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未来の世代のために、社会を一歩先へ進めたい!

はじめまして!ファンと共に時代を進める、Web3スタートアップのGaudiyで、経営企画をしている西原と申します。2023年1月に入社しました。

このnoteでは、スタンフォード大学での刺激的な学びから、エンタメ領域でのグローバル新規事業チャレンジと失敗、そしてGaudiyでの再チャレンジを決意するまでを中心にお伝えできればと思います。

未来のため、子供たちの世代のために、なにか始めたいとお考えの方に、ぜひ読んでいただきたいです!


エンタメとの出会い

子供の頃はちょうど『週刊少年ジャンプ』の黄金期だったこともあり、毎週ジャンプの発売日を心待ちにしていたのを覚えています。自然豊かな田舎で育ったので、友達とカブトムシを捕まえるか、ザリガニを釣るか、マンガ読むか、ゲームするか、そんな子供時代でした。

出典:https://www.excite.co.jp/news/article/OhtaBooks_014011/image/1/

大学時代は音楽(ダンスミュージック)にハマり、DJとして活動したり、クラブや野外での音楽イベント企画・運営をやっていました。ちょうど夏の時期は、毎週、自分達の企画か、他の団体が開催するイベントに参加していたので、週のほとんどを野外で過ごしたときは、当時住んでいた京都に戻るとやたら街灯が眩しかったですw

イベントでは、日本人以外に外国人も参加していましたし、家族連れや地元のおじいちゃん・おばあちゃんが参加してくれる時もあり(盆踊りの感覚?)、学生だった自分には新鮮な環境でした。

音楽活動で得た学びとして、文化・言語・世代が異なっていても、「音楽が好き」という共通点があれば仲良くなれるし、一緒の場を楽しむことができるんだ!というのが衝撃でしたし、エンタメの可能性にワクワクした、自分の原体験だったと思います。

スタンフォード大学の客室研究員での学び

出典:https://eadn-wc01-4732220.nxedge.io/wp-content/uploads/2017/11/Stanford696.png

音楽イベントを立ち上げ、運営する中で必要性を感じた経営・ITスキルを磨くため、大学卒業後はITコンサル企業のフューチャーに入社しました。

ここでは、流通小売業界を中心に、クライアントのIT戦略パートナーとして今でいうDX・ビジネス変革に取り組み、大手スーパーの社運を賭けた物流プロジェクトのリーダーを担当するなど、多くのチャレンジングな機会をいただきました。ITコンサルとして経験を積む中で、テクノロジーそのものよりも、テクノロジーを使って新しい価値を生み出すことに、より強い関心を持つようになっていきました。

そして、スタンフォード大学のAPARC(アジア太平洋研究所)で、客員研究員として赴任する機会を得ます。

そこでは、シリコンバレーの歴史を紐解き、エコシステムとしての強さの源泉は何なのか?失われた30年と呼ばれる時代が過ぎ、少子高齢化が進む日本が学べることは何か?をリサーチのテーマとして取り組んでいました。

その中で衝撃だったのは、シリコンバレーでは、スタートアップ、ベンチャーキャピタル(VC)、大企業・メガベンチャー、スタンフォードといった大学が密につながることで形成されており、エコシステムとして、成功だけでなく失敗も!織り込まれていることでした。

出典「Accenture Silicon Valley Tech Innovation Ecosystem Infographic PDF


また個人的な体験として貴重だったのは、マイノリティとしての感覚です。

シリコンバレーには世界中から集まってくる移民が多く、特にインド・中国のコミュニティは当時大きな存在感でした。一方の日本は、アメリカで活躍されている日本人ももちろんいらっしゃいますが(野球の大谷選手、すごすぎですね)、コミュニティの規模は比較的小さく、そしてビジネス面においても「GDP3位」という数字と、体感としての日本の存在感には大きな乖離があるなと感じました。

一方で、日本のエンタメが想像以上に人気があることに気づきました。子供の頃にポケモンやナルト、ドラゴンボールを見て日本のアニメが好きになったよ、という話は何度も聞きましたし、日本で人気の作品は、時差なく英語版でも配信されている状況でした。

日本のエンタメは自分にとっても子供の頃からいちファンとして慣れ親しんだものですが、日本人が作る、日本の文化に根ざしたコンテンツが、海外でもこんなに人気がある、というのは新しい発見でしたし、エンタメ業界のことを掘り下げていくきっかけにもなりました。

そして、調べるなかで見えてきたのは、世界中が熱狂する素晴らしい作品を作り出しているにも関わらず、クリエイターが稼げていないという業界課題です。これは昔から存在しており、海外でも取り上げられていました。そんな中、中国・韓国といった海外勢が、急ピッチでキャッチアップしてきています。個人的な感覚として、5年後、10年後を考えると、今のままでは、すごい作品を生み出して日本のエンタメ業界が発展し続けることは難しいのでは、という危機感がありました。

ちょうどスタンフォード大学での任期を終えるタイミングで、自社の新規事業立ち上げを担当することになり、ここで得た学びをプレイヤーとして実践したいという思いでグローバルのエンタメ事業に挑戦することにしました。

グローバル新規事業への挑戦

クリエイターが作り出す価値に見合ったリターンを得ていないという構造的な課題を解決するため、日本のクリエイターと世界中のファンとつなぐプラットフォームを事業責任者として立ち上げることになりました。

最初に行ったユーザーリサーチから感じたのは、海外ファンの熱量の高さです。これはエンタメが普及していて、文化としても定着・成熟している日本に比べると、海外では見たい作品を見ることができなかったり、作品を生み出しているクリエイターのことや、作品の裏側といった情報を知る機会がないからではないか、というのが私の仮説です。

NetflixやDisney+を見てみると、behind the scenesとして、人気作品の裏側、制作ストーリーがコンテンツ化されていて、ニーズがあるなと感じました。(ストリーミング全盛の最近はすっかり見なくなりましたが、メイキングとしてDVDに収録されていたあれです)

実際に海外ファンは作品のどんなところに興味があるのかを理解するため、攻殻機動隊が好きなアメリカ人、カナダ人、日本人で集まって、攻殻機動隊を語り合う会をオンラインで実施しました。日本での公安と警察の違いや、アメリカとの組織の違い等、マニアックな内容でしたが盛り上がったのを体感して、これだ!と興奮したのを覚えていますw

出典「Ghost in the Shell: Stand Alone Complex Complete Series Collection - Blu-ray」海外でも人気

一方で、参加してくれた人からは、英語圏でのファン同士のコミュニケーションならRedditやTwitterでできる。作品に関わっていたクリエイターが語るなど、なぜその人・作品なのか、がある方がいいね、というフィードバックをいただき、国境を超えてファン同士がつながる、というだけでは、提供価値として弱いというのが学びでした。

そして、海外ファンの集まるコミュニティを調べる中で見つけたのが、イラストのコミッションです。日本だとSkebが提供しているようなサービスで、ファンが好きなクリエイターにリクエストして、オリジナルのイラストを描いてもらう、というもの。例えば、海外版PixivのDeviantArtというサービスでは、掲示板でコミッションの受付・リクエストがやり取りされています。

出典「DeviantArt」クリエイターからのコミッション受付

日本のクリエイターといっても、アニメーター、イラストレーター、漫画家、声優、VTuber等、様々なことをされている方がいる中で、アニメーターやイラストレーターは、自身が関わった作品の権利(IP)を持たないことも多いのが現状です。それに対して、このサービスであれば、クリエイター自身でIPが持てて、他の仕事の合間でもでき、海外ファンにも日本と同様のニーズがありそうなことから、最初に提供するサービスとして決めました。

次に、オリジナルのイラストを求めている海外ファンの解像度を高めるため、ベータ版を通して仮説検証を行っていきました。そこで見えてきたのが、ライトノベルを書いていて自分の世界観に合ったイラストを求めている人や、VTuber活動用のイラストが欲しい人、自分の描いたオリジナルキャラクターを、好きなクリエイターの画風で描いてほしい人といったペルソナ像が浮かび上がってきました。

そうしてユーザー理解を深め、参加いただくクリエイターも少しずつ増えてきた状況で、フランスで開催される世界最大規模の日本エンタメイベント「Japan Expo」に出展する機会を得ました!

出典「Déambulation à Japan Expo 2022

JapanExpoは4日間で、フランスを中心にヨーロッパからの日本のエンタメファンが集まり、例年25万人ほどが参加するイベントです。集英社や任天堂、Crunchyrollといった企業がブースを出している他、JETROが日本文化を紹介したり、現地企業がグッズを販売しています。

私たちは「日本のお祭り」をテーマにブースを作り(制限ギリギリの手荷物で持ち込みましたw)、クリエイターの方には現地・日本からリモートで参加してもらって、会場でイラストのコミッションサービスを提供しました。

イベント前には、パリ市内のオタクショップ巡りで宣伝と情報収集を行ったのですが、モンマルトルの丘という場所では、芸術家にリクエストしてイラストを描いてもらう様子を、カフェから観察したりしていました。話を聞くと、アニメ風といったエンタメのコミッションは、元々アメリカ発祥ということもあり、フランスではメジャーじゃないとのこと。。。

はたしてフランスで受け入れられるのか、開催前はドキドキでしたが、蓋を開けてみれば大盛況! 特に、ファン自身や恋人、家族を、オリジナルのアニメスタイルで描くというのが、体験として良かったようです。一緒にフランス入りしたクリエイターには、ブースでイラストを描いてもらい、リモート参加のクリエイターにはライブドローイングとして配信してもらうことで制作過程も見せていたのが、リアルならではの体験だったようです。

クリエイターのみなさんには、ファンからの様々なリクエストに応えて、素晴らしいイラストを描いていただき、本当に感謝です!!!イラストを描いている様子をそばで見ながら、私も興奮していましたw

参加クリエイターの1人、西位輝実さんは、呪術廻戦の総作画監督やジョジョのキャラデザを担当された大ベテランのアニメーターなのですが、海外ファンがブースに来て「西位さんがイラスト描いてくれるんだって!」という問い合わせを受けて、日本エンタメの人気ぶりを感じました。

海外ファンの解像度もあがり、少しずつ手応えを感じている状況でしたが、私の力不足で、事業はクローズという結果になります。

そして、Gaudiyへ

次に自分は何をやりたいのか? 心にぽっかり穴が空いた状況の中、何度も自問自答しました。

自分に足りないものはいっぱいあり、達成するためのハードルはめちゃくちゃ高いですが、それでもエンタメ領域で、またグローバルにチャレンジしたい!というのが答えです。むしろ失敗したからこそ、その思いは強まっていました。

日本のエンタメは世界中にニーズがあり、ファンも年々増えている状況です。(日本で起きた、ニッチからマスへの拡大が世界中で起きています。)一方で、今は圧倒的な人気の日本コンテンツも、将来このまま勝ち続けられるのか?

海外ファンも取り込むことによって業界が発展し、クリエイターに還元されにくい業界構造が解決に向かうことで、より多くの作り手(日本だけではなく海外からも)が活躍できる場所を作りたい!これが実現できれば、エンタメ業界以外でも、グローバルに進出する企業は今より増えると思いますし、将来の日本がより豊かに・幸せに生きられるきっかけになると考えています。

次のキャリアとして、IPホルダーと呼ばれるエンタメ企業か、外資で日本コンテンツを扱っている企業か、エンタメのスタートアップか、もしくは起業するかの選択肢の中で、信頼できるエージェントさんからの紹介でGaudiyに出会い、ここだ!とビビビときましたw

Gaudiyでは現在、CEO室として、目標管理・プロジェクト管理といった経営企画的な仕事から、グローバル展開に向けた税務・法務対応、各国・サービスのリサーチ等を担当しています。組織・事業のスピード感が目まぐるしく、カオスな状況に食らいつきながら、修行の日々です!

やりたいことがやれていて楽しい、というのもありますが、「ファン国家を創る」というビジョン実現に向けて、グローバル・Web3の領域でめちゃくちゃ不確実性高いことやっているので、客観的に見てリスクはあるし、失敗する確率も普通にあります。

そんな状況ですが、不思議とGaudiyの中にいると「なんかできそう」という感覚になりますし、リスクがあるから立ちすくむのではなく、前例がない・リスクがあるからこそ自分たちがやるべき、というマインドセットを持った集団なのが、Gaudiyのおもしろいところです。

シリコンバレーにいた時に感じた、想い・アイデアがあるんだったらまずチャレンジだ!というカルチャーと似ているなと感じています。

さいごに

ここまで暑苦しい話を読んでいただき、ありがとうございます!

最後に、なぜ未来の世代のために、と思ったのかをお伝えさせてもらうと、私には3人の子供がいるのですが、教えていないのに、プリキュアやディズニーのコスプレにハマったり、好きなキャラのイラスト描いたり、最近では推しの子主題歌の「アイドル」を、踊りながら歌っていますw

エンタメにはこういう力があると思っていて、日本以外の国でも、子供を夢中にすることが可能なコンテンツだと実感しています。

今以上に、世界中の人が子供の頃から日本のエンタメで育つような世界を実現できれば、日本自体を推してくれるファンも増え、日本と世界の距離もグッと縮まる。そして未来の世代は、今よりも多様な選択肢・やりたいことを実現できる時代になると信じていますし、これも、Gaudiyのビジョンで掲げている「ファン国家」の1つの形だと私は思っています。

このような話やGaudiyに興味を持たれた方は、ぜひぜひカジュアル面談しましょう〜

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