掌編『永遠を誓わない』
俺がこの結婚式に参列することになったのは、遂に日本でも同性婚が可能になったこと、そして、白瀬と黒田のふたりと親友だったことがその理由だ。ふたりは高校のラクロス部の同期で、実は付き合ってるんだと俺が打ち明けられたのが大学一年のときで、とにかく彼らは交際して既に十六年になるのだった。式とか別にいいよ……とふたりは乗り気でなかったのだが、黒田のご両親が「小さな式ぐらいやりなさい。本当に大事な人だけ呼んで、本当に大事なのだとしつこく伝えなさい」と強引に話を進めてしまった、らしい。そ