかあさんのあかちゃんだっこしてあげるのわたしのかわいいかわいいいもうときれいなおめめひらいてわらううたうかえでのはっぱよきこえるのあかいもみじ(2016年7月)
2020年9月23日 18:40
詩「ある夜」静かな草原でライオンが存りもしない偶然を待ち侘びる見上げると満月の角とキスする雪これから先も眠らないでいようよあの去ってく踵がうそぶいてるあの街の明かりのうちどれかがいつか見た太陽沈んだ星ぼしその瞬きが誰かの微笑みを拾おうとしてる風と遊ぶヒゲの隙間から家路をたどるせわしない火のこ馬鹿な瞼おろかしい台詞頬いっぱいの腕時計仄めかす飼い馴らされた思い出こ
2020年9月20日 21:56
詩「トゥンジーの声」サトウキビがヤマトの風にさらされる音ざわざわ とその身を明け渡しているだけで「私を殺さないで」とは言わない岬に波が押し寄せる音どうどう と押し寄せて「私の赤子をかえせ」とは言わない冬風が指を焼き焦がす音冬風は密かに「はるか遠くの国々の冷たさは こんなものではないよ」とまた囁いた(2005年12月ホームページ「島人詩人」にて公開)