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フィンランドから日本の教育を見つめ直す-フィンランドの教育はなぜ世界一なのか

皆さんは日本のエコ意識についてどのように思われていますか?


例えば、世界ではグレタさんを筆頭として気候変動デモや脱プラスチックの流れが起こされているのに対して、日本ではプラスチックを消費しまくるタピオカミルクティーが流行りまくっているのが不思議でならないです。


もちろん、個人としてタピオカミルクティーを飲まなかったり、エコを意識している人たちはいると思うのですが、大きなうねりが巻き起こっていないのが日本だなぁという風に思っていまして。

その中でも特に、子どもの意識レベルが日本と北欧などの国では違っているのでは?と思っています。(もちろん日本の大人も結構ダメですが、今回は子どもについて書かせてください。)


じゃあ、なぜグレタさんのような子どもや気候変動デモがヨーロッパ諸国で起こりやすいのか?ということを今回は教育の面から考えてみました。

参考にした本はこちらです。


とにかく子どもを主体性のある個人とみなすフィンランド

フィンランドには小中学校と高校で『人生観の知識』という授業があります。

(人生観の知識とは)哲学、倫理、ソーシャルスタディーズ、政治、文化などを横断する学際的な科目で、その中に道徳も含まれる。
教育長は、その役割を次のように説明している。自立し寛容で、責任と良識ある人へと成長すること。グローバル化し、急速に変化する世界での民主主義的なシチズンシップを目的とする。

日本ではこれに類するような授業が思いつかないですよね?

日本の道徳の授業とも内容はかけ離れているように思います。


そしてその人生観の授業の中で学ぶことの一つに『子どもの権利』があります。

全部で43あるのですが、本書ではその一部が紹介されています。

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・すべての子供は、子供の権利を持つ。子供やその親の特性、意見、出自などによって差別されない。

・子供には思想、良心、宗教の自由がある。

・子供には、自分に関わる全ての事柄について、自由に意見を表明する権利がある。子供の年齢と成長に応じ、子供の意見を考慮に入れなければならない。

・子供には、市民組織に加入し活動する権利がある。

・国家は、すべての市民が子供の権利をするよう努める義務がある。

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自分の権利を知ることは、自己肯定感を高める。また、他人にも同じ権利があることを知り、それを尊重することが義務になる。さらに権利が犯された時、それは不当なことと感じる能力も育つ。


つまり権利を知ると主体的になるのですね。

おそらくなんですけど、今、気候変動デモが起きている背景にはこのような教育があると思います。

そして彼らは、『安全にくらすという権利が侵されている。地球環境を顧みずに発展するのはおかしい』と叫んでいるのではないでしょうか。(ヨーロッパ諸国にてヴィーガンやフレキシタリアンの人口が増加しているのも、動物の権利が犯されていると代弁しているように思います。)


これは単にヨーロッパ諸国の子ども達が他の国の子どもと比べて優れていることを示すのではなくて、教育の違いだと自信を持って言えます。

実際に目にしたわけではないですが、日本の教育よりも今の時代にあっているのではと思います。


主体性を学ばない日本の教育

それに対して、日本の教育では主体性を学ばないように思います。少なくとも学生の頃に『あなたが持っている権利はなんですか?』と問われたとしたら、僕は答えられなかったですね。

『男女雇用機会均等法』とか『墾田永年私財法』とか『六波羅探題』とかは知ってましたけど、権利や義務については実感につながるようなことはほとんど学ばなかったはずです。


しかも主体ってほとんど、自分という個人を外に表現することじゃないですか?

そうなると出る杭を打ちまくる日本の社会ではなかなかその考えが湧いてきません。それに加えて、学校でも教えてもらえないとなるとなかなか子ども達が主体性を意識するのは難しいと思います。


日本人はいつ主体性を手に入れるのか

じゃあ日本人はいつ主体性を手に入れるのでしょうか。

多くの場合、『家を出て一人前』というような価値観があるように思います。

例えば、僕の会社でもとにかく親元を離すような配属先にされたりします。

しかしながら、このように表面的なことで主体性を手に入れられるのでしょうか?


先に紹介したように、フィンランドにおいては自身の権利を知ることによって主体性を手に入れていきます。それはきちんと学ぶべきことであって、ただ単に一人で暮らして自炊や家事をすることで得られるものではないです。

このように考えると、日本人が主体性ということを軽んじていて、表面的にしか捉えていないと言えるのではないでしょうか。


だから私は日本人の多くが主体性を持っていないのではと考えています。それは選挙の投票率の低さなどからも見て取れるのではと思います。


おわりに

僕は西洋諸国を手放しに礼讃しているわけではないですが、やはり教育の面では進んでいるように感じました。

そして主体性を身につけるという点については、子どもだけでなくむしろ大人も見つめ直さないといけないと思います。

この本を読めば、フィンランドにあって日本にないものを強く意識することになります。日本にいるだけでは決して身につかない視点をフィンランドの教育から考えてみてはいかがでしょうか。

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