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[ローカル・キャリア#01] 22歳新卒が岩手県の観光ベンチャーに入ってみた話

こんにちは!


大学を卒業後、新卒として、ベンチャー企業に就職した体験記を書いてみました!

色々なキャリアの歩み方がある中、1つの道としての可能性として誰かの何かの参考になればと思います♪



1. 社長9人。社員1人。

2019年春、私は、岩手県にある観光ベンチャー企業『(株)いわてラボ』に就職しました。

■『(株)いわてラボ』って?
観光企画会社です!

岩手県盛岡市と雫石町に位置する3つの温泉地(つなぎ温泉・鶯宿温泉・高倉温泉)の9つの旅館さんの共同出資にて2017年に設立されました。         (株)いわてラボ Facebookページ:https://www.facebook.com/iwate.lab

なので、就職したのは3期目のシーズンとなります。

さらに詳しく、観光業界系の用語で言うと『DMO・DMC』と呼ばれる括りの会社です。
DMO・DMCって?:
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000048.html(観光庁HPより)


■事業概要は?
Missionは大きく3つ。
具体的には、
 ・宿泊施設で販売用のお土産の卸し
 ・宿泊特典チケットの販売
 ・共通入浴チケットの販売
などなどを行なっています。


■従業員は?
入社時の社員は2人。(しかし、半年後に退職。。。)
それ以降は、社員1人体制で動くことに。。。


■担当業務は?
名刺の肩書きは『事務局』。
社員1人なので、労務・経理・企画・営業なんでもござれ!と言った感じです(笑)
月例開催の各旅館の社長さん達の会議で事業が決まっていくのでまさに『社長9人。社員1人』です(笑)!



2. 新卒でベンチャー企業を選択した訳?

地域産業の「リアル」の現場での体感・実践をしてみたかったと言うのが入社を決断した一番の思いです。


大学生時代は、いわゆる「町づくり」「地方創生」文脈の研究や実践をしてきました。
詳しくはこちら(自己紹介 〜Age:0-22編〜)↓
https://note.com/shintarokamio/n/n663228e78a42

その体験の中で、地域の社会の課題解決の解は「現場」にあると思うようになりました。

そして、いよいよ、就活シーズン。

政治で地域社会を盛り立てていく政治家に憧れていた中、
具体的・現実的な施策を提案出来るようになりたいと、当初は行政系コンサルティング会社を就職先として志望していました。


改めて、提案を受ける側の立ち位置に立って考えた時に、実際に現場で汗をかいたことない若造の先進事例や数理的分析データから導き出される提案を『納得感』をもって受け入れられるかなとの疑問が浮かんできました。

『納得感』をもって受け入れていただくためには、自分自身がリアルな地域の現場において、五感を使って体感し、汗を流す経験こそが必要なのではないか。

そんな思いから、観光行政の一丁目一番地である観光企画会社(DMC)への就職を決断しました。



3. 新卒ベンチャー社員の奮闘記 =1年目編=

夢と期待に胸を膨らませ入社するも学生と社会人との違いに四苦八苦した1年目。


『見積の取り方』、『OEMって?PBって?』『メールの送り方』などなど、何もかもが全ての経験。社会人の大変さを思い知りました(笑)

そんな、社会人1年目の主な仕事がこちら↓
4、5月  旅館研修
6、7月  盛岡市運営のスポーツ研修施設勤務
8、9月  選挙応援(岩手県議会議員選挙、盛岡市議会議員選挙)
10〜12月 にっぽんの宝物グランプリ 岩手県事務局
      キャッシュレス推進事業(雫石町委託事業)
1〜2月   クラウドファンディング『温泉浴衣リノベ』

どっぷり観光現場の仕事から、全く別分野の仕事まで幅広いお仕事を。


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↑旅館研修(4月、5月)                            布団敷き・上げ、夕朝食接客、売店、予約などなどほぼ全ての旅館業務を体験させていただきました。


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↑盛岡市運営のスポーツ研修施設勤務(5月、6月)                    スポ少や地域のスポーツ行事などスポーツ団体のための宿泊施設にてお手伝いを。


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↑選挙応援(岩手県議会議員選挙、盛岡市議会議員選挙)(7月、8月)       大学の先輩の選挙を後援会長としてお手伝いさせていただきました。


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↑にっぽんの宝物グランプリ 岩手県事務局(9月〜12月)               ローカルテレビ局連携による商談会事業の岩手県事務局を担当させていただきました。観光の現場にいるだけでは出会うことのなかったものづくりの事業者さん達と出会うことができたのは貴重な経験でした。


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↑キャッシュレス推進事業(雫石町委託事業)(9月〜12月)              インバウンド客受入基盤整備の一環として、観光・飲食施設へのキャッシュレス決済導入を20施設に行いました。


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↑クラウドファンディング『温泉浴衣リノベ』(1月、2月)             県内10の宿泊施設と共同で廃棄浴衣の再活用モデル構築に向けたクラウドファンディングを実施しました。



4. 新卒ベンチャー社員の奮闘記 =2年目編=

新型コロナウイルスに揉みに揉まれた社会人2年目。


観光産業は人を呼んでなんぼの産業にも関わらず、人が呼べない。。。
温泉地の1歩先2歩先を模索しながら歩んだ日々。

そんな、社会人2年目の主な仕事がこちら↓
4月   マスクリレープロジェクト
5、6月 国・県・町・商工会の助成金・補助金手挙げ
7〜3月 観光行動計画策定支援事業(雫石町委託事業)
    小規模事業者持続化補助金(廃棄浴衣を活用した新商品開発)
    ものづくり補助金(日本酒BARの設置)
    地域の創意による販売促進事業(岩手県産農水産物販促)

行政系、助成金・補助金事業とwithコロナ期を見据えた種まきを。


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↑マスクリレープロジェクト(4月)                       マスク不足が岩手県でも深刻になってきた中、廃棄浴衣を活用したマスク制作プロジェクトを地域の社会福祉協議会、婦人会のみなさんと行いました。


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↑国・県・町・商工会の助成金・補助金手挙げ(5月〜)             コロナ禍の中において、観光業界・中小企業の新たなチャレンジを応援するといった文脈の補助金・助成金が多数出てきました。温泉地の次の1手を模索しながら、各種補助金への手挙げを行いました。                   上:廃棄浴衣を活用した宿泊施設の物販品開発(小規模事業者持続化補助金)   中:旅館の遊休スペースを活用した地酒BARの設置(ものづくり補助金)     下:岩手県産の農林水産物を岩手県内の宿泊施設で多層的に展開する販促事業(地域の創意による販売促進事業)


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↑観光行動計画策定支援事業(雫石町委託事業)(7月〜3月)           町の次期観光行動計画策定に際した調査事業を町内の宿泊事業者50社、飲食事業者25社を対象に実施。



5. 新卒ベンチャー社員の奮闘記 =良かったこと5選=

①会社の全てが経験できた
社員1人。会社の実務は全て自分でやらないといけなかったので、経理・労務から事業の企画・遂行まで全て経験することができました。(退職時の各種手続きも自分でやりました(笑))
これは、その後の自分のキャリアを考えた時に、自分がどの役割に向いているのか。ワクワクするのか。と言った適正を考えられるという点で意味があったなと思います。


②クライアントは社長さん                         小規模の会社のため、基本的に何かプロジェクトを行う際には、色々な会社さんとチームを組んで行うことになります。チームメンバーもクライアントも経営者層(マネジメント層)という状況下で早い段階から、仕事をすることができるのは、大きい企業では積めない経験かなと思います。
また、こうした経営者層の方々の考え方や経験を学ぶことは自身が何か起こす時にもとても参考になることと思います。


③デザインスキルが身についた
これは、小規模ベンチャーあるあるかなと。お金がないので、基本、なんでも内製化します。
特に、観光系は、人を呼ぶことが主要命題なので、チラシ・ポスターなどなど多くの製作物を作ることはスキルを身につけられたという意味で良かったです。


④自分の名前で仕事ができた
大きな会社さんだと〇〇会社の〇〇さんとなりますが、社員1人の会社だと会社=社員みたいな感じになります。自分の名前で仕事ができると言うところは、次のキャリアを考えたり、副業をしたりといった際に、プラスだと思います。


⑤副業が自由
ベンチャーの大きなメリットの1つと言えるかと思います。
就業規則が緩いため、働く時間や場所もあまり厳しくありません。
なので、やることさえやっていれば、副業やボランティアなどで幅広い活動を行うことができます!



6. 新卒ベンチャー社員の奮闘記 =大変だったこと5選=

①上司がいない
個人的には、これが一番大変でした。
新卒で入っているため、全く、社会人としての基礎がないので、全て0から試行錯誤しながら自分流を編み出していかないといけないと言うのは、かなり、労力がかかることだったなと改めて振り返っても思います。


②仕事と休みの区別が難しい
社員が1人だとシフトによる休みの調整ができません。
いかに、自分の中で、「今日は休み!」と決めても、クライアントさんから電話があれば対応しないといけない。と言うのは大変なことかなと思います。


③モチベーションの維持が難しい
チームがないので、雑多な事業を全て一人で考え動く必要があります。     また、②で書いたように仕事と休みの棲み分けがしにくいと言うところもあります。
いかに、自分で自分を律せられるかが続けられるかどうかの1つのポイントになってくるかなと思います。


④情報が届きにくい
業界・事業エリア・事業内容によってかなとも思いますが、新しいムーブメントを地方においてリアルタイムで掴んでいくのはなかなか難しい点かなと思います。
新聞やSNSなど自分なりの情報収集アンテナを常に張っている必要があると思います。


⑤給料が低い
これは、難しいところですよね。自分で帳簿管理をしていると売上と費用が見えてくるわけですが、この売上で給料もらっちゃって大丈夫かなみたいな、普通の会社員であれば考えなくていい、心配事が増えます(笑)



ここまで、呼んでいただいた皆様お疲れ様でした!


いいところも、大変なところも、

新卒、地方ベンチャー就職のリアルを感じていただけたでしょうか(笑)?

これから、地方で働くことを検討している方、大学卒業後の進路に悩んでいる方の参考になれば幸いです。


2021年4月25日
神尾 しんたろう



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